え? 俺が? その②
「…暑い…。」
俺がそれ、兜と鎧を着た時の第一声を放った。
「さあ、魔王討伐へ行くのです。」
「え!?」
??? 何がなんだか分かんなかった。頭脳戦しかできない俺が、英雄だと勘違いされていたようだ。
「あ、あの…俺はそんな訳d…」
「エラフーーーーーーーーーー!!」
俺の言葉を無視してやってきたのは、アルナだった。
「エラフ! …何そのカッコ。」
いや、そんな事言われたって。
「あ!あなたは!」
アルナは王女の方を向き、言った。
「ちょうど良かったわ。あなたにも向かってもらうわ。」
と、王女はアルナに黒ドレスと、杖を渡した。
「え? これで何しろって言うの?」
アルナはその黒ドレスを見て首を傾げた。
「その杖は魔法を発揮するわ。魔法の種類は様々な人たちが教えてくれるわ。」
なんと無責任な。俺はそう思った。魔王と言った。つまり、教えている暇がないのではないか。そうは分からないが。
「では、行くのです!」
と、俺とアルナは無理やり外に出された。
「これも、しょうがないのか?」
「しょうがないんじゃない? 王女救っちゃったんでしょ。」
はあ…。助けなきゃよかった。俺はつくづくそう思っている。ま、どうせ行かなきゃいけないんだろう。そうだろ?