第105話【フィリアの大爆笑】
「酷い目にあった…」
宿に戻った時マリーネは、疲れ切っていた。
「明日も、自由行動にするから楽しんだり休んだりして次の旅路に備えましょう」
エースがみんなに言った。
「よっしゃ!遊びまくるぞ!」
フィリアは、嬉しそうだった。
「遊びすぎて疲れないでくださいよ?」
エースが、フィリアに釘を刺した。
「わかってるって」
フィリアは、自信満々に言った。
「じゃあ、私は休養に力を入れよ」
マリーネが言った。
アリスは、寝ていた。
次の日の夜、ボロボロになったフィリアが泣きながら宿に帰ってきた。
「痛いよぉ〜助けて〜」
フィリアがエースに泣きついた。
「どうしたんですか?」
エースがフィリアに訊いた。
「道を歩いてたら、馬車に轢かれて…」
「大惨事じゃないですか?!」
「その時は、【ヒール】で何とかなったけど…」
「それは、良かった…」
「まぁ、肋骨折れたままだけど」
「いや、何とかなってない!」
「そのあと、たまたま飛んできたボールが頭に当たって…」
「なんで!?」
「たまたま通りかかったヒーラーに助けて貰って、頭が凹むくらいで済んだんだけど…」
「済んでない!大惨事!」
「そのあと、空を飛んでた鷲に頭を掴まれて、爪がボールの凹みに引っかかってそのまま連れていかれて…」
「逆になんで生きてるんですか?!」
「それは、鷲に落とされた場所がこの街一番のヒーラーさんの家でそれまでの怪我を全部治してくれたから」
「じゃあ、なんでボロボロなんですか?」
「街一番ヒーラーのファイザー・モデルナさん家から帰る途中に空からタライが落ちてきて、そのあと、通り魔に一斗缶で頭叩かれて、打ち水している人に水かけられて…」
「なんですか?その、ドリフ詰め合わせは!」
「っていうことがあって…もう【ヒール】もあと24時間経たないと使えないし…困ってるの!だから助けて…」
「明日、一緒に病院探しましょ」
「うん!わかった!また明日!」
フィリアが布団に入った。
「ダメだこりゃ」
フィリアを見てエースがこぼした。