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恵まれたと思ったら恵まれなかった人の逆転劇っぽい話  作者: まさと・とむら
6章 ジャッパ大陸
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第124話【初めて乗ったジェットコースターは水にダイブするやつでした】

「誰?そのお方」

前に座ってるエースの会話が聞こえたマリーネがエースに訊いた。


「あ、このジジイは…間違えた、この方は一応僕の師匠のゴミ…間違えた、ホイスーさんです」

マリーネとアリスに紹介した。


「あんた何やってるの!?」

アリスとマリーネの後ろから大きな声が聞こえた。


「おー、フィリア!久しぶりやの〜」

ホイスーは、フィリアに気づき手を振った。


「で?何やってるんですか?」

エースがホイスーに尋ねた。


「いや〜、借金返せなかったからここでタダ働きさせられとるんよ」

ホイスーが笑いながら言った。


「ここの職員なのに乗ってるんですか?サボりですか?」

エースがホイスーに尋ねた。


「なんか、安全確認をしろって……お前さっき先生のことジジイとかゴミって言ったな!ここの外周走ってこい!」

ホイスーがエースに言った。


「アンタ何言ってんの!?ウチのエースちゃんになんてことさせようとしてるの?」

後ろから野次が飛んで来た。


「うぅ…(泣)。」

ホイスーはフィリアに弱かった。


「ねぇ、フィリアさんとゴミ…?さんは、どういう関係なの?」

マリーネがフィリアに訊いた。


「おい、初対面にゴミはうぅ…(泣)。」

ホイスーのメンタルは、弱かった。


「コイツは、私の元旦那なの。エースに出会ってからコイツは、捨てたけど」

フィリアは、冷たい声で言った。


「まもなく、発車します。安全バーが降りていることを確認してください」

アナウンスが流れると、安全バーが下がってきた。


「あのー…降りて来ないんですけど…」

ホイスーの安全バーだけそのままだった。


「問題ないようなので発車いたします。安全バーにしっかり掴まってください」

ホイスーの声が聞こえたはずなのに、アナウンスは何も無いように進めた。


「だから…安全バーが…」

ホイスーは必死にアピールした。


「それでは発車します!良いフライトを」


ジェットコースターが出発した。


「おいおい、ちょいちょい…ちょ待てよ!」

ジェットコースターが坂を登る間、ホイスーは怯えていた。


「来るよ来るよ」

フィリアは、先で起こることにワクワクしていた。


「もう、頂上だ!」

マリーネも楽しそうだった。



「「「「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」」」」


ジェットコースターが坂を下り始めた。


ホイスーは、風圧で何とか椅子に貼り付けられていた。


目の前に、回転ゾーンが見えた。


ジェットコースターは、スピードを落とすことも無く回転ゾーンに入った。


「わぁ!回る回る」

アリスもジェットコースターを楽しんでいた。


ガタン…


ちょうど、逆さまの状態でジェットコースターが止まった。


「「「「え?」」」」


「ただいま、トラブルが発生しております。しばらくお待ちください」

アナウンスが聞こえた。


「なんか、コウモリみたい」

フィリアはこの状況を楽しんでいた。


「でも、頭に血が登る…」

マリーネが言った。


「おい、誰か!先生を助けて」

ホイスーのヘルプが聞こえた。


ホイスーは、イスを掴んでぶら下がっていた。


「腕が…握力が…うぅ…(泣)。」

ホイスーが泣き出した。


ガタン…


ジェットコースターが動き始めた。


「「「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」」」


動き始めた瞬間、スピードはMAXで進み始めた。


「うわぁぁぁぁ!」

ホイスーは、鯉のぼりのようになっていた。



「ジェットコースターが完全に止まるまで席を立たないようにしてください」

終点に着き、アナウンスが流れた。



「いや〜、楽しかったね」

フィリアは、満足そうだった。


「ホイスーさん、大丈夫だったのかな?」

アリスが呟いた。


「あのまま、落ちてくれたら良かったのに…無駄に抵抗して最後まで生き残ったからね…」

フィリアは、残念そうに言った。


「それでも元夫婦か!?」

マリーネがツッコんだ。


「で?エースは?」

死にそうな顔したアリスが訊いた。


「何もおぼえてない…」

エースは、蚊みたいな声量で言った。


「まぁ、始まりから終わりまで失神してたしね?」

マリーネが言った。



「どうだ?安全確認できたか?」

「体で安全確認してきました…」

「そうか、じゃあ次の仕事だ」

「うぅ…(泣)。」


ジェットコースターから出る時、ホイスーと従業員の会話が聞こえた。


「ホイスーさんも大変ね…」

アリスが呟いた。


「次は、何に乗る?」

フィリアは、次のアトラクションを探し始めた。

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