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恵まれたと思ったら恵まれなかった人の逆転劇っぽい話  作者: まさと・とむら
6章 ジャッパ大陸
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第111話【俺らこんな村いやだ】

「喰らえ!【ハジランド】!」

マリーネがエースに向かって唱えた。


「…」

特に異変はなかった。


「あ、あれ?なんで?」

マリーネは、困惑していた。


「へっ、話をまたいでまで唱える魔法とは、そんなしょぼいものなのか?」

エースがしっかり煽った。


「なんで?羞恥心がある限りほとんどの人が効く、意味も無く恥ずかしくなる魔法なのに……。あ…なるほど…」

マリーネが心配をする様な眼差しでエースをみた。


「僕にだって、羞恥心はあるよ!うぅ…(泣)。」

エースは悲しくなり、泣いた。


「この勝負、マリーネの勝ち!」

遠くからアリスの声が聞こえた。


「やーい、ざまぁみろ」

マリーネがエースを煽った。


「うぅ…うわぁぁぁん」

エースは、泣いた。





「しばらく歩いたけど、村も町も見当たらない。ね?エース…まだグズってるの?」

「うぅ…(泣)。」

魔法対決から約2週間、フィリアがエースに話しかけたが答えは、泣き声しか返って来なかった。


「見て!あそこに!村が!ある!」

アリスが元気に言った。


「でも、しょぼくない?」

村をみたマリーネが言った。


「確かに…でも、行ってみたら栄えてるかもよ?」

フィリアが言った。


「よし、行ってみよう!」

アリスがワクワクしながら言った。



「これが村の入口みたいです…」

泣き止んだエースが村の前で言った。


「い、入ってみよ…もしかしたら栄えてるかもだし…」

フィリアが気を使って言った。


「もう諦めなさい…」

アリスがフィリアに言った。


村は、どう見ても廃れていた。人が住んでいると思えないほどに。



「一応、店とかあるし買い出しと宿泊はしておきましょ」

フィリアが言った。


「まぁ…そうね。疲れたし…」

アリスが渋々賛成した。



「この村…早く出ません?」

寝床に着いた、エースが言った。


「待って!ここゴキブリ出るじゃん!蜘蛛もいるし!」

エースの声をかき消すほどの大声でアリスが叫んだ。


「電気もないし、早く寝て早くこの村を出ましょう…」

フィリアも賛成した。


「ディスコも無ェ のぞきも無ェ レーザー・ディスクは何者だ?」

エースがフィリアの言葉を聞いた途端、呟き出した。


「何言ってるの?」

フィリアは、エースを心配した。


「カラオケは あるけれど かける機械をみだごとァ無ェ」


「レーザー・ディスクって何?」

マリーネがエースに尋ねた。


「新聞無ェ 雑誌も無ェ たまに来るのは回覧板 信号無ェ あるわきゃ無ェ 俺らの村には電気が無ぇ」


「アリス助けて!エースがおかしくなった」

マリーネは、アリスに助けを求めた。


「大丈夫、通常運行。これからサビだからもうちょっと待ってあげて…」

アリスは、珍しく止めなかった。


「♪俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら 銭コァ貯めで 銀座に山買うだ」


「「ダァ」」

エースとアリスが同時に決めた。


「なんなの?それ?」

フィリアがエースとアリスに訊いた。


「故郷の歌」

アリスが端的に説明した。


「ふーん、なるほど…」

マリーネが言った。


「で?なんの時間だったの!?」

フィリアが歌いきって、一息ついている2人にツッこんだ。

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