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恵まれたと思ったら恵まれなかった人の逆転劇っぽい話  作者: まさと・とむら
6章 ジャッパ大陸
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第148話【底なし沼にハマった時の対処法】

「今すぐ、引っ張るので頑張ってください」

エースがカヤに言った。


「お願いします…」

カヤが恥ずかしそうに言った。



「皆さん、行きますよ!せーのっ!」

エースのかけ声と同時に4人でカヤの両腕を引っ張った。


「い゛た゛い゛!い゛た゛い゛!い゛た゛い゛!ちぎれる!腕がぁぁ!」

カヤは、引っ張られる痛みに耐えられず叫んだ。



「…どうしたらいいんでしょうか」

エースがフィリアに訊いた。


「知らないわよ」

フィリアもお手上げだった。


「とりあえず、水を入れて泥を柔らかくしてみる?」

マリーネが言った。


「まずは、そうしてみましょう」

そう言って、エースが水を泥に注いだ。


「…なんか、余計沈んでる気がする」

カヤの様子を見て、フィリアが言った。


「ちょっと、考え直してみた方が良くない?」

アリスが皆に言った。


「確かに…すみません、もう少しそのまま待っていてください」

エースがカヤに伝えた。


「分かりました、エース様。ただ、なるべく早くして欲しいです」

カヤが少しづつ沈みながら言った。


「このままだと、カヤがアイルビーバックすることになるよ」

アリスが言った。


「いや、沈んだら戻って来れないでしょ」

エースが言った。



「そういえば昔、底なし沼にハマった時の対処法をみた気がします」

エースが思い出したように言った。


「早く、思い出さないと!」

フィリアが言った。


「ちょっと待ってくださいよ」

エースは、一生懸命急いで思い出そうとした。


「思い出しました!」

エースがひらめき顔で言った。


「よくやった!」

マリーネが言った。


「とりあえずカヤさんは、そのまま横になってください」

エースがカヤに指示した。


「横になったら、全身が埋まるまでの時間が短くなるよ?」

アリスがエースに言った。


「横になると、体の重さが分散して沈みにくくなるらしいですよ」

エースがアリスに説明した。


「分かりました!」

カヤは、上半身だけ倒した。



「まずは、カヤさんが埋まっている場所の周りの泥を固めます。もしくは、平らな木の板を敷くのでもいいと思います」

エースが泥を魔法で固めながら言った。


「いい感じに固まったわよ!念の為その上に木の板も敷いて置いたわよ」

アリスが言った。


「そしたら、カヤさんの周りの泥に水を注ぎます」

エースが水を注ぎながら言った。


「そしたら、また沈んじゃうよ?」

マリーネが言った。


「水を注いで、沈むということは泥が柔らかくなった証拠です。だから、その泥が柔らかいうちに、頑張って引っこ抜けばいいんですよ」

エースは、そう言いながら、カヤの体を抱いた。


「皆さんも、カヤさんをしっかり掴んでください」

エースが指示をして、全員でカヤを掴んだ。


「行きますよ!せーのっ!」

エースのかけ声とともに、全員でカヤを引っ張った。


すると、カヤの体が少しだけ持ち上がった。


「このまま行きましょう!せーのっ!」

エースのかけ声でまた全員でカヤを引っ張った。


すると、カヤは泥沼から抜け出すことが出来た。


「皆さん!ありがとうございます!助かりました…どうしました?」

カヤは、エースが顔を赤くして目を逸らしていることに気づいた。


そして、皆の目線を追って、自分の下半身を見た。


「きゃぁぁぁ!」

カヤはズボンが脱げていることに気づいた。


「私のズボンはどこ?」

カヤは、急いで自分のズボンを探したが見当たら無かった。


「多分、泥の中じゃない?」

フィリアが泥沼を指さしながら言った。


「そんなぁぁ!」

カヤは、泣きながら言った。

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