悪は滅(ほろ)びよ
夏のホラー2021参加作品ではあるものの、より相応しい登録シリーズは悪役令嬢ものへ。
なお、異世界と言えば異世界サンドイッチ問題。
今作ではかくれんぼは異世界でもかくれんぼなのか?
になるのですが、そこは現代の日本語に翻訳すればかくれんぼと出力されるって言い訳で通させて頂きます。
「私は全部知っていてよ!!」
4人の男女の前でへたり込む、ボロボロで血塗れになった不様な姿を晒すご令嬢が、己の全てを……呪詛さえ籠めて吐き出すように叫ぶ。
この言葉に4人の動揺は見られない。
4人はそれぞれ、王太子と聖女と騎士と賢者。
魔王討伐を王より命じられ、もうすぐ魔王の座す地へ向かう前の、最後の調整をしていた所。
この地は迷宮の奥深く。
いわゆるボス部屋と呼ばれる場所。
ここでご令嬢と男女は遭遇し、殺しあった。
ご令嬢と男女の間には、あまりにも強い因縁があった故に、当然として起きた殺し合い。
結果は…………悔しくも敗北。
先にボスと戦闘していた令嬢が消耗していたのが勝因なのか、1対4の割に最初は令嬢が押していたのに、最後は逆転されていた。
王太子と聖女は別に目立って強い所はなかった。
守りが忌々しいほどに硬い騎士と、多彩な攻撃魔法でいやらしく攻めてくる賢者の対応に、疲れていたからなのか途中で失敗したのが敗因。
そして冒頭の叫びに繋がる。
ご令嬢自身が死ぬと悟り、せめてもの一矢として、今まで抱えていた憎悪をぶちまける。
「私は何も悪くなかったのに、王太子妃に相応しくない振舞いだったと貴方と婚約破棄されたのは、そこに居る聖女を娶りたいと言う自分勝手な理由だったから!!」
王太子を睨み、それから聖女を睨み付けるご令嬢の目には、憎悪しか無かった。
「私の実家である伯爵家が犯罪を理由に取り潰されて両親が処刑された本当の理由は、王家の失策続きで傾いた財政を、逆に成功していた我が家の資産を奪って補てんしようとの計画だって!!!」
ボロボロでもう動けそうにないご令嬢とは思とえない、怨念渦巻く地獄の底から響くような吠え声。
そう。 ご令嬢の実家である伯爵家は、実直で良い貴族そのものとして周辺国にまで知れ渡る名家。
国の為、民の為。
領内に善政を敷き、より良き未来に繋がる研究に惜しみ無く投資し、悪しき組織の誘惑には決して靡かない、代々清廉潔白な当主が率いる伯爵家。
その人柄や領内の治安の良さや進んだ技術や知識等を頼りに人が集い、経済が健全に動き、より大きな財を産む。
そんな伯爵家が、王家に冤罪でもってして取り潰されたのだ。
王家の都合で。
本来なら持参金として得る予定だった資金だが、王太子が婚約破棄した結果に得られなくなり、代案として行われた資産の没収。
王家の身勝手な都合でっ…………!!!
もちろんその王家の専横を見抜かれ、反発を受けて出された宣言がある。
予言ではまだ先の未来であったはずが、何故か封印が解けてしまった魔王への対処を、王家が責任もって行うこと。
普通なら国王の号令一下で、国として一丸となって事にあたる一大事だが、それを国では無く王家単体(の資金)でやり抜くと宣言した形だ。
だがしかし、魔王は強大で、他人に任せたままそれに協力しないなんて人類への反逆だ。 となる。
よって、心はどうあれ最低限の協力はせねばならない。
その結果が各領地で有償による物資の融通。
伯爵家に恩を感じるものほど、有償でさえ物資の補給をしてやりたいと思わないが、今の状況では断るわけには行かない。
それがとてつもなく悔しい。
だが、その事態そのものが――――
特大の爆弾である。
「貴方が討伐しようとしている魔王だって、王家の失策の内の一つで、封印の地だと知っていたのに荒らした結果だって事も!!」
そう。 これも実は、王家が招いた事態。
むしろ人類全体が死して詫びろと、王家へ詰め寄りたい事実。
これを、王命に逆らえずやるしか無かったと、現場で作業をさせられた国立の建築ギルドの代表は婚約破棄で領地に引っ込んだ直後の伯爵家に打ち明けた。
曰く、国一番の財力と誠実さを持つ伯爵家なら、王家の暴走を止めてくれるかもと期待したとの事。
……なお、その打ち明けてくれた者は翌日、伯爵領内にて死体で発見された。
「何もかも! 全ては王家が悪いのよっ!!!」
まるで……いや、実際に血を吐きながら絶叫するご令嬢。
「生きるために始めた冒険者だけど、とても強い魔力を持っていると知って!
頼れない王家なんか放って、一人でも魔王と戦えるよう鍛えているところでっ!
無くなった伯爵家だけど! 無くなる直前に危険を感じたから、私だけでも逃げろと落ち延びさせてくれて!!
魔王はおろか、王家の悪を糾すことさえ叶わず!!
伯爵家の血も心も死んでいないと証明すらできずっ!!
こんな所で…………こんな所でぇっ!!!」
血のみならず、魂さえも吐き出すように咆哮するご令嬢。
磨きあげた実力が、王家とそれに阿る弱兵ごときに負けてしまった事実を前に。
自身の力では、どうにもならなかった絶望を前に。
慟哭が止まないご令嬢に歩み寄る影が一つ。
その影はご令嬢の耳許に口を寄せて、囁く。
「ごちそうさま。 伯爵家の資産で、国庫は持ち直したよ。 お陰でまた贅沢ができた」
それにご令嬢が反応する間もなく、王太子が剣を振るい、ご令嬢の首が胴体から落ちた。
その落ちてもまだ、意識が若干のこる頭に、こんな会話が降りかかった。
「ディヴォーチ王太子殿下、今の娘の発言は本当ですか?」
「いや。 アレは罪人特有の自己正当化だ。 自分は悪くない、悪いのは他の奴だってね。
その為の言い訳さ」
「そのようなものですか。 悪い人は最期まで見苦しいんですね」
「全くだな」
~~~~~~
~~~~
~~
「――――――はっ!?」
首を落とされ、末期に聞かされた余りにも酷い侮辱に反論もできず。
屈辱に塗れた最期を迎えたはずのご令嬢が、意識を覚醒させた。
「私は怨敵に敗れたはず。 これは一体どうなっているの?」
なにやら微妙に回りが悪い舌に難儀しつつ、おまけに混乱しながらも現状の把握につとめようとするご令嬢。
物心がついた時には王太子と婚約していて、定期的に手紙のやり取りや顔見せ。
14歳でいる時間が少なくなってきた頃に、建築ギルドの代表が打ち明けた魔王の復活。
15で断罪と婚約破棄。 それで領地へ帰って来て1ヵ月で当主夫妻に王城への出頭命令があり、ご令嬢だけ逃がされる。
で、夫妻の処刑と伯爵家の取り潰し。
ご令嬢は冒険者として18まで活動し、王太子たちと遭遇して敗北。 それは覚えている。
そうではなく、今のご令嬢が置かれている状況だ。
見渡せる範囲から得られたのは、どうやらここは天蓋付きのベッドで自身が寝かされていた事。
そして、
「私の体が縮んでいますわ。 それに、4歳の頃に好んで着ていた寝間着を着せられている。 なんなのでしょうか」
おまけに、
「死ぬ直前ほどには強くありませんが、魔力が有りますし、魔法も経験を基にして使えますわね」
実際には強くないどころか、今は生活の補助に使うような魔法程度しか体感で使えないのだが、それでも使えるのと使えないのとでは大きく違う。
天蓋の中で確認できる事は確認した。
次は外の状況だ。 ご令嬢は強い覚悟と共に、ベッドから抜け出す。
すると――――
「お早う御座います、お嬢様。 本日はお嬢様の4歳の誕生日。 使用人一同、より一層お嬢様のご健康と幸福をお祈りいたしております」
そこに居たのは、15で逃がされ生き別れるまでずっと一緒にいた、侍女だった。
そして、なぜか自身が4歳の頃へ死に戻ったと把握し理解した瞬間に、ご令嬢は人知れず歪んだ笑みを浮かべ、自身が今思い付いた計画を領主夫妻(両親)へ具申する決意を固める。
ご令嬢一人では成し得ない計画への協力を取り付けるために。
~~~~~~
時は流れ、5歳になったご令嬢。
今日は王宮の裏に広がる、王家用のプライベートエリアに来ていた。
それはもちろん、両親協力の下で結んだ婚約相手である、仇敵との交流をする為である。
婚約者の王太子が乗る馬に相乗りし、目指すは城から6㎞近く離れた距離にある、王家の子供が(管理された)自然の中で安全に遊ぶための空間。
草っ原と林が程よく存在し、更に近くに休憩するなら最適である川が流れていて、涼しさもある。
ここは定期的に人の手が入り、危険な動物も植物も排除されている。
不審者が入ってこぬよう、常に空間の外周は警備が巡回していて、子供を安心して遊ばせてやれる贅沢な場所。
その広さは、半径にして1㎞の広さだろうか。
ご令嬢が13になった頃、思春期に突入した王太子が“夜に大人達も、野生に帰りたくなったらこっそり来る”所だと、色に狂った瞳で語られた記憶がある。
その際に思わず軽蔑の目と頬に平手をくれてやったのは、余計な思い出として残っていた。
そんな秘密の自然公園とも言うべき場所には、現在はご令嬢と王太子の2人だ。
護衛兼荷物持ちとして一緒に来ていた者も居たが、王太子が「ふたりで遊ぶのを、見られては堪らん」と外周の警備に行かせたのだ。
それをご令嬢は1年鍛え直してきた魔法の腕で行った生命を感知する魔法でも、近くに自分達2人以外は誰もいないと確認した。
「じゃまな奴はいなくなったし、遊ぼうか。 ヒュークシウ!」
「はい! ディヴォーチ様っ!」
護衛を追い出し、ふたりきりで遊べる様になってから幾度目か。
心の闇をひた隠し、従順な婚約者を演じ(未来の)王太子から信頼を得たご令嬢の瞳が、仄暗く輝く。
「日が傾いてきたし、次で最後だな」
王太子が空を見上げ、告げる。
何度もここで遊んだ結果、護衛が帰ると言い出す時間を感覚で身に付けたのだ。
名残惜しそうにする王太子へ、ご令嬢が提案した。
「でしたら我が領地の子供達の間で流行っている遊びで終わりにしましょうか」
流行りの遊び。 これに食いつかない男の子はいない。
王太子が説明を強く求め、それに応じてゆっくりと誰でも理解できるよう、優しく語るご令嬢。
「よし、分かった! そのかくれんぼとやらを試してみようではないかっ!」
「でしたら私がオニ役をやりますわ。 ディヴォーチ様は上手く隠れて下さいませ」
「ふふふ。 見事隠れ抜いてやろうではないか」
無駄に尊大かつ自信満々に言い放つそれは、あの聖女との逢瀬を重ねていた頃と重なる。
だがそんなモノに引っ掛かって、めまいを起こしている場合ではない。
その感情で歯をくいしばり、正気を保ったご令嬢。
「では数を数えますので、その間にお隠れくださいませ」
「うむっ」
王太子に背を向け、木にて顔を隠しているご令嬢の口許は歪であった。
「もう良いですのー?」
と言う呼び掛けに小さく、
(もういいぜー)
と返事が返ってきた。
返ってきたのと同時に、ご令嬢が纏う空気が一瞬で凍てつき鋭くなる。
「……さて。 憎き憎き王太子殿下。 これは私怨でもありますが、国家泰平の為でもある、最初の生け贄になってくださいな」
怨み骨髄に徹す。
未来であんな専横が起きるにはまだ時間がある。
だが今の時点でも王家は失策を繰り返し、国庫は減っていくばかり。
これを止める為の一手と言えば聞こえは良いが、実質ご令嬢のセルフ仇討ち……つまり自分のための色が一番強い。
これから行うのは、そんな事。
「デヴォーチ様~、どこですの~?」
なんて呼び掛けながら歩き回るが、実際は生命を感知する魔法で隠れ場所は判っている。
居場所は河原の近くの茂み。
でも見付けられないフリをするのは、一種の接待だ。
ご令嬢は死ぬ前に使えた魔法を、また幾つか使えるようになった。
その魔法で声を王太子の耳許へ届けて脅かし、見付かるまい・声を上げまいと常に警戒させ、ビクビクと怖がらせる接待もしている。
隠れ始めの高揚感が過ぎてしまえば、隠れ場所に一人でいる心細さは、中々にクるのだ。
そこに探している声で心細さは少し薄まるが、耳許へなぜか届くその声は、同時に薄気味悪くもある。
更に、その声が聞こえなくなった時は逆に恐怖が強まる。
その感情の波は心に負担となり、もし見付けてくれなかったら……と思ってしまえば、完全に恐怖にとりつかれる。
ご令嬢はもちろん、そのタイミングを待っているのだ。
「早く……早くボクを見付けろ、ヒュークシウ……っ!」
その怯えた声が聴きたかったご令嬢。 満を持しての行動開始。
感知で判っていた場所に、魔法を撃ち込む。
「影の手!」
普通なら魔法は周囲を警戒する者達に察知されるが、そこは死に戻ったご令嬢。
繊細な魔力操作で察知されにくい魔法の発動法を、しっかり身に付けていた。
「ん゛ん゛ん゛む゛っ!?」
標的の場所から悲鳴が上がり、影の手によって縛られた王太子が茂みを突き破り直立していた。
しかも影の手で口を押さえられた状態で。
「見つけましたわ、デヴォーチ様」
そう声を上げたご令嬢は、心の底から嬉しそうだ。 実際に嬉しいのだから間違いではない。
そしてこれから行う事を想像すれば、益益高揚して頬まで赤くなってくる。
「ん゛ん゛ん゛ん゛ー!!」
それに反して、王太子は特に情けない。
ひたすらに縛られた状態でもがき、呻くのみ。
ボクを助けろと叫んでいるのは予想できるのだが、影の手で言葉にならず奇声へと変換される。
「ん゛っ!?」
こんな様になり、慌てていないご令嬢を見て、王太子が何かに気付く。
が、気付いた所でどうにもならないのが現実だ。
「ふふふ、それは私の魔法。 貴方に怨みはありませ…………いえ有りますね、沢山。 なので、こうしてお命を頂くことにしましたの」
「ん゛ん゛、ん゛ん゛ん゛ん゛ーーー !!!」
ついに復讐が始まる。 そう思うと愉悦と恍惚の気分に気持ちが支配され、5歳とは思えない色気が出てしまう。
だがそんな事にはお構い無しで、激しくもがく王太子。
まあ「お命頂戴」と言われたのだ。 色気がどうと思っている余裕など無いのだろう。
「今の王家は、この世に不幸をもたらします。 私はそれを、血がどれだけ出ようとも阻止するのです」
「ん゛ん゛む゛ーーーー!!」
「まずは貴方から(命を)頂きます。 これ以上国を乱され、王家に贅沢させない為にも」
「ん゛む゛ーーーーーー!!?」
あの日の意趣返し。
ご令嬢は王太子の耳許へ口を寄せ、囁いた。
併せて、別れの言葉も添えて。
「そのまま永遠に、お隠れ下さいませ。 デヴォーチ様」
~~~~~~
「うふふふふ……」
この河原の茂みには、何も遺っていなかった。
口を押さえていた影の手で頭をぐるりと回して首の骨を折り、遺体は高温の火の魔法で灰になるまで焼き付くして、その灰は風で飛ばした。
焼け跡も土魔法で操作し隠蔽して、一帯は綺麗な河原である。
もう、王太子が居た痕跡は残っていない。
ご令嬢には、人を殺す忌避感は無い。
死に戻る前の最期の3年間だが、冒険者生活で野盗達と戦い、命を奪う経験もしているので。
国庫を食い潰すだけの王家なぞ、野盗と変わらない。 そう思えば、なんの感情も抱かな無かった。
そこから、ご令嬢は一人で歩いて城まで帰る。
遠くに見える城を目印に、時折蛇行して迷ったり何かに気を取られた、子供らしいフリも忘れない。
わざと泥に足を踏み入れ、服を汚して泣き真似もしていれば迷子のご令嬢が出来上がり。
「途中まで一緒に遊んでいたけれど、デヴォーチ様が私を置き去りにしてどこかへ行ってしまって帰ってこなかった」
「待ちぼうけして、それで遅くなっては不味いから私だけでも帰って報告しようとした」
と、子供っぽい言葉選びで言えば犯人が誰か分からなくなるだろう。
ここまでは計画通り。 後は協力者たる両親や他の者達と一緒に、現王家を追い落とし他の王を擁立すれば良い。
ご令嬢の主な出番は終わった。
このまま自領の屋敷へ戻っても、誰も咎めないだろう。
だから、もういいのかな? そう思ってしまう心がある。
しかし、まあだだよと暗く燃える心もある。
「国が傾かないで済むかの勝負所。 なにより私の大切な両親の命を奪い、民を不幸にするのが確定している悪を、そのままには出来ませんものね」
そんな大義名分もある。
「まだまだ、王家とのかくれんぼを続けませんとね」
含み笑いをするご令嬢の顔は、憎悪に染まって歪みきり、正に復讐鬼となっていた。
この後、兎に角王家を糾弾し邪魔をする、伯爵家とその協力者達。
失策を責め、握りつぶされてきた失策と言う不祥事を突つきに突つき、ひたすらダメ出し、ひたすら批判。
不敬罪? 大丈夫。 王家の血筋にあたる公爵も、一緒にやってるから。
そうしていたら、死に戻る前より早く封印の地に手をかける計画が浮上して、これ幸いに王家を罪人として処分。
王位継承権を持つまともそうな者を擁立して、国の財政立て直しと安定化を進めていく事に。
魔王の復活は阻止された。 封印の効力が自然に衰えるまでの平和が、こうして維持されたのだ。
以上。 怨念にならず、死に戻りして自分自身で仇をとる、その執念がホラー。
とか言われる類の話でした。
一応これはRPG要素有りの乙女ゲー世界ですが、それを認識する異世界からのお客様が作中には居ないので、要素には触れておりません。
なお、ご令嬢はラスボス直前ボス又はエンドコンテンツ隠しボス。 どちらかは決めてないですが、その位に強い潜在能力持ちのご令嬢です。
それと、参考にした作品が有ります。 無断で申し訳無いのですが。
その作品は死に戻り、死に戻る前に婚約破棄しやがった相手をただ崖から突き落とす作品……だったはず。 うろ覚えでスミマセンが。
ですがその作品の跡形もありませんし、許してもらえないかな~、と(チラッチラッ)
~~~~~~
蛇足
ご令嬢(悪役令嬢枠)
ヒュークシウ→ふくしゅう→復讐
ゲーム内でボス格(複数人パーティー相手に単独戦闘可能)のご令嬢だけあって、潜在能力はとても高い。
魔法も全属性使える。
死に戻る前は折り悪しくやられてしまったが、復讐に成功しました。
居ても害悪になるだけだったし、排除して満足感を覚えた模様。
愛称は“ヒュー”になるのだろう。
その連想で「ヒューッ!」が出てくるために、かなり強い。
見ろよやつの筋肉を……まるでハガネみてえだ!! こいつはやるかもしれねえ……。
何をやるのかは知らないけど。
死に戻り後、子供の内は魔力や魔法を鍛える。
体が出来るまでは軽い運動のみで、体が出来てからは色々動きながら、併せて魔力や魔法も……って流れ。
お陰で死に戻る前より強くなりました。 もし魔王が復活しても、問題なくソロで勝てるかもと囁かれるほどに。
伯爵家の守護女神とまで言われ、武力は単身で国を滅ぼせると断定され、新生王家からすら不可侵認定された。
日々の活動で知り合った平民と恋仲になり、全てを知った上で恋愛結婚。
両親にも打ち明けた真実を、ご令嬢から聞いても変わらなかった結婚相手の心は、強靭だと思う。 まじで。
王太子
デヴォーチ→でおーち→出落ち
元々は死に戻ってから殺される為だけに用意された人物だった。
なので出落ち要員としていたのだが、より憎々しさを演出するべく出番が拡大。
贅沢が大好きで、金食い虫に育つ。 他人の苦労なんざ知らん。 自分より目立つヤツ、格好いいヤツは消えれば良い。 むしろ消してやる。
そんな甘えん坊。
排除されて当然のクズの1人。
国王夫妻
国策を失敗させ続けている。 反省はしない。
前に成功したんだから、今回も(こそ)成功するだろうとか言うギャンブル狂いみたいな思いにとりつかれている。
失敗を活かし反省……なんてしない。 専門家に意見をもらうなんて恥ずかしい事したくない。
自分の力でやるんだ。
だから貴族達、金を出してくれよ?
とか言う、最高権力者の席に居てはいけない夫妻。
性格はふたりして似ており、お互いで傷を舐め合っていて相互に肯定し合っているので、心がとても強い。
はやく王座から引き摺り下ろさねば、国のためにならん奴ら。
聖女
作中で名前は出なかったが、メイギーヌ・トゥネイト公爵令嬢。
メイギーヌ・トゥネイト→めぎーつね→女狐
光属性魔法の使い手。 ヒロイン(プレイヤーが操作する)枠。
ひたすらに純粋で、悪い者ではない。
デヴォーチに見初められ、都合の良い事ばかり吹き込まれて、嘘を信じ込まされていなければ、違う未来があった。
死に戻り後の世界では悪意を吹き込まれずに育ち、とてもとても深窓の令嬢然としたご令嬢になっている。
騎士
作中で名前が出なかったが、騎士モーブ。
モーブ→モブ
王家の派閥で、高い才能を持つ若い騎士から選出された。
死に戻り後の世界では、一介の騎士として地味にモブらしく、縁の下の力持ちとして堅実に働いている。
賢者
作中で名前が出なかったが、賢者ノタ・オーゼ。
ノタ・オーゼ→そのたおーぜ→その他大勢
王家の派閥で、魔法の才能豊かな若い魔法使いから選出。
賢者の称号は、ノタの箔付けのため。
死に戻り後の世界では、研究狂いの宮廷魔法使いとして変人扱いされている。
伯爵家当主夫妻
死に戻り後、全てをヒュークシウから聞いて信じる。 今まで見せなかった、禍々しく強くギラつく瞳のヒュークシウを見たので。
昨日までのヒュークシウと全然違う、その変化が説得力を持った。
実際、王家は国庫を食い潰すだけの存在になってるし。
これが次の代にまで続くとなったら、目もあてられない。
なので、ヒュークシウに同調し立ち上がった。
死に戻る前の世界
王太子達は魔王に負け、対抗できるものが誰もいなくなって、世界は闇に包まれた。
ってパターンと。
王太子達が魔王を再封印し勝利。 国は世界の英雄として讃えられ、平和を取り戻した。
……なんてのは幻。
実際は暗殺のタイミングを狙っていた暗殺者達に、魔王戦後の疲れている所を狙われてデッドエンド。
国中には相討ちと喧伝されたが、そんなニュースよりも伯爵家を偲ぶ者達により蜂起のニュースが回る。
クーデターの成功で王家は根こそぎ処刑され、この国は新たな時代へ(バッドエンド)
この2つしかない。
死に戻り前でもバッドエンドになっていた理由
ゲームの重要なストーリーシナリオではあるのだが、クリアしなくても良いとされる脇道クエスト扱いされるシナリオをクリアしなかったから。
そのシナリオクエストの場所は、王家との因縁がある元伯爵家の領地。
これをクリアすれば更正・変化を感じ、元伯爵家陣営が思いとどまり蜂起は無かった。
いわゆる宝の地図を見せてきたじいさんを見逃してしまって、最後のどんでん返しを食らってしまった挑戦状のたけ○さんみたいなモノ(唐突なネタバレ)