掌ほどもない短編集

　当作品は作者が、短すぎるあまり活動報告の枠でチマチマと発表していたものを、そのままコピペしてまとめたものです。

　内容に変更などがあるわけではないので、読んだことのある人は一番下の描き下ろしまで飛ばしていただいて結構です。

※『くるしいころしてやる』の読み方が分らない方へ

　当作品は四角四面を目指した10×10作文なるものです。縦読みでお願いします。

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『生存競争』作：一二三　五六

　生存競争を勝ち抜くために

　馬は速くなった

　ライオンは強くなった

　ゴキブリはしぶとくなった

　牛や豚は美味しくなった

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『くるしいころしてやる』作：一二三　五六

　くるしいころしてやる

　しいよきのまぜをれん

　やせうどあんんとばば

　くんじおつすとれでを

　しがきついとでばきお

　やももたじあきあるど

　しろどおよいるしもろ

　ていかもうじもぶんな

　くんしいねよんみだい

　るだいはつうさもよか

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『お金持ち』作：一二三　五六

Ｑ.お金持ちになるにはどうしたらいいですか？

Ａ.お金持ちになることさ。

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『料理上手の男』作：一二三　五六

　本日ご紹介する料理のできる男の方はこちら！

　脱サラで始めた料理店が今や行列のできる有名店、×○□さんです。

　早速、御店主に突撃インタビューと参りましょう。

　×○□さーん！

「はい。私が店主の×○□です」

　突然ですが、お料理を始めたきっかけは何でしょうか？

「嫁のつくる飯が不味くて……」

　…………。

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『感動作』作：一二三　五六

「ねえねえ、この小説読んでみてよ。絶対に泣けるから」

「へえ、そんなにいうのなら。で、どこらへんが泣けるの？」

「人が死ぬところ」

「え？」

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『ミンヘンヴァンダー何処行った？』作：一二三　五六

　ミンヘンヴァンダー何処行った？

　なにも見えない暗いとこ

　ミンヘンヴァンダー何処居るの？

　誰も来れない海の底

　ミンヘンヴァンダー何処消えた？

　独りぼっちで穴の中

　ミンヘンヴァンダー何故知らない？

　嘘を彼女に塗ったから

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『こわいもの』作：一二三　五六

　こわいものは人それぞれである。

「月曜こわい」

「洋画劇場こわい」

「サザエさんこわい」

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『献立』作：一二三　五六

「こら、どうしてこの子ったら人参ばかり残すの」

「だって嫌いなんだもん」

「好き嫌いなくなんでも食べない子は大きくなれないのよ」

「ところでお母さん」

「なあに？」

「どうしてお家では焼き魚出さないの？　食べてみたい」

「それはできないわよ」

「どうして？」

「だってママ嫌いなんだもの」

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『大事なこと』作：一二三　五六

　何をしたのかなんて、大事なことじゃない。

　本当に大事なことは、どんな結果を残せたかということだ。

　そう、宿題も仕事も戦争も同じ。

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『見世物小屋』作：一二三　五六

　寄ってらっしゃい、見てらっしゃい。

　ここに御座しますは、世にも滑稽な動物でござーい。

　自らを万物の長を自負し、天下気取りの哀れな下等生物。

　浅ましくも我々と同じく「ヒト」と名乗る姿や、抱腹絶倒のあまり七転八倒間違いなし。

　さあさあ、見ないと損だよー。

　口上を述べているのは宇宙人、見世物にされているのは地球人である。

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　描き下ろしの『見世物小屋』以外は、活動報告に上げる度に書いていたので割愛。どうしても読みたい方はマイページへお願いします。

『見世物小屋』について

　人種で判断するってアレだよね。そう、アレみたいだ。

　アレを具体的に言えば、アパルトヘイトとか白豪主義とか第二次世界大戦以前の……おおっと、これ以上は危ない！