第106話【病院へ】
「ところで、どこに病院があるの?」
次の日、フィリアが街を歩きながら言った。
「知らん!」
隣にいたエースが歩きながら大声で言った。
「どうした?困り事か?」
知らないおじさんが話しかけた。
「病院を探してて…どこにありますか?」
エースが知らないおじさんに尋ねた。
「それなら、腕のいい薬剤師がいるぞ!どんな病院や怪我でも治せるとか…」
「ありがとうございます!場所を教えて貰っていいですか?」
エースは、知らないおじさんに感謝した。
「それならすぐそこさ!そこの角を曲がれば突き当たりにあるぞ」
知らないおじさんが指をさしながら教えてくれた。
「「ありがとうございます」」
2人は、頭を下げて感謝した。
「ココみたいですね」
知らないおじさんに言われた建物の前でエースが言った。
「すごいよね、なんでも治せるって」
フィリアもワクワクしていた。
「失礼します…」
エースがその建物に入ると、ものすごい光景が目に入った。
「あ゛?何の用や?」
ゴリゴリにタトゥーの入ったゴツイ男の人が言った。
「すいません、間違えました」
エースが早急に引き返した。
「どうしたの、エース?」
建物の前にいたフィリアに訊かれた。
「ホントにここであってるよね?」
エースは、フィリアに尋ねた。
「間違いないわ!曲がり角1つだったし、なんなら分かれ道すらなかったし」
フィリアがエースに言った。
「…一緒に入りません?」
エースは、フィリアの影に隠れた。
「しょうがないわね〜」
フィリアは、嬉しそうだった。
「失礼します…」
フィリアが先頭で建物に入った。
「なんだい?お嬢ちゃん?」
ゴリゴリにタトゥーの入ったゴツイ男の人が睨みながら言った。
「あ…いや…」
フィリアは、怯えて声も出なかった。
「なんだ、怪我か…ちぃーとこっちに来んさい」
タトゥーの男が手招きした。
「あなたがなんでも治せる薬剤師さんですか?」
フィリアは、男に尋ねた。
「薬剤師?俺は、ただの医師やで?なんやその情報」
男の人は、不思議そうに言った。
「薬剤師じゃなくて、ヤクザ医師でした…」
エースが小声で言った。