第107話【帰り道】
「凄かったですね…色んな意味で」
ヤクザ医師の病院からの帰り道、エースがフィリアに言った。
「ホントに"なんでも治せる"って凄いね。てっきり嘘だと思ってた」
フィリアは、怪我が完全に治り元気が良かった。
「ホントそうですね。僕も旅の疲労が全て癒された感じがします。見た目は、アレだったけど腕は確かですね」
エースも体が軽く感じるほど元気になっていた。
「あの人、うちのメンバーに欲しいなぁ〜」
フィリアが言った。
「あ、絶対嫌です。見た目的に…」
エースが即否定した。
「キャァァァァ!」
エースとフィリアが街を歩いていると、叫び声が聞こえた。
「行ってみましょ?」
フィリアは、興味津々だった。
「どうしたんですか?」
叫び声の元へ行くと、倒れている人とその周りに沢山の野次馬がいた。
「この人が急に倒れて…」
倒れてる人の近くにいた人が言った。
「…ん?」
倒れている人を見た瞬間、エースが変な反応した。
「どうしたの?」
後から来たフィリアがエースに尋ねた。
「この人見た事ある気がするんですがどうですか?」
エースがフィリアに訊いた。
倒れているのは、またカヤだった。
「気のせいじゃない?」
フィリアがカヤと認識したうえで否定した。
「どうします?このまま、ほっておくと僕たちの評判が下がりますよ?」
エースがフィリアに耳打ちをした。
「そうね…。一応、助けときましょ」
フィリアがエースに耳打ちで伝えた。
「【ヒール】!」
フィリアが回復魔法を唱えた。
「あれ?私…意識が薄れて…あれ?!エースさん!?」
カヤが意識を取り戻した。
「なんでまた倒れてるの?」
エースがカヤに尋ねた。
「それが…近くの井戸水を飲んだら…」
カヤが言いづらそうに言った。
「また?!水にあたりすぎでしょ?!」
エースは、驚きながら言った。
「最近よくこの街で聞く無差別殺人だ!そうに違いない」
ガヤの中から聞こえた。
「無差別殺人だと?僕が犯人を捕まえてやる!」
エースが急にやる気を出した。
「どうしたの?エース。急にやる気出しちゃって」
フィリアもエースの態度に混乱していた。
「いや、探偵みたいなことやってみたかったので…」
エースは照れながら言った。
「エースさんは、私の為に犯人を探してくれるのですね」
カヤが嬉しそうに言った。
「違うってさっき自分で言ってたでしょ?」
フィリアがカヤにツッこんだ。
「はわわ…エースさん…」
カヤが恋する乙女のように言った。
「だから違うって」
フィリアは、おもわずツッこんだ。
エースは、カヤとフィリアのやり取りの間、井戸水や、井戸付近を調べていた。
「フッフッフ、分かりましたよ…犯人が…」
エースが自慢げに言った。
「もう?!早っ!!さすが!エースちゃん!」
フィリアは、驚いていた。
「犯人は………この街の誰かです!!」
エースが自信満々に言った。
「そんなのは、誰でもわかるわ!」
フィリアがエースにツッこんだ。