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まじょさまは今日も憂鬱

作者: 金狐 秋水

「はぁ。今日も憂鬱ですわ・・・。」

 そんなことをつぶやきながらコーヒーを飲んでいると玄関の鈴がカランコロンと音を立てた。

今行きますわーと叫びながらよっこいしょと立ち上がり玄関に向かうと

「こんにちは!まじょさま!」

といういつもの声が聞こえてくる。彼女は近所の村に住む女の子でエリィという子なのだが、とてもかわいい。村の子にしては私に臆さず話しかけてきてくれるし何よりその小動物的な動きがとてもかわいく、私のたった一つの癒しとなっている。

そんな彼女を玄関から居間に呼び席に着くと、こんなことを言い出した。

「まじょさま、じつはそうだんがあって・・・」

「あら、なにかしら?」

「じつは・・・すきなこができたんです!!!!」

まさに青天の霹靂である。ここに他者がいたら間違いなくピシャーンという雷の落ちる音を聞いていたのでは?というレベルの驚きが魔女にはあった。彼女はまだ10歳、恋なんてものにはまだ縁遠い(と魔女は思っている)お年頃である。だって10歳だよ?私***歳だけど恋なんて・・・・などと思っていると

「むらのウィンスっていうこなんだけど、どうすればいいかわからなくて・・・お母さんに聞いたら魔女様に相談してみたらって・・・」

魔女は思った。旧知の仲とて許せぬ。私が恋愛下手と知ってここに娘を来させたかの邪知暴虐の母親を討伐すると・・・ひきつる頬をそのままに魔女はこう言った。

「ままま、まずはその子を連れてきなさい!!!!!!」

連れてこさせてどうするつもりなのであろうか。その考えは今のところ魔女にはなかった。



 エリィが一度帰ってからやばいやばいどうしようと焦る魔女。

エリィが恋心を寄せているという男の子を連れてこさせるのはいいもののそれで何をしようというのか。

彼女は悩んだ。結構難しい魔法である思考加速の秘術を使い一秒を2分にしてまで悩んだ。

思いついたのはその子の気持ちを試そう!というものだった。そんな程度のことを思いつくために体感一日費やした。実にバカな魔法の使い方である。


 すると再びエリィがやってきた。

「この子なんだけどね・・・・」

実にもこもことして幼女の腕に収まる子である。そんな男の子もいるのだろうか。と頭に疑問を浮かべていると

「このねこさんなんだけど・・・」

魔女は気づいた。おっと、人間じゃなかったぞと。さっきの思考加速は何だったんだと。



「じつはもりでひろったんだけどうちじゃかえなくて・・・」

「????」

「ぱぱがねこさんあれるぎーなんだって・・・・こんなかわいいのに・・・」

それは仕方のないことである。猫アレルギーを持つ人間はいかに猫の可愛さに負けようとも飼う事は出来ない悲しい宿命を背負っている。魔女友のなかにもそんな奴がいる。猫アレルギー克服の為に魔女になったバカが。

「ふむふむ。それなら家で飼いましょうか?」

「ほんと!!!!!!!」

「ええ。うちなら広いですし。猫の一匹くらい飼えますわ」

「やったーーー!!」

ねこよりもうちのエリィが一番かわいい。そんなバカ魔女であった。


エリィにかっこつけたはいいものの数日後に猫と格闘する魔女がエリィ母に目撃されたとさ。



ねこさんは「スーパーファイナルアルティメットモコモコキャット」というレアな種類のねこでとてもかわいく、もこもこで猫バカの魔女にうらやましがられます。私も魔女になって猫アレルギーを克服したいです。

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