#18 ドラゴンナイト
元亀元年(1570)九月二十七日
結論、ギークからの報せにあった新開発の秘密兵器は受け取れなかった。
なぜなら物理的距離が高い壁となって立ちはだかったから。
「北海道はでっかいどー、ゆーてる場合か!」
「……!?」
「こっちの話や。しかし蝦夷て! どこまで逃げとんねーん」
「っ……、申し訳、ございませぬ」
「いいや。言い過ぎたん。こうなったのもぜんぶ身共のせいや。ルカが詫びる必要はないさんよ」
「ありがたきお言葉。ですが必ずやどうにかして取れ戻しまする」
「無理せんとな」
「はい」
まあ無理やろ。
例えルカが一門衆の頭領だとしても彼らの行動に制限をかけることは不可能に近い。いや不可能。
何しろ彼らは生粋のギーク集団。己の興味と関心、即ち趣味の赴くままにしか働かない仕様となっているから。
電池の切れた彼らなどただのポンコツ。普段の雪之丞に過ぎない。
だから彼らの首に鈴をつけたとて無意味。良さを殺してしまっては本末転倒なのである。
「あいつら今頃、のんびり毛ガニでも食うてるんやろうか」
「若とのさん、カニさん食べられへんくせに」
「一般論やでお雪ちゃん」
「好き嫌いはあきません。仰ったのはどなたでしたか」
「人参と取っ替えたろ」
「好き嫌いはいいことです!」
目でメッと叱りつけ、ルカに視線を戻す。
「今回は間に合いそうもないな」
「だとしたらボコボコのメッタメタにしばきます。いいえ血祭りにあげて御覧いれまする」
「好きにさせたれ。こっちに呼び戻したらまた地獄の日々や」
「ですが、……それもそうですね。お殿様の人使いの荒さは尋常ではございませんもの」
「おい言い過ぎや」
でもふふふ。
職人や職人気質の技術者が大好きな天彦は一人一人の顔を思い出して少しほっこり。カニは味よりきっとその構造に関心を抱いているはず。とか。
ルカの指摘に思い当たる節しかなかった天彦は、笑ってそっと話を逸らすのだった。そっとね。
「殿」
風魔勢。
「落ちたか」
「はっ。御味方西園寺勢、三木城接収恙無く終えましてございまする」
「相分かった。して別所は」
「城主長治、自刃してございまする」
「さよか」
別所長治。史実でも藤吉郎による二年近い兵糧攻めに遭い切腹で果てた不運の武将。
天彦は記憶を探りたしか自分より二つ上だけのまだ大人とは言い切れない年頃であったと思い起こす。
「それがお前さんの生き様やねんね」
多様性とはかけ離れていて、あるいは概念さえ存在しないこの時代。
だが個性は無限に煌めいていて個の美学は何よりも尊重された。
人は人を簡単に殺し自らも容易く果てた。そしてその儚くも愚かだがときに潔い決断を非難する権利は天彦にはない。天彦こそ多様性の信奉者だから。
別所長治の決断は、言い換えるならそれこそ天彦の思う多様性の姿であり個の尊厳の極みであった。
それを踏まえた上で猶、何も死ぬことはなかろうに。
思ってしまう天彦はやはり生粋の戦国人にはなれないのだろう。
「ご冥福をお祈りさん」
出かかる言葉を飲み込んで、偽善にもならない追悼の言葉に変えて死者を悼んだ。
だが感傷も束の間、甘いから辛いへ一瞬で感情を切り替える。
「枝城や砦は」
「御味方、随時接収なさっておられまする」
「さす実益。抜かりはないさん」
「亜将様、さすがの名将っぷりをご発揮なさってございますな」
「そやろそやろ」
「今後頂点を御極めになる菊亭閥に欠かせぬ御仁と御成り遊ばせましょう」
天彦は敢えて突っ込まなかった。小太郎の誘い水であることは火を見るよりも明らかだから。
その代わりルカの足を蹴った。かなりきつめに。
「え痛っ。なんで!?」
「お前さんの預かりねん」
「くっ……、でしただりん」
「よう教えたって。菊亭はたとえ天地がひっくり返ろうとも西園寺の風上に立つことはないさんやと」
「はっ。御内意たしかに頂戴いたしました。肝に銘じ周知徹底させまする」
ルカの宣言を訊いた小太郎は面白くなさそうにふんと一度鼻を鳴らした。
「順次城下の制圧やな。気張れよ小太郎」
「はっ」
「三河守さんを出迎えよ。ジュスト、着いて参れ」
「喜んで御供致しまする」
天彦は新傍メンであるルカ・次郎法師・脇坂安治の三名にジュスト右近を引き連れて広厳寺を後にした。むろんマストでひっついてくる雪之丞と、どうやら子分化しているキッズの二人も。
「危険は御承知の上なのですね」
「次郎法師。申したろ。危険は承知の上。それが身共の座右の銘なん」
「勇ましい銘ですね。ですがそれでは配下の我々が困ります」
次郎法師の危惧も尤もで三木城は敵方の本拠である姫路城の八里足らずの近距離に位置し、播磨国の三大居城と称される丘城である。
守りに固いが裏を返せばひとたび戦端が開かれれば真っ先に大戦場となること請け負いの位置にある。
それでも。天彦はバナージのテンションで言い放つ。
「向かうは三木城。実益の大戦果を称えに参るん」
「お殿様のお膳立てを掻っ攫ったのお間違いでは」
「違う」
「ならば揶揄いにの間違いですね」
「はは、そうとも申すん」
「まあ、お殿様ったら」
座が和む。
が、それも束の間。
するとそこにこの和みをよしとしない小姑がことさら誇張して非難の声を張り上げた。
「井伊殿はいつから我らの一門に」
「ルカか。そう申す射干も禊は済んでおらぬであろう」
「ふん。口を開けばそのことばかり。ならば申すが事と次第によっては徳川殿にお伝えせねばならぬ案件。如何お考えにございます」
「僭越であるぞ下郎。卑しい乱破風情が己が分を弁えよ」
「おのれ、誰が下郎か!」
あっというまに戦場の出来上がりである。
天彦はたまらず、
「わかったから二人ともその喧しいお口を噤むん」
「でも」
「ですが」
しんどっ。
天彦は逃げろとばかり「はいやっ」声と蹴りとで馬を煽り一目散に駆けて行った。
向かうは三木城。まだ危険は潜むが実益の誇らしげな顔をどうしても一番に行って直接揶揄ってやりたかったのである。
猶因みにだがこの時代、二君に仕えることは特別珍しいことではない。
軸足を置く比重の違いはあるが国境に接する国人領主などはほとんど該当し、史実での惟任や細川などはその代表例である。
◇
三木城に向かう鞍上、道すがら考える。
史実通りなら近隣にはおそらく細川庄を治める公家参議冷泉為純親子が下向しているはずだが敢えてスルーする。播磨国を例外一切なく完璧に平らげ接収するために。
今後の西国征伐を少しでも楽にするために湿っぽい感情はいったん堺の港に置いてきた。
「身共はなるんや。おっとろしい鬼さんに」
「お殿様が仰ると恐ろしいはずの鬼もどこか滑稽にきこえるだりん」
「それは味なん」
「持ち味にございますね」
「そういうこと」
「まこと恐ろしい御方にございます」
「ほなルカ、もっと恐れ入るお顔さんせな」
「これが味だりん」
上手い。
見事に返された天彦は、だが笑顔をかみ殺し表情を律した。
どんな覚悟を持とうが決意をしようとも、人生は生き物。例外はいつでもやってくるとしたものである。
その時のためにも関わり合いのない木っ端公家に構っている暇はフィジカルでもメンタルでも今の天彦には一ミリもなかった。
三木城に着いた。
「ほな実益を労いに参ろうか」
「はっ」
この日を最後に天彦の顔から明るい笑顔が消え去るなど、果たして誰が想像できたことだろう。じんおわ。
◇◆◇
元亀元年(1570)十月三日
菊亭・徳川コラボ軍の指揮(総大将)は形式上西園寺の俊英である。
だが当り前だが実質の指揮者は征西軍の総大将である信長の上意を受けた徳川家康にある。当然である。家康公の自前の軍勢なのだから。
だが天彦は家康の絶対性を許さなかった。だからこそ場を搔き乱す意味で実益の指揮に拘ったのである。
海岸沿いからの重圧は捨てがたい家康は渋々納得。天彦案を受けいれて本日に至る。
いずれも大将。つまり大将二人体制で菊亭・徳川コラボ軍は運営されているのである。アホです。お仕舞いです。
これはいわゆる一つの大悪手。戦で最も悪い例とされる極み。
政治でも同じく。実戦的要素(政府)と尊厳的要素(君主)、つまり幕府と天皇家との二頭政治の弊害である。
通常なら船が陸に上がってしまうとところ、そこは菊亭がいい塩梅に緩衝材あるいはスパイスとなって絶妙な舵を切っていた。できれば問題ないのである。何にでも例外があるのと同じく、世に絶対は存在しないのであった。
「果たしてそうかな」
盛った。盛り過ぎた。
実際は違う。如何にもメンタルの危うい天彦に危機感を覚えた亜将実益と三河守家康とが秘密裏に裏で手を組みがっちり握り合った結果の両党一致体制であった。
「子龍。これも戦ぞ」
「実益さん。でも身共は許せんのん」
「お前は麿以上に貴族であるな」
「そんなはずないん」
帝崩御。正親町天皇と引っ付きも離れもした。恩も衝突もあった。だが紛れもなく天彦の心中のど真ん中に存在し、日ノ本を照らす唯一絶対の光であった。
その帝の斂葬の儀にも参列できない天彦は焦燥していた。そしてその哀しみや怒りを力に変え、涙ながらに戦の指揮を執っていた。
なぜ参列できないのか。
帝崩御の報は当然だが全国を駆け巡った。そして播磨勢も不文律に従い反旗を掲げ喪に服し天彦の申し入れた停戦に合意した。……のだが。
「おのれ卑劣漢め。亜は絶対に忘れぬぞ!」
「勝てば官軍とは申せ、この仕打ちはあまりに非道」
烈火のごとく激憤する亜将と冷静だがやはり怒っている三河守の二人。
だが天彦からはまったく言葉が聞こえなかった。
不文律で停戦に合意されるものと高を括っていた天彦も悪い。
小寺はあろうことか合意を踏みにじり夜襲を仕掛けたのである。
奇襲は大成功。それはそうだろう。天彦たち大将クラスの貴人たちは何なら京へ舞い戻る算段をつけていたくらいなのだから。
三木城を奪われ、命からがら逃げおおせた。
よって目下菊亭・徳川コラボ軍の本拠地は元の花隈城に後退していた。
この奇襲によっておそらくは少なくとも数千の命を失っている。
そしてその中には天彦の家来もいた。
天彦の身を守るため陽動として数千にも及ぶ敵軍勢の懐深くに突撃して散った脇坂安治及び高山ジュスト右近、並びに多くの風魔衆たちは太くも短い生を終えていた。
「子龍、眠っておらぬであろう。少し休め」
「おおきにさん。でもダイジョブ。身共はこんなことでへこたれていられへんのん」
だが天彦の強がりも虚しく戦況は膠着していた。
言葉を飾らず言うなら実質戦況は菊亭・徳川コラボ軍の終始劣勢で推移していた。
菊亭天彦。人生最大の窮地であった。
だが少なくとも菊亭陣営に暗い影は感じられない。まったく以って平常である。
それもそのはず。
あははははは。
わははははは。
きゃははははは。
陣営に笑い声が絶えないから。
主に自称菊亭一のお家来さん雪之丞主体で。主導で笑い声は拡散される。
これには新参の次郎法師は面食らった。ともすると倫理に五月蠅い彼女のこと不謹慎とさえ思っただろう。
だが幾度となく天彦と苦楽を共にしてきた雪之丞はそんな非難の視線などものともせずに、陣中に咲きほこらんばかりの笑顔を振りまいた。
「お雪殿、なぜこんなときに笑っておられるのか」
「こんなとき? はてどんなときやろ」
「まさか根拠なく呑気に笑っておられるのか。あなた様と申す人は」
「だって若とのさんが奇策打ってくれはるやん。なんでみんなさん慌てたはるんやろ」
「……殿と申せどお人にあられる。無理なものは無理。御自分でも確とそう仰せだが」
「次郎法師は若とのさんのことわかってないん」
「お雪殿はおわかりであると」
「当り前。次郎法師は某のこと舐めすぎです」
はあ。
言い切られてしまっては無理に否定もしずらい問答。
だが次郎法師は雪之丞の無類の信頼がまったく正しかったことを、このほんのすぐ後に思い知らされることになる。
それは天彦の悪巧みが呼び込んだ、けれど天彦さえまったく予期していなかった起死回生の大出来によって。
◇◆◇
元亀元年(1570)十月某日
「弾正忠。此度の仕切り大儀であった。心より礼を申す」
「勿体なきお言葉。されど何のこれしきのこと。殿下におかれましては傷心のこと。改めましてお悔み申し上げまする」
「うむ。朕は大事ない。それよりも朕が担う中央政権の今後を思うことでいっぱいにおじゃる」
斂葬の儀を終えた東宮誠仁は新築された二条宮(旧室町第二条城)で、魔王信長の労を労った。
余人を交えず語らい合う二人。だがこれは東宮たっての申し入れで実現した二人の蜜月の仲を以ってしても異例のイレギュラー対応であった。
というのも東宮にはどうしても信長に会って直接伝えなければならない事案が出来していた。
東宮は評判通りの卒なさを発揮し、とくに何事もないかのようにさらっと伝えたい事案をそっと告げた。
「我が別当がの」
「いずれの」
「狐の方じゃ」
「我が宰相にございまするな。どうぞ」
無言でしばらく牽制しあう両者は、果たして終わりなき根競べ合戦に突入するかと思われた矢先。けれど意外にも勝敗は一瞬で決した。この会話をどうしても続けなければならない東宮が折れたのだ。
「我が別当がのう。要らぬ気を回しほれこの通り」
東宮は文を信長に手渡した。
「拝見いたしまする。どれ……」
冒頭から文末へ。目線が進むごとに信長の面相は複雑さの色を濃くする。
そして読み終えたときには目線は虚空を仰いでいた。重くそこはかとなく苦し気な深いため息とともに。
「関白太政大臣へ推挙にござるか。狐め、どこまでも儂をおちょくりおる」
「そう申してやるな。朕は悪くないように思う。何よりあれはあれで其の方の身を案じておるのじゃ。察してやれぬ貴様ではなかろう」
「だからこそこの策は狐の計略に外ならぬのです。察するがゆえに感づいてしまうのです。ああしようともこうしようとも、ある意味ですべてやつの掌の上にござる」
「それほどか」
「はっ。それでも足りませぬ」
「何と。大変じゃのう弾正忠。麾下の邪邪馬(菊亭)を乗りこなすのも」
「お他人事では困りまする。なにせ殿下の別当でもございますれば」
「ほほ、そうじゃったの。おほほほほほ、参った参った」
高らかに公家笑いを響かせる東宮は、けれど目の奥の鋭い光は健在のままじっと信長を観察していた。
対する信長も笑みを湛えながらも瞳の奥には険しい獣を放っていた。
儂を推挙する意味か。
まず一つに東宮の身を案じた策であることは信長の目には明らかだった。
時を置かず東宮は新たな帝になるだろう。そして政務の頭、関白太政大臣にあの狐を欲することは間違いない。
あれの有能さと自身に対する忠誠度は他に類を見ないだろうから。それは銀山の献上で完結証明されている。そしてその忠誠はそのまま信頼度となって変換されても何ら不思議はないのである。
何よりやることなすことド派手であり花がある。花は欠かせぬ要素である。とくに雀や鳩が多くいるこんにちの都では。
唯一の問題は血筋だが、摂関家に継ぐ名門貴家である英雄家が極官を超えたとて眉をしかめる公卿はせいぜい九条か二条のみ。
その芽を摘んだ。何と猜疑心の強いことか。何と用心深いことか。
だが同時にさすが狐、お利口だとも感心する。
事実としてその未来を想像した信長は自分の眉間に深い皺が刻まれていることに気づいてしまっていたのである。
それが一点。次いで二点目。
天彦は織田を太閤に推挙した。だがそんな通例にない昇爵をすると全公家を敵に回すことになる。それは信長を生かしも殺しもする諸刃の提案。現状ではほとんど毒の食えない餅。
その可能性に思い至った信長はだからこそこの提案を天彦の策だと言い切ったのである。藤原の世が短命で終わったように。源の世も同じく。
血筋に不相応な位を望んだ武士の憐れな結末を知らない者はいないのである。だが同時にその魅力を知らない者もいない。
故に甘言・陥計(奸計)の策であると信長は断じた。
信長は身震いする。そして改めて天彦の怖さに感心する。と同時に腹立たしくも思う。いつまでも己を試しの対象とすることに。
だが一方で現実問題として位の必要性は痛切に実感していた。
公家という人種は面従腹背。言い換えるのなら人物ではなく家柄と位にしか真の忠誠を示さない人種であることが痛いほどよくわかったのだ。
そしてあれら政務官はどうしても織田治世には必要である。織田家が中央政権を標榜し日ノ本の聖地である、ここ畿内京都を都とする限りにおいては絶対に。
故に公家の反感を買うのは非常にまずい。ただでさえ取り込み工作には辟易させられているのだ。そこに反織田勢として纏まった公家たちが天彦を担いでみろ。控えめに言ってお仕舞いです。口うるさくも立ち回りにしぶとい一個大隊集団が牙城となって立ちはだかる。
考えただけでも、
「地獄かな」
「地獄じゃの」
奇しくも同じことを想像したのだろう。東宮と信長の言葉はほとんど同時にリンクして吐き出された。
「ふふ、居ても居らずとも頭を悩ませる狐にござる」
「然様。だが朕とそなたの治世には欠かせぬ人材ぞ」
「承知しております」
業腹なれど。
敢えて付け加えた信長は、まるで想像もしたくない徒労感に見舞われた風に大きなため息を漏らすのであった。
「ならば何と致す」
「この信長、とっくの昔に腹は決まっておりまするぞ」
「ほう。それはなんじゃ」
「あやつとは生死を共に致すと決めておりまする」
「そ……、で、いつ腹を括ったのじゃ」
「あの狐めが儂に歯向かったその日から」
「……なるほどの。好敵手にして最大の味方か。して如何いたすでおじゃる」
「はっ! 弾正忠が上奏申し上げまする」
「申せ」
こうして天彦の悪巧みは信長公の手によって完成形となって世に送り出されることとなった。
ともすると天彦さえ一ミリも予期せぬ大事となって日ノ本津々浦々を震撼させる大出来となって。
あるいは帝の死でさえも戦局に持ち込んだ小寺氏さえをも俯き黙らせてしまう奇策となって。
「これで思い知るであろう。大人を、いや余を舐めるな小癪なガキめが」
毎夜震えて眠る天彦の元に、信長公の啖呵と奇策を超えた奇策は燦然と輝きを放って届けられるのであった。
◇◆◇
花熊城天守の間。
「は!? アホやん氏ぬの!? おえっ――おえええええええええええ」
げろげろまんじじんおわ。
報せを受け取った天彦は本気の吐き気をもよおしながら。
果たしていつぶり以来だろう“まんじ”からの“じんおわ”しりとりコラボを炸裂させるのだった。
14章(余談編)お仕舞い。
【文中補足】
1、斂葬の儀
天皇・皇族の本葬のこと
これにて十四章(余談編)はお仕舞いです。いかがでしたか?
楽しんでいただけたなら嬉しいのですけれど。
十五章はあるのでしょうか。それともないのでしょうか。あればいいなー嬉しいなー。とか。
新章があるのもないのも皆さまドクシャ―の御心ひとつ。ちらっちらッ笑 そいうことです。
様々な形でご声援のほどよろしくお願いいたします。先に言っておきますね。ありがとー!┏○ペコッ ヨロシクデス ばいばいまったねー笑




