9/9
落城計画 その②
「エラフ!ここの武器!!すごい量!」
そりゃ、見りゃ分かる。まあ、数えたくないほどの量あるけど。
目を見張るほどの量だった。剣や盾の反射だろう。部屋が黄金色に輝いていた。・・・・・・・・。それ以上は言えない。言いようがない輝きだったからだ。
「…でも、なんでこれほどまでの武器があるんだろう?」
アルナは首を傾けた。さあ? 別にこれが罠だったとしても構わない。この武器の数。それさえあれば大丈夫だからだ。
「エラフも!早く!この部屋に入って武器を取ろうよ!!」
アルナは笑顔で叫んだ。どうせあの笑顔もすぐ無くなる。なんせ、この部屋は「落下」するからだ。
“ガクン!!”
アルナは部屋ごと急降下していき、入り口だった所はただの壁になった。
「…全く、入らなくて良かった。」
部屋と廊下の境界線。そこがガタガタと震え、細かい砂のようなものが吹き出ていた。危険だな、と思い、アルナに言おうとした。しかし、あいつはどうせ聞く耳を持たないだろう。そう感じた。それに、あいつは魔法感知するだろう。そう思っていた。