第126話【遊園地から帰る時、すごい虚しくなる】
「そういえば、フィリアさんの苦手なアトラクションってあるんですか?」
遊園地を歩いているとエースが突然、尋ねた。
「お化け屋敷は、嫌いかも…」
フィリアは、渋い顔で答えた。
「では、お化け屋敷行きましょう!ジェットコースターのお返しです」
エースは、悪い顔をして言った。
「私は、パス」
アリスが言った。
「私も…」
マリーネが言った。
「あ、もうチケット4枚買っちゃった」
エースが悪い顔をして言った。
「「「え〜」」」
皆、乗り気ではなかった。
「さぁ、入りましょう!」
エースが先頭でお化け屋敷に入った。
「うらめしや〜」
入ってすぐ幽霊が出てきた。
「いやぁぁぁぁ!」
フィリアが叫びながら幽霊を殴った。
「痛っ!うぅ…(泣)。」
幽霊が泣き出した。
「あれ?ホイスーさんじゃないですか」
幽霊の顔を見てエースが言った。
「早く先に進みましょ…」
フィリアがビクビクしながら言った。
「きゃぁぁ!」
フィリアは突然目の前に現れた落ち武者の格好をした人に驚いた。
「あ、お疲れ様です…。大変ですね…お化け役って」
アリスが言った。
「雰囲気台無し!」
マリーネがツッこんだ。
「いやぁぁぁぁ!」
突然目の前に現れた、非常口の看板を見てフィリアは大声を上げた。
「フィリアさん、それ違う」
アリスがツッこんだ。
「もうやだ…次お化け出たら殴り飛ばす…」
フィリアが泣きながら言った。
「それは、ダメです…可哀想なんで。お化け役の方が」
エースが冷静に言った。
「ばぁぁぁ!」
突然、顔が腫れた小さいおじさんが現れた。
「ぎぁぁぁぁ!」
フィリアは、叫びながら小さいおじさんを蹴飛ばした。
「いやぁぁぁぁ!」
小さいおじさんが叫びながら屋根を突き抜け飛んで行った。
「もしかして今の…。なんか、似てたな…ホイスーさんに…でも、殴られた跡があったから違うか…。最後に見た時は、そんな跡なかったし…」
エースがボソッと言った。
「怖かったぁぁぁぁ!」
屋敷を出たあと、フィリアが泣き叫んだ。
「このお化け屋敷は、幽霊の魔物が出るって有名らしいですからね」
エースが言った。
「やっぱり、本物は違うね」
マリーネが言った。
「え?ただの暗い部屋だったんだけど…」
アリスが言った。
「え?」
エースは、驚いた。
「前半は、ホイスーさんとか落ち武者役の人とかいたけど、後半は、何も出なかったし…」
アリスが思い出しながら言った。
「マジで?霊感ない系なの?」
エースがアリスに訊いた。
「見えてなかったの?おしり丸出しのおじさんとか、おしりを壁に擦り付けるおじさんとか」
マリーネがアリスに訊いた。
「そのおじさん、同一人物じゃない?」
アリスが訊いた。
「全然、違ったよ。片方は、顎髭が生えていて、もう片方は、ちょび髭だったもん」
マリーネが言った。
「ホントに見えてなかったんだ…」
フィリアが死にそうな声で言った。
「いやー、楽しかったね」
遊園地を出て、エースが言った。
「久しぶりの遊園地は、テンション上がったね」
アリスが言った。
「そういえば、フィリアさんの元気はどこに忘れてきたの?」
マリーネがフィリアに訊いた。
「お化け屋敷やだ…もう…行きたくない…」
フィリアは、だいぶ疲れていた。
「明日は、いよいよボス戦だね」
アリスがみんなに言った。
「今日も早く寝て、明日に備えましょう」
エースがみんなに言った。
「疲れたぁぁ!」
宿に戻りエースが大声で言った。
「じゃあ、私たちお風呂入るから…」
アリスがそう言うと、エースは壁に貼り付けられ目隠しと耳栓をつけられた。
「またこれかよ…」
エースは、ため息混じりに言った。
「あれ?また忘れられてない?」
何時間経っても解放されないエースは、泣きそうになった。