第122話【中ボスの正体】
「さて、どうしたものか…」
夕食と情報収集を終え、宿に戻りエースが呟いた。
「情報を集めれば集めるほど、このホテルのオーナーなんだよね…」
アリスが呟いた。
「やっぱり、この大陸のボスはオーナーさんなんだね」
フィリアが言った。
「ねぇ、この宿の特典に中ボスとの決闘っていうのがあるよ」
宿の説明書を見ながら、マリーネが言った。
「そもそも隠す気すらないんだ」
エースは、思わずツッコんだ。
「じゃあ、明日はジローと戦ってこの街を出て次の大陸を目指しましょ」
アリスが言った。
「そうね」
フィリアが頷きながら言った。
「とりあえず、このホテルを満喫しよう!」
アリスが元気よく言った。
「ノーテンキかよ」
エースは、アリスにツッコんだ。
「とりあえず、風呂入りたいんだけど…どうする?」
ガラス張りの風呂場を見て、アリスが言った。
「これじゃあ、裸見られ放題だね…」
マリーネが嫌そうに言った。
「なんでここのホテル、風呂がガラス張りなのよ!」
アリスがキレた。
「いっその事、全員で一緒に入る?浴槽も結構広いし」
フィリアがエースを見てニヤケながら言った。
「「嫌に決まってるでしょ!」」
アリスとマリーネが同時に言った。
「ごめん…」
怒られて素直にフィリアは、謝った。
「何想像してるの!?この変態!!」
顔を赤くしたエースを見てアリスが言った。
「ば…な…何も想像してないわ!」
エースが取り乱して言った。
「やっぱり、変な妄想してたのね!」
アリスは、エースを睨んだ。
「あのー、助けて…苦しいんだけど…痛いんだけど…」
壁に貼り付けにされ、耳の中にティッシュを詰め込まれ、顔全体をタオルでキツく覆われたエースが言った。
「これで、安心してお風呂入れるね」
アリスが一仕事終えたように言った。
「ちょっと可哀想…」
マリーネがほんの少しだけエースを心配した。
「痛い……」
翌朝、エースは体全体を痛めていた。
「まぁ、昨日の夜からずっと縛りつけられて、身動き取れない状態で一晩明かしたらそうなるよね…」
アリスが渋い顔して言った。
「まさか、風呂入ったあとそのまま全員寝落ちするとはね…」
マリーネが愛想笑いをしながら言った。
「膀胱が破裂するところだったよ……まだ痛いし…」
エースの体調は、万全ではなかった。
「やっぱり、明日の朝に中ボスと戦おうよ」
エースがみんなに提案した。
「じゃあ、今日はこの街で遊ぼう!」
フィリアは、ノリノリだった。
「今日の夜は、同じことがないように気をつけます」
エースのボロボロの姿を見て、アリスは少し反省していた。