第123話【遊園地】
「ねぇ見て!遊園地あるよ!」
街に繰り出してしばらくした時、フィリアが言った。
「行ってみる?」
マリーネがフィリアに訊いた。
「いくいく〜〜〜!」
フィリアは無邪気に喜んだ。
「見て!ジェットコースター!」
フィリアは子供のような目をして言った。
「待って…ジェットコースターからメキメキっていう音が聞こえるんだけど…」
アリスが不安そうに言った。
「痛っ」
レールの下にいた、エースがこぼした。
「どーしたの?」
マリーネがエースに訊いた。
「なんかレールからボルトが落ちて来たんだけど…」
エースが地面に転がったボルトを持って言った。
「……帰ろ?」
アリスがフィリアに言った。
「やだ!」
フィリアは食い気味に拒否した。
「じゃあ、ジェットコースターから乗ろう!」
フィリアが言った。
「アホか!」
マリーネがフィリアを止めた…が遅かった。
「すいせん、チケット4枚ください」
フィリアはジェットコースターの受付にお金を払っていた。
「買ってしまったら乗らないといけないじゃん…もったいないし…」
アリスがボソッと言った。
「行くよ、エース!」
マリーネがエースに呼びかけた。
「え…」
エースは、ガクガク震えていた。
「はい、行くよ」
フィリアがエースを無理矢理、ジェットコースターに乗せた。
「席順は、エースが1番前でその後ろがアリスとマリーネ。その後ろに私ね」
着席前にフィリアが説明した。
「なんで、1番前なんですか!」
エースは大声で言った。
「いや〜、空いてる席がこの4つしかなかったから…」
「だからといって僕が1番前の必要ないじゃないですか!フィリアさんが1番前でいいじゃないですか!」
「やっぱり、男なら1番前だよね…」
「理由になってません!」
エースとフィリアのやり取りは、大声で行われていた。
「もうヤダ…」
ジェットコースターに乗った時点でエースは、死にそうになっていた。
「あれ?エースじゃないか!」
隣から聞き覚えのある声がした。
「あれ?何してるんですか!?」
エースは、隣を見て驚いた。