第136話【突然】
「おい…嘘だろ…」
アリス達のいるところまで戻ってきたエースは、膝から崩れ落ちた。
エースの目に、血まみれで倒れているアリスとマリーネとフィリアがいた。
「おい!みんな!」
エースは、慌てて駆け寄った。
エースが近くに寄ると、みんなの状態は見れたものではなかった。
アリスは、腹を喰い荒らされ内蔵が飛び出していた。
フィリアは、手足を喰いちぎられて胴体しか残ってなかった。
マリーネは、全身を鋭い爪のようなもので切り刻まれていた。
そしてアリス達の周りをハエが飛んでいた。
この状態を見たエースは思わず嘔吐した。
「……」
エースは、声も出なかった。
「なんで…なんで…」
しばらくして、エースは涙を流した。
「誰の仕業だよ…クソが…誰だよ…」
エースは、唇を強く噛み締め、拳を強く握った。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!返せよ!みんなを!!」
エースは、泣き叫びながら怒りに任せて爆発魔法を使い、森を消滅させた。
エースとアリス達の周りだけ吹き飛ばないようにしていた。
「誰のせいって…自分のせいじゃないか…僕がみんなを置いていったから…」
エースは、その場に膝をついた。
「皆さん、ごめんなさい…僕のせいで…」
エースは、泣きながらアリス達に向かって強めの【ボヤ】を唱えた。
エースは、アリスとマリーネとフィリアの残っている骨を持って、近くの村に向かった。
エースが近くの村に到達した時には、日が暮れ始めていた。