第103話【道案内】
「いいか?よく聞け。この度、私新しい魔法を手に入れました!」
道に迷ってる途中マリーネが言った。
「それは、どんな魔法なの?」
フィリアが訊いた。
「まさか、『死ね』って唱えるだけで相手を殺せる魔法?」
アリスが言った。
「そんなハードル上げないでよ」
マリーネが悔しそうに言った。
「じゃあ、どんな魔法?」
エースが訊いた。
「この魔法は…【目的地へ案内してくれる】魔法なのだ!」
マリーネが威張って言った。
「このタイミングにピッタリだ!」
フィリアが嬉しそうに言った。
「名付けて【コノサキミチナリデス】!」
マリーネが威張って言った。
「いや、カーナビでよく聞くけど!」
エースがツッコんだ。
「かーなび?って何?」
マリーネがエースに尋ねた。
「知らずにその名前つけたの?!ある意味才能…」
エースが言った。
「ありがと〜」
マリーネは、嬉しそうだった。
「いや、褒めてないから」
エースが否定した。
「えいっ!」
マリーネが魔法を唱えた。
「ん?何も起きないよ…」
フィリアが言った。
「なんか味噌汁食べたくなってきた…」
アリスが言った。
「今それどころじゃ…ん?これは…」
エースがマリーネの方を向いた。
「あ、間違えて【スープ】をかけてしまったみたい」
マリーネがてへぺろな顔して言った。
「何してんねん!」
エースが大きい声でツッコんだ。
「ごめんて。やり直す」
マリーネが申し訳なさそうに言った。
「今度こそ頼むよ!」
【スープ】が解けたアリスが言った。
「行くよ…えいっ」
マリーネが【コノサキミチナリデス】を唱えた。
「はぁ〜、やっと着いた…」
宿に着いたエースは、荷物を降ろし床に座り込んだ。
「かれこれ、2時間迷子だったもんね」
アリスが言った。
「それで、これからどうする?」
フィリアがみんなに訊いた。
「まぁ、しばらく休憩していいんじゃない?」
エースが言った。
「そうね、次の村がどこにあるか分からないし休めるだけ休んでおきましょ」
アリスが賛成した。
「そしたら、私行きたいところがあるんだけど…」
フィリアが言いだした。
「何?刑務所?分かった。手配しとくね」
マリーネが言った。
「そんなわけないでしょ!何しに行くん?あと手配せんでええわ!」
フィリアが大声でツッコんだ。
「フィリアさんのことだし、どうせスイーツショップでしょ?」
エースが言った。
「さすがエースちゃん!わかってるねぇ〜」
フィリアが嬉しそうに言った。
「じゃあ、明日は皆でスイーツ食べに行こー!」
アリスもノリノリだった。
「美味しかったね」
スイーツビュッフェの帰り道フィリアが言った。
「なんか和菓子みたいだったから懐かしく感じたね」
アリスがエースに言った。
「ホントに美味しかった。特に抹茶みたいなやつが格別だった」
エースも満足そうだった。
「来て良かった〜」
マリーネも幸せそうな顔をして言った。
「そこのお前、止まれ!逮捕だぁぁ!」
エース達が幸せそうな顔して話していると、突然警察に追われた。
「まさか、王都ノルカロの…」
アリスが小声でエースに言った。
「そ、そんなはずは…」
エースも小声で答えた。
「え?!なんで?!まさか、ホントに手配したの?」
フィリアはマリーネに訊いた。
「そんなわけないでしょ!やっぱりフィリアさんが行く場所は、刑務所だったんだね?」
マリーネは、フィリアを煽った。
「それより、早く逃げましょ!」
アリスが言った。
「よし!捕まえたぞ!」
すでに追いつかれていた。
「「「「え?」」」」
全員が驚いた。
カチャという音を立てて手錠をかけられたのは、マリーネだった。