第131話【This is……】
「This is エンターテイメント!さぁ、やるとするか…」
ジローも戦う姿勢に入った。
「おりゃぁぁぁぁ!!」
エースは大声をあげ、ジローにツッこんで行った。
突っ込んで来るエースに対して、ジローは、【ヌマ】を唱えるが、エースは、華麗に避ける。
「フン、やるな…」
ジローは、次の魔法を唱える準備をした。
「そうは、させるか!」
エースは、ジローに手のひらを向けた。
「何?!魔法が…打ち消された…」
ジローは、戸惑うが即座に近づいてくるエースの前に火の壁を作った。
エースは、少し後退するも火の壁が消えた瞬間突っ込んで行った。
ジローは、エースに向けて、火の玉でできた龍を放った。
「クッ……まだだ…」
エースは、火の龍に突っ込み始めた。
「血迷ったか?自ら火の中に飛び込むとは……何?!」
ジローの前には、火の龍の表面を一瞬だけ凍らせながら走って来るエースがいた。
「死ねぇぇぇぇぇぇ!!!!」
龍を越えて、エースがジローに斬りかかった。
「やられてたまるかァァ!」
ジローは、岩で壁を作った。
しかし、一瞬で岩を砕き、ジローに刃を入れた。
「グ…グァァァァァァァ!!!!!」
斬られたジローは、火に焼かれ、氷漬けにされ一瞬で氷が溶け、雷が落ち、全身に電撃を喰らった。さらにジローの傷口に毒が纏わりつき、死にたくなるような痛みを与えた。
「This is dead end…」
エースの剣が崩れ落ちると同時にエースの後ろでジローは、爆発した。
戦隊ヒーローのようだった。
黒い霧が晴れ、目の前はエントランスに戻っていた。
「おめでとうございます。貴方は、中ボスのジローを無事倒すことが出来ました。景品として、新しいエリアが解放されました。なお、この決闘で負った傷や怪我は、全て治しましているので安心してください」
受付の女性が祝ってくれた。
「あの…、他のみんなは?」
エースは、3人の行方を尋ねた。
「他のメンバーの方は、先にお部屋にお運びしました。皆さんぐっすり眠っています」
女性は、丁寧に教えてくれた。
「ありがとうございます」
エースは、みんながいる部屋に向かった。
「みんなよく寝てるなぁ」
エースは、少し笑いながらみんなの様子を見た。
「そういえば、ここに来て風呂に一回も入れてないし、みんな寝てる今のうちにお風呂入ってみよう」
エースは、この街に来て初のお風呂に入った。
「表面上は怪我とか傷はないけど…傷を負った感覚とか疲れとかは、感じるのなんか嫌だな…」
エースは、湯船にゆっくり浸っていた。
「ふぅ…いい湯だった…あれ、なんか目の前が…フラフラする…これが疲れか…」
エースは、3人が寝ているベッドに倒れ込み、沈むように溶けていくように眠りについた。