一話 上手く…
一話 上手く…
ざわめく教室に、生徒達の声。静めようとする先生。始まるHRに、これから紹介される、私の名前を先生に呼ばれ、静かに教室に足を進める。皆が注目するなか、ただ淡々とあらかじめ用意しておいた言葉を口にする。私が話している中、尚も生徒達の声は止むことがなく、それでも、少しだけ声は静かになった。私の自己紹介も終わり、先生に指定された席に着く。周りからは、「よろしくねー!」と、軽々しい挨拶を貰った。私も「よろしく」と軽めに返事をする。こんな私に上手くやれるだろうか。いや、上手くやってみせる。今朝、お母さんに約束した。必ず、上手くやると。
「よろしく、アヤちゃん♡俺、アラタってんの!」
「…よろしくお願いします。アラタさん。」
「もー、アラタでいいよー!」
なにやら、だいぶチャラっとした男が隣になった。こういうのは、塩対応するのが1番。ということで私はこのクラスで彼だけに敬語を使うと決めた。
それにしても、このクラス男子のメンツはそこそこいい奴揃ってんのに、女子のメンツなんなの?全然かわいい子いないじゃん!なんかパッとしない子ばかりだな。んで、多分このクラスで1番上の奴らは…、男子だと、私の隣の席のチャラい人で、女子だと、……わかんな。ん?そういえば、席が一つ空いてる。病気で休んでるのかな。
私は、この時まだ知らなかったんだ。この日を境に私の周りで起きていくことを…。
なんて、少し怖めに言ったけど…多分どうってことないな。
この日は、色々と初めてで再スタートを切るのが結構上手くて、順調だった。
「ただいま。」
家に帰り、安心して安堵のため息を漏らす。疲れた…。
「アヤ、おかえり。」
「おお、アヤおかえり。学校はどうだったんだ。」
お母さんに続きお父さんが言う。
「うん。上手くやって行けそう。結構地味な雰囲気だったよ。」
私はそう、両親に話して自室へ向かった。
バフッ!
和室のような作りにフローリングという違和感丸出しの部屋で、私はベットに寝っ転がった。制服を脱がなくてはならないのに、だるくてできない。もう、何もしたくない。そう、感じた。あぁ、眠いな…。
それから、しばらくの間私は眠った。気がついたら夜の八時で窓の外は暗かった。
(*゜▽゜)ノヤホー!
「死神一家の日常」を読んでくれてありがとうございます!!
「闇の中の卵」の方を読んでいないという人がいたら、そちらも読んでみて下さいー!