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え? 俺が? その①
あの王女に出くわして3日。俺はいつもの農作業をしてた……はずだった。
「あなたが、エラフ=ウェル、ですね。」
大通りへ続く道。そこからどこか懐かしい声が聞こえた。
「…はっ!」
「…クス…。」
俺はその声の主、ルーン=ストラウト王女が見えたとき、思わず声を上げてしまった。何故ここに来たのだろうか。その疑問が浮かんだからだ。
「さあ、参りましょう。」
と、王女は俺の手を引いた。
「え、ど、どこに!?」
「行けばわかります。」
と、俺はその奇妙な王女に連れて行かれた。
「お父さん!エラフがいない!」
エラフが去った後、アルナと父は一生懸命に村全体を探した。
「さあ、これを。」
王女が俺にそう言って手渡したのは、鎧と兜、それに携えられた剣、だった。