第141話【神業】
『やぁ。よく来たね。』
エース達が休んでいると神の声がした。
「何をさせるつもりだ?」
エースが神に問う。
『アリス達の遺灰は、持ってる?』
「持ってますけど…」
エースは、遺灰の入った袋を取り出した。
『じゃあ、それをその辺に埋めてみて。』
「なんでですか?」
『いいから、いいから、ね?』
エースは、神に言われた通りに遺灰を埋めた。
『はい、じゃあちょっと待ってね…コホン。』
そう言って神は、咳払いをした。
「何をやらかすつもりなんだろ」
エースは、ボソッと言った。
『【ララララーーン】!』
神が大声で叫んだ。
すると、遺灰を埋めた場所に空から一筋の光が射した。
「怖い怖い何?!」
エースは、不気味に思った。
そして、光が射した場所の土が震え始めた。
「地震?ゾンビ?温泉?何が起きてるの?」
エースは、戸惑っていた。
そして、土にできたヒビから手が出てきた。
「ゾンビだ!僕ももう終わりだ!」
エースはゾンビ映画に出てくる村人のように言った。
『ゾンビごときに早とちりすぎるだろ。』
珍しいことに神がエースにツッコんだ。
「ぱぁ!苦しかった!」
先に出てきた手の横からフィリアの顔が出てきた。
「フィ…フィリアさん!?なんで?!」
エースは、驚きまくった。
すると、続々とアリスとマリーネの顔も出てきた。
「なんで?!みんなが?!」
エースは、取り乱していた。
『驚いたろぉ?これが神様というものだよ。ナメちゃいけないよ?』
神がいばり気味に言った。
「ありがとうございます!仏様!」
エースが神に向かって言った。
『テメェこのやろー、シバいたろか?』
神が肩を回しながら言った。
「冗談です。ホントにありがとうございます!」
エースの目には涙が浮かんでいた。
『ただし、生き返りはこの1回だけだからね。これからは、死んでも生き返らないよ。』
神の声が遠ざかって行った。
「承知しておりますとも。神様」
エースが神に対して礼儀正しくなった。