第110話【魔法合戦】
「いくよ!エース!」
〖ミナミノミヤコ街〗を出て近くの草原に来たエースとマリーネが決闘しようとしていた。
「かかってこいや!」
エースが受け入れ態勢を取った。
「まずは、水魔法【ハンガワキ】!」
マリーネが唱えた。
「な、なんだこれ?」
エースの服から生乾き臭がするようになった。
「ハッハッハ!相手の服に生乾き臭がするようにする魔法なのだ!」
マリーネが小悪党のように言った。
「だが残念!【ドライド】!」
エースは、自分に魔法を唱えた。
「な、何をした?」
マリーネがエースに訊いた。
「この魔法は、服を一瞬で乾かす魔法なのだ!」
エースが自慢げに言った。
「く、クソ!負けた…」
マリーネは少しダメージを受けた。
「次は、こっちの番だ!【モレゾー】!」
エースがマリーネに唱えた。
「な、なによ!これ!いや…いやぁぁぁぁ!」
突然マリーネが顔を火照らせて叫び出した。
「何をしたんだ?」
遠くで見ていたアリスがエースに訊いた。
「この魔法はなんと…失禁体験ができる魔法だ!」
エースが大声で言った。
「この変態!」
遠くにいたはずのアリスが目の前にいて、エースを殴り飛ばした。
「い、痛いじゃないか〜」
エースが殴られたところを押さえながら言った。
「うえぇん…ぐずっ…もうお嫁にいけない…」
マリーネは、心に深い傷を負い泣いていた。
「安心してください、ホントに漏らしているわけではないので」
エースがマリーネを慰めた。
「でも…私の足元が濡れてるし…」
マリーネが自分の足元を指さした。
「それは、【モレゾー】とは別の魔法で出した水です」
エースは、マリーネに説明した。
「アンタにも恥をかいてもらおうか!」
しばらくして泣き止んだマリーネがエースに言った。
「やってみろよ!カッカッカー」
エースが花を咲かすカッパの敵の青い蛍みたいな笑い方をした。
「どんな目みても知らないよ!」
マリーネは、エースを睨みつけた。