第101話【サンマウス町を出てから】
「ところで、どこまで歩けばいいの?」
〖サンマウス町〗を出てしばらく歩いていると、フィリアが言った。
「知りませんよ、そんなの」
エースが返事した。
「とりあえず、神様の言う通りに進むしかなくね?」
アリスが言った。
「だって、町を出てから1週間も歩き続けてるのよ?」
フィリアが言った。
「確かに。しかも、道中で魔物や盗賊に襲われるし…もう疲れた!」
マリーネが大声で言った。
「旅の方よ!そこに荷物と金を置いていってもらおうか!」
突然、盗賊が木陰から出てきた。
「嫌だ」
エースが食い気味に断った。
「ならば、死んで貰うしかないな!」
そう言って、盗賊がエース達に襲いかかった。
キンッ!という剣のぶつかった音が響いた。
「ここは、私の出番ね」
アリスが剣で剣を押さえて言った。
「うぉぉぉ!」
盗賊が剣に力を込めて振りおろそうしているた。
「や…やばいかも…」
アリスが、相手の力に負けて斬られそうになっている。
「いけ!」
マリーネが盗賊目掛けて何かを投げた。
「痛っ!なんだ!何を投げた!」
マリーネが投げたものが盗賊に直撃した。
「へへん!木彫りの熊は、痛いぞ!」
マリーネが威張って言った。
「熊の使い方、間違えてるよ」
エースがマリーネにガチレスした。
「分かってるよ!そんなの!緊急事態なんだから別にいいでしょ?」
マリーネがキレ気味に言った。
「ごめんなさいごめんなさい…」
エースは、マリーネの威勢を受けて小さくなった。
「このババァ!何をしてくれとんねん!」
盗賊がマリーネに向かって怒鳴った。
「は?誰がババァだって?あぁん?やんのか?コラ!」
マリーネの顔が変わった。
「こわっ!クマみたいな顔になった」
目の前にいたエースは、怯えた。
「やんのか?コノヤロー。かかってこいや!」
少し声の震えた盗賊がさらに挑発した。
「いいわ!やってやる!」
マリーネが挑発に乗った。
「うわぁぁぁ!」
ほんの一瞬で、盗賊が斬られていた。
「何が起きた!?」
フィリアが驚いきながら言った。
「瞬間移動した?」
アリスも目を丸くしていた。
「あぁ…マリーネを怒らせないように気をつけよ…」
エースは、縮こまりすぎてネズミの様なサイズになっていた。
「ふぅ〜。よし、行くよ?」
マリーネが笑顔で振り返って皆に言った。
「「「怖!」」」
全員が声を揃えて言った。