第134話【羊を数えても寝れない時は寝れないよ】
「まだ歩くの?」
しばらく森の中を歩き続けてアリスが言った。
「とりあえず、この森を抜けようか」
エースが言った。
「にしても、この森…なんか気持ち悪い…」
マリーネが周りを見ながら言った。
「なんか…しんどい…体が重く感じる…」
フィリアが言った。
「更年期ですか?フィリアさん」
エースがフィリアに言った。
「そんな高齢じゃないわよ!」
フィリアが否定した。
「いや、フィリアさん今自分が何歳と思ってるんですか?」
エースが言った。
「えっと…100は、超えてる…」
フィリアが少しガッカリしながら言った。
「でも、私も…なんかダルい…」
アリスが言った。
「この森入ってから…やる気が出ない…」
マリーネがその場に腰を下ろしながら言った。
「もしかして、この森に何かあるのか?昼だったのに薄暗いし…」
エースは、疑った。
「眠たい…おやすみ…」
フィリアが道の真ん中で横になった。
「ここで寝たらダメですよ!」
エースは、フィリアを頑張って起こそうとしたが、フィリアは寝た。
「エースは、ダルくないの?元気そうだったけど」
アリスは、エースに訊いた。
「僕は…今の所は…え?もしかして、体調悪そうにした方がいい?」
エースは、みんなに訊いた。
「そんなことはないんじゃない…」
マリーネが言った。
「にしても、この状況は明らかにおかしい…【周辺探知】!」
エースは、魔物の影響を疑った。
「…やっぱり、近くに大きめの魔物の気配がする…皆さんは、休んでてください…っていう前に全員寝てる…」
エースは、気配の方に向かって行った。
「…オールマジックあるけど、魔法の名前覚えられないな…」
魔物に向かう途中、1人で呟いた。
「ワンチャン、適当に言ってもなんか出る気がする!」
エースは、謎の自信に溢れていた。
「この近くのはずなんだけど…」
エースは、魔物の近くに辿り着いた。
すると、エースの目の前に自分より大きい羊のような魔物が現れた。
「お前が、この森をおかしくしているやつだな?」
エースは、羊の魔物に向かって言った。
「そうだ!私がこの森に入った全ての人間を無気力にさせている、ヒツジガゴヒキだ!」
魔物が丁寧に自己紹介をした。
「【能力鑑定】!」
――ステータス――
名前:ヒツジガゴヒキ
ランク:H
弱点:オオカミ
―――――――――
「ランクHってなんだよ!聞いた事ないんだけど…」
エースがヒツジガゴヒキに訊いた。
「ヒツジのHだ!」
ヒツジガゴヒキは、ドヤった。
「知らんがな!」
エースはツッこんだ。
「っていうか、なんでお前は私の力が通用しなんだ?」
ヒツジガゴヒキは、焦り気味に言った。
「知らんがな!」
エースは、答えた。
「まさか、お前…何も考えてない馬鹿なのか?馬鹿には、この力が通用しないんだ」
力が通用しないエースにヒツジガゴヒキは、焦っていた。
「誰が馬鹿だ!五匹目の分際で調子乗ってんじゃねぇよ!」
エースは、怒った。