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落城計画 その①
久々にやって来ました。
そのうっそうとした城。中はもっとうっそうとしていた。当然だが。
「…暗い…。」
アルナが呟いた。そうだ。この城には灯りという灯りが無いのだ。
「……たいまつとか無いのかよ。」
俺はアルナに言った。しかし、帰ってきたのはそっけなかった。
「無いよ。」
「え?」
「無いって。あの城から放り出されて、誰が持ってるっていうの?」
俺はガクンと急に腰が下がり、フラフラと歩いて行った。
「………!」
アルナは食べ物にありつくかのように走っていった。
「…ふう、なんだって…。」
俺が顔を上げた目には、斧、剣、盾、その他数えきれないほどの武器が揃っていた。