第13話【成長】
「クソ、だりぃな」
エースは、町の周りを走らされていた。
「なんで、いきなり走らすんだよ、あのジジィ」
その途中でエースはスライムと出会った。
目が合っただけで、なぜか戦いが始まった。
エースとスライムは、戦っている…はずなのに、周りからみたらただ戯れあっているように見える。
「クソ、強いな!これ、ホントにスライムなのか?」
グーパンチしかないエースは、スライムに苦戦した。
ようやく、スライムを倒した。30分程戯れていた。
「あ〜、疲れた。 ん?なんだ急に?」
ステータスが勝手に開かれた。よくみると、スキルの欄に変化があった。
「能力鑑定? なんだこれ」
能力鑑定:スキルを唱えた相手のステータスをみることが出来る
「なんか、出た!」
"能力鑑定"という文字をタップしたら説明が出てきた。
「待って、説明出てくるんなら最初に試す意味無かったんじゃね?アリスにも伝えておきたかったな。」
エースは、ようやく気づいた。
数分後エースは、また魔物に捕まっていた。
次の敵は、"スワロー"という名のスズメみたいなやつだ。
「スワローなのにスズメなのか?スワローってツバメだよね?」
エースは、頭の上にハテナが浮かんだ。
「世界が違うからしょうがないか」
何となく自分に言い聞かせた。
「とりあえず、どうやって倒すかな?」
グーパンチしか持ってないエースは、空を飛ぶ敵を前に立ち尽くした。
足下に目をやった、そこには石があった。
「これ、使えるよな」
石を拾い大きく振りかぶった。そして、スワロー目掛けて手を離す。
「っしゃ! 命中!」
石をくらったスワローは、そのまま落ちた。
倒したようだ。
ステータスがまた勝手に開いた。
「スキルがまた増えてる!」
どうやら、新しいスキルを手に入れたらしい。
「"名投手"が増えてる……また野球かよ!」
説明には、命中率が上がると書いてある。
「これは、使えるんじゃね?」
少しだけ心が踊った。
――ステータス――
名前:エース・スラッグ
種族:人間
年齢:17
レベル:2
MP:10000/10000
HP:30000/30000
防御:80
攻撃:51
役職:魔術師
スキル:周辺探知,長打力、左腕の取り外し、名投手、能力鑑定
裏スキル:オールマジック
固有スキル:神とのコンタクト
固有裏スキル:ステータスの隠蔽
――――――――――
「ってか、左腕の取り外しってなんだよ!」
エースの声は、辺りに響いた。