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19. 好敵手デスケド。

 七月。いよいよ四頭会議の時期が近づいてきた。そういうわけで、四頭会議へその廃止を進言する役目を決めることになった。

「やっぱり交渉と言ったらルキナじゃない?」

 マクシスがそう言い、ルキナを見た。ルキナはマクシスに期待されていることを嬉しく思ったが、今回は自分の役目ではないと思った。

「でも、今回はいつも通りにはいかないと思うわ。私は頭の回転が速いマクシスを推すわ」

 ルキナはマクシスが代表になるべきだと意見した。マクシスは貴族界に最も順応しており、政治のこともよくわかっている。今回に関して考えれば、マクシスこそ適任だろう。

「それなら、四頭会議に参加にしたことがあるシアンの方が良いんじゃない?」

 ルキナが「頭の回転が速い」ことを理由にマクシスを推薦したので、今度はマクシスは自分以上に頭の回転が速いシアンが良いのではないかと言った。しかも、シアンは一時的に四頭会議に参加していた。四頭会議の実態を知っているのはかなり強い。

 シアンは首を横に振って、マクシスの意見を却下した。四頭会議のことを知っているかどうかはたいしたアドバンテージにならない。考えてみれば、マクシスの父も、ルキナの父も四頭会議に参加しており、それぞれの親から四頭会議のことを聞くことができる。四頭会議のことを知っているということだけをシアンを推す理由にするのなら、シアンも最適とは言えない。

「僕も今回はマクシスが行った方が良いと思う。もう既にリーダーみたいなものだし」

「そうよ」

 シアンがやはりマクシスが行くべきだと言う。ルキナはすかさず賛成する。ルキナもシアンも口が達者だが、今回必要なのは自分たちの考えを的確に伝える能力。口論に負けないことより、言いたいことを全て伝えることが重要だ。だから、周囲に目を向けるのが得意なマクシスこそ、適任といえる。推薦者が二人もいるのだから、マクシスが首を縦に振ればマクシスで決定だ。

 こうしてマクシスが行くことが決まりかけた時、ずっと黙っていたタシファレドが声を出した。

「なんで誰も俺のことは推薦しないんだよ。別にいいけどさ」

 タシファレドが不貞腐れる。四頭会議に進言に行くのだから、当然のように第一貴族の誰かが行くことになった。もちろん、タシファレドもその条件にあてはまる。だが、タシファレドだけは誰からも推薦されなかった。

 ルキナはマクシス、シアンと顔を見合わせ、仕方ないよねと言うように頷き合った。それをタシファレドが怪訝そうに見る。

「まあ、タシファレドは勉強ができるタイプのバカだからね」

 ルキナが肩をすくめて言うと、タシファレドは眉間に皺を寄せた。

「はあ?バカって何だよ」

 タシファレドが机をバンッと叩く。教室には他にたくさんの人がいたが、周囲の声は小さくならなかった。タシファレドが怒って机を叩くのは日常茶飯事なのだ。誰も今更びっくりしたりしない。唯一、タシファレドの隣にいたアリシアだけ驚いていた。

 ルキナはアリシアが怒るかもしれないと思ったが、アリシアは何も言わなかった。ルキナが単純な悪口を言ったのではなく、親しい者同士でのみ許されるやりとりをしているのだとわかっているのだ。

「冗談はさておき、タシファレドもいいでしょ?マクシスが行くってことで」

 ルキナが確認のためにそう尋ねると、タシファレドは素直に頷いた。タシファレドも自分が行くよりマクシスが行った方が良いと思っていた。

「それじゃあ、何を話すかまとめて、署名も集めないとですね」

 シアンが椅子から立ち上がると、既に用意してきていた表を持って、皆のいる方に歩いて行った。アリシアがメンバーに加わってから、拠点も広くなったことで、たくさんの人が集まるようになった。クリオア学院内には多くの賛成者がいた。ルキナたちは彼らに意見を求めたり、他校に署名を集めてもらいに出向いてもらったり。いつもは署名を集める側である彼らに、今度は署名してもらう。本当はこれも最初のうちにやってもらうつもりだったが、活動に参加するうちに意見を変える者も現れるだろうということで、署名を集めるのは最後にすることになった。

「そういえば、王様に言わなくて良くなったのか?ルイス様に賛成してもらえないと、ノアルド様も賛成できないんじゃなかったか?」

 タシファレドが頬杖をついて言った。アリシアがタシファレドの話に何度も頷く。アリシアはタシファレドの話を全て肯定する。

「そっちはもうシアンが話に行ったわよ」

 ルキナはタシファレドを真似て頬杖をつく。口で言わずに、態度が悪いことを訴えるためだ。タシファレドはルキナに真似をされたのが不快だったようで、すっと姿勢を正した。

「もう行ったのか」

 タシファレドが感心したように言う。それを聞いて、マクシスが「そのことをタシファレドが知らないのはずがないんだけど」と首を傾げた。タシファレドのいる前で、シアンがルイスに話しに行くことと、その結果を話したはずだ。

「ほんと、タシファレドは話を聞かないわね」

 ルキナはため息混じりに言う。タシファレド自身はちゃんと話を聞いていたと自信があるのか、ルキナの反応が不本意そうだ。

「たっちゃんは小さい頃から大人の言うこと聞かなかったもんね」

 アリシアがくすくすと笑う。すると、タシファレドが言い返した。

「それはアリシアだろ。いっつも怒られてたじゃないか」

 幼い頃の家庭内の話はタシファレドとアリシアにしかわからないので、ルキナもマクシスも混ざれない。混ざりたいとも思わないが。

「それで、あの人がルイス様にお話しに行って、ルイス様は四頭会議での決定に従うとおっしゃったんですよね」

 ユーミリアが話を本題に戻すため、最初のタシファレドの問いに答えた。

「そうそう。だから、ノアルド様はまだ来られないんだ」

 マクシスがユーミリアの話を受けて言う。参加者が増えた今、ノアルドがここにいると、ノアルドも四頭会議廃止に賛成しているとみなされかねない。だから、今は中立である証明のためにこの教室には入ってこない。

 ルキナはチラっとタシファレドの方を見た。タシファレドはまだアリシアと昔の話をして盛り上がっている。

「聞きなさいって」

 ルキナは怒って、タシファレドをどついた。軽く拳でついただけなので、そこまで痛くないだろう。タシファレドはルキナが怒っていることに気づくと、「わりぃ、何の話だっけ?」と言った。ルキナは余計にイラっとして「知らない」と言ってそっぽを向いた。そもそもタシファレドが話し始めたことだ。タシファレドが一番聞かなければならない話だった。

「やっぱりタシファレドは話を聞かないってことだね」

 マクシスがニコニコする。マクシスはルキナと違って怒っていない。マクシスは心が広いのだ。とはいえ、もう一度説明してあげるつもりはないようで、さっさと話題を変えた。

「何て話すか、ちゃんと考えて行った方が良いよね」

 マクシスは紙とペンを取り出し、四頭会議でどう話すか考え始めた。ルキナもそれに協力する。しばらくそうして話していると、積極的に協力しようと考えている人たちが意見を言いに来た。ルキナはこういう時、人見知りをしてしまうので彼らのようなことはできない。だから、まだ顔と名前を憶えてあげられていない彼らのことを心から尊敬した。

 ルキナたちのいる場所が盛り上がりを見せていると、シアンがシェリカを連れて戻ってきた。

「おかえり、シアン。皆、書いてくれた?」

 ルキナはシアンから署名の表を受け取り、署名の数を数え始める。今日、来られていないメンバーもいるとはいえ、この数が揃うのは驚きだ。最初の頃を思うと、感慨深い。そして、学校外にも仲間がいると思うと心強い。

「ルキナ、キエラを見てない?」

 ルキナが皆の署名を満足げに眺めていると、シェリカが不安げに言った。

「ん?キエラがどうしたの?」

 ルキナは急にキエラの話になったので、驚いて顔を上げた。

「キエラがいないの」

 シェリカによると、今日一日彼女の姿を見なかったらしい。授業がかぶっている人に聞いても、キエラを見た者はいなかった。それは何かしら理由があるにしても、キエラも放課後の集まりで署名を集めることを知っているので、多少無理をしてでもくるだろうと思っていた。だが、ここにキエラの姿はない。

 ルキナはただ体調を崩して休んでいるだけではないかと考える。キエラだって体調が悪くなることがあるだろう。たった一日休んだだけで、そこまで心配する必要はない。

「それが、保健室も寮も行ってみたんだけど、いなかったの」

 シェリカはさっきこの教室に来たばかりらしい。キエラを探して、学校の敷地内を走り回っていたそうだ。シェリカの傍にティナがいないのは、ティナには寮で待ち伏せて、キエラが帰ってきたら連れてくるようにお願いしたかららしい。

「それじゃあ、何か用事でしょ?」

 ルキナはシェリカが何をそんなに心配しているのかわからず、不機嫌に言う。

「用事って…?」

 シェリカはルキナがテキトーに言ったことを深く追求しようとした。ルキナが何か知っているのではないかと疑っているようだ。

「残念だけど、本当に私は何も知らないのよ」

 ルキナがそう言うと、シェリカはがくっと肩を落とした。最後の希望を失ったかのような態度だ。

「シェリカはなんでそんなに心配してるわけ?」

 ルキナはシェリカの方にキエラを心配する理由を問う。シェリカはキエラのことをあまり良く思っていなかったはずで、一日姿を見ないだけで心配するような仲ではなかったはずだ。

 シェリカは、ルキナの疑問に答えるため、顔をルキナの耳に近づけた。そして、ぼそぼそと小声で言う。

「噂程度に聞いただけなんだけど、キエラのパパが王都に来てるって」

 たしか、キエラはルキナと仲良くなるという父親の言いつけを守れなかったがために、親子の仲が悪くなってしまったはずだ。だが、いつまでもそのままというわけにはいかないだろう。

「じゃあ、キエラはお父さんに会いに行ったってこと?」

 ルキナがそう問うと、シェリカは「そうかもしれないと思って」と答えた。

「たしかに、それは心配ね」

 ルキナはシェリカが何を心配していたのかようやく理解した。キエラが父親との確執を埋めるために父親に会いに行ったのだとしたら、心配しないわけにはいかない。娘であっても、言いつけが守られなければ、口をきかないと宣言するような人だ。キエラの方から会いに行ったとして、簡単に仲直りできるとは到底思えない。むしろ、関係が悪化する可能性だって考えられる。そして、その結果がどうなるのかは部外者にはわからない。

「もしあれだったら、キエラのことも探せないこともないと思うけど」

 ルキナは皆の力を借りればキエラのことを見つけられるだろうと言った。キエラだって長期的に学校を休むことを考えていないはずなので、このタイミングで王都を出て実家に帰るとは思えない。王都を探すだけなら、自分たちの力だけでも探せないこともないだろう。そこまでするかどうかの話だ。

「今日中に帰って来なかったら考える」

 シェリカは心配が杞憂である可能性も考えて、大ごとにしないことを選んだ。ルキナも賢明な判断だと思った。


 その夜、シェリカの不安は的中したことがわかった。

「学校をやめる!?」

 シェリカが大声を出す。学校をやめるかもしれないと言い出したのはキエラだ。今後、四頭会議廃止の運動に参加できなくなるかもしれないからと、ルキナを含めた主要メンバーに報告しに来た。

 キエラは父親に会いに行き、結果的にルキナに近づけたことを報告しに行ったそうだ。しかし、キエラが四頭会議廃止の運動に参加していることが彼の耳に入ったらしく、キエラの話を全く聞こうともせずに勘当したそうだ。そうして、親との縁を切られたキエラは、突然路頭に迷うことになってしまった。経済的余裕を失うので、当然学費も払えない。そして、学費を払えない以上、学校をやめなければならない。狭き門を通り抜け、せっかく入学したのに、だ。

「人の家に口を挟むのはどうかと思ったけど、さすがにどうなの、その親は」

 ルキナはキエラが不憫でならないと思った。娘さえも自分の利益のために利用する道具ですらないと考える親のことを思うと、虫唾が走る。人間、利益に目がくらんでしまうのは仕方がない。だが、娘のことは大事にしてほしいものだ。大人には子供を守る義務がある。それだけは破ってはならないルールであったはずだ。

 キエラはシェリカとルキナの反応を見て、やつれた顔で苦笑した。笑っていられる精神状態でないはずなのに、ルキナたちへの感謝を伝えるために笑顔を作ったのだ。ルキナはキエラのことをメンタルが強いと評価していたが、彼女だって人並みに傷つくのだ。こんなことになって平気なわけがない。

「今学期分の学費は支払い済みなので、今すぐやめるという話ではありませんよ」

 キエラは気丈に振る舞う。だが、逆にそれが痛々しく見える。ルキナはキエラのために何かしてあげられることはないかと考えた。それはルキナだけではなかった。この場にいる全員が同じことを考えた。そして、最初に実行に移したのはシェリカだった。

「キエラ、うちに手を貸される気はない?」

 シェリカはキエラへの経済的支援を申し出た。無論、お金持ちの家の子とはいえ、簡単な決断ではなかったはずだ。ルキナだってお金で解決できることならば、お金を用意してあげようと思った。だが、そんな簡単な話ではない。お金が関わると、互いに気まずい関係になりかねない。キエラからすれば、そこまでしてもらう道理がない。知り合いに借金しているような状態は重荷にしかならないだろう。シェリカだってそのことは考えたはずだ。この場にいる誰よりもキエラのことを知り、彼女がいかにプライドの高い人なのか理解している。でも、手を差し伸べずにはいられなかった。だから、行動が誰よりも早かった。

「別に養子にならなくてもいい。支援をするだけ」

 シェリカはキエラにお金を用意してあげると言っている側なのに、キエラにその手をとってほしいと食い下がる。立場が逆に見えてしまう。

「それはおかしい」

 キエラはシェリカが何を言い出したのか理解できないと言うように首を何度も振った。キエラはシェリカに嫌われている自覚がある。少なくとも、シェリカから興味関心をもたれていないことはひしひしと感じていた。まさか最初に援助を申し出てくるとは思えなかった。

「まさか私を馬鹿に…。」

 キエラの頭に一瞬、シェリカがキエラのことを馬鹿にしているのではないかという考えがよぎったが、すぐに自分で否定した。シェリカがキエラを見下すことができる展開だが、こういう時にそういうことをする子ではない。キエラはずっとシェリカに敵対心を抱いていたからこそ、シェリカが今どんなことを考えているのかわかっている。シェリカは純粋な親切心でキエラに手を刺し伸びたのだ。キエラを馬鹿にするための冗談を言ったわけではない。

「でも、一方的にお金を用意してもらうのは…。」

 キエラはシェリカに迷惑をかけたくないと言う。学費は安いものではない。加えて、キエラ自身が収入を得る方法を見つけるまで、当分の生活費も必要だ。シェリカに何のメリットもないのに、そんんことはさせられない。いつかお金を返せる保証もない。

 そこで、ルキナは一つ提案をする。

「じゃあ、今度テストとかで良い成績をとって、奨学金をもらったらどう?」

 いつまでも援助を受けるわけにはいかないと言うのなら、学費を自分で何とかする道を見つければ良い。その一つの案として、ルキナは奨学金を挙げる。学費が免除になれば、必要なお金は随分と減るだろう。

「そんなこと…できません」

 キエラはその方法も少し考えたが、首を横に振った。「できない」というのは成績の問題ではない。貴族のプライドというやつだ。キエラは生粋の貴族の生まれ。どんなときであろうと、貴族らしくあろうとする。奨学生となり、授業料免除の権利を施行するのは庶民がすることだという謎の認識が広まっている以上、キエラはそれを選択できない。

 ルキナはキエラのプライドをくだらないと思ったが、それを口にしなかった。人によって大切にするものが違う。ルキナにもキエラの心を貶すようなことは許されていない。とはいえ、今はなりふり構ってられない状況だ。ルキナは説得に動くことにする。

「シアンって奨学生でしょ?いろいろ教えてあげてよ」

 ルキナはキエラが「できない」と言ったことを聞こえなかったことにして、無理矢理話を進める。その際、キエラの常識を変えるための根拠として、シアンの名を出した。

「良いですよ」

 シアンは快く頷いた。すると、キエラが驚いた。シアンがまさか奨学生であるとは思っていなかったのだ。

「うちは落ちぶれ貴族ですからね。今は第一貴族ですけど。家を維持するだけのお金しかないですから」

 シアンはキエラの新鮮な反応を面白く思い、自虐的な話をなんてことのないように言った。

 シアンの言葉にキエラはまた驚いた。シアンは現在、第一貴族の一員として名を連ねている。それなのに、経済的に不自由な状況で、しかも奨学金をもらっていると言う。キエラはとても信じられないような気持ちだった。そんなキエラの反応を見て、シアンは「これまで援助をしてくれたミューヘーン家にどう恩返しするか考えているところです」と苦笑した。言ってしまえば、キエラの状況はかつてのシアンと同じだ。

 ルキナのシアンを利用した説得は意味があったようで、キエラは奨学生になることに考えを変えた。

「キエラ、私の気持ち、受け取ってくれる?」

 学費の問題を解決する道を見つけたところで、シェリカはもう一度キエラに手を差し伸べた。

「やっぱりキエラが元気ないと、張り合いないしさ」

 シェリカは今までキエラにライバル意識をもったことなどなかったはずなのに、このままでは張り合いがないと言った。この言葉がキエラの心に響いた。

「ありがとう」

 キエラはそう言って泣き始めた。ずっと我慢していた涙がこぼれだしたかのようだった。シェリカがキエラを慰めるように抱きしめた。

(これぞまさしく、「好敵手」と書いて「とも」と読む、ね)

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