第115話【ビニール袋ずっと持ってると手が痛い】
「やっと着いた…」
街の前で、ため息混じりにエースが言った。
「すんごい栄えてるね」
街の様子を見て、フィリアが言った。
「今まで見た中で1番、東京に近いね」
アリスが言った。
「早く中に入ってみよ!」
マリーネがワクワクしながら言った。
「タピオカとか虹色の綿菓子とかあるかな…」
エースがワクワクしながら言った。
「私は、アニメ関連の店を探したい!オタクの街行きたい!」
アリスがワクワクしながら言った。
「でもここにボスいるんでしょ?」
フィリアが全員を現実に戻した。
「あぁ…そうだった…」
マリーネが露骨にガッカリした。
「まぁ、とりあえずボスの情報を集めながら観光しよう!」
アリスが言った。
「凄いビル街ですね」
街に入ってすぐエースが言った。
「アスファルトとかコンクリートが多すぎて、凄い熱い」
手で顔をあおぎながらアリスが言った。
「観て!あそこにでっかいスーパーがある!行ってみようよ!」
フィリアがワクワクしながら言った。
「ちょうどいい機会ですし、食料や生活必需品を買い溜めておきましょう。看板に激安ジャングルって書いてあるし…」
エースがスーパーの看板を見ながら言った。
「凄いスーパーだったなぁ」
フィリアが両手に袋を持ちながら言った。
「何もかもが安いし品揃えがいいし…なんでも揃って便利なお店だね」
マリーネも両手一杯に袋をさげて言った。
「次は宿探しですね」
エースも両手に袋をさげて言った。
「空いてるといいな、いい部屋」
両手に袋をさげたアリスが言った。
「全然、空いてないじゃん!」
疲れた様子のフィリアが叫んだ。
「5軒の宿屋を回ってひとつも部屋が空いてないとは…」
マリーネが深刻そうな顔で言った。
「もう何軒か宿を探して空いてなかったら、野宿にしましょう」
エースがみんなに伝えた。
「野宿やだぁぁ!」
フィリアが駄々をこねた。
「じゃあ、頑張って探してくださいよ」
フィリアにエースが言った。
「はーい…」
フィリアの返事から、ダルさが伝わってきた。
「手分けして、空いてる宿を探しましょう」
エースがみんなに伝えた。
「どうだった?」
再集合してアリスが皆に尋ねた。
「こっちはダメだった」
エースが言った。
「あったにはあったけど…1泊の値段が金塊1つと同じ額だった…」
マリーネが残念そうに言った。
「こっちも高いし空いてないしの繰り返しだった…」
アリスも悲しそうだった。
「私は、見つけたよ!安くて空いてる宿」
嬉しそうにフィリアが言った。
「じゃあ、そこへ向かいましょう!」
エースが嬉しそうに言った。
袋をさげていた全員の手は、真っ赤になっていた。