第109話【新しい魔法】
「遅かったね」
先に宿に戻っていたアリスが言った。
「事件に巻き込まれてしまって…」
エースが説明した。
「それは大変だったね」
アリスと同様に先に宿にいたマリーネが言った。
「なんかこの街、面倒事に巻き込まれやすくなる魔法でもかかってるのかね」
エースが言った。
「魔法で思い出した!新しい魔法を覚えたの!」
マリーネが元気よく言った。
「どんなの?服の汚れが綺麗に落ちる魔法?」
アリスがマリーネに言った。
「何それ?!その魔法めっちゃ欲しい」
マリーネが言った。
「で?なんの魔法なの?」
フィリアがマリーネに訊いた。
「なんと!この度!私マリーネは!………【服を汚す魔法】を手に入れました!」
マリーネが自慢げに言った。
「……使えねぇ!」
エースが思わず言った。
「そんな事を言うエースは、なにか新しい魔法を手に入れてるの?」
マリーネがエースを突き詰めた。
「知らないだろうが沢山の魔法を手に入れてるんだよ!」
エースが自慢げに言った。
「ふーん、じゃあその魔法達を見せてみよ!」
マリーネがエースを指差して言った。
「あぁ、見せてやるよ!」
エースが挑発に乗った。
「ちょっと待って!」
アリスが遮った。
「なんだよ!今からマリーネをけちょんけちょんにしてやるところなのに!」
エースが残念そうに言った。
「いや!ダメよ〜ダメダメ!ここで魔法使ったら大変な事になるでしょ!」
アリスが2人に言った。
「「確かに!」」
マリーネとエースは納得した。
「じゃあ、明日この街を出てそのまま近くの草原で魔法対決だ!」
エースがマリーネに挑戦状を出した。
「わかったわ!私だってまだ言ってない魔法があるんだから!覚悟しときなよ!」
マリーネがエースの挑発に乗った。
「よし!勝負だ!次の話でな!」
エースがマリーネを指差して言った。
『次回!城之内、死す。……あ、間違えた。エースとマリーネの馬鹿馬鹿しい魔法対決が始まる!』
突然、神の声が聞こえた。
「急に現れるな!」
エースがツッこんだ。
『一度は次回予告したかったから…。』
「知らねぇよ!」
アリスがツッこんだ。
『あ、今回の僕の出番コレだけです。特にお告げとかないよ。ただ言ってみたかったから来ただけ。』
「帰れ!」
エースが大声で言った。