3/9
勉強・遊び・泥沼だ その③
「キャアーーーーーー!」
その何匹かのハチはその声の方へ、つまり王女へ飛び、刺されそうになった。
“ブチッ!”
自分でも分からないままに行っていた。はっと気づいた時には、王女の前に立ち、両手にはそのハチ全てが潰れていた。
「…!?」
王女は驚いている。こっちだって驚きたい。俺はそう思いつつ、黙ったまま王女の方を向いた。
「姫ーーー!!」
ん? また誰かが来たか?
「姫! 貴様、姫に何をした!?」
ちょ、ちょっと待てよ! なんなんだ!? いきなり!?
「待ちなさい!」
「!?」
姫が叫んだ。そこにその召使っぽい奴は反応した。
「その方は、私を救ってくれた恩人です。すぐにその首元の腕を離しなさい…!」
「は、はい!」
と、その男は俺の襟を離した。と、王女が俺の近くに来て、こう言った。
「…私を守ってくれて、ありがとう。」
そう王女は呟いて、俺から離れた。
「さ、行きましょ。午後の仕事が待っているわ。」
王女は森の中へ消えていった。
「……?」
なんでこんな森に入っていったのか、それは教えられなかった。そんな事を頭の中で考えながら、俺は家に戻った。