第六話 強くなりたかった
翌日。
私は体育館へ向かった。
だけど、そこに先輩達の姿はなかった。
いつも聞こえていた声も聞こえない。
人数が少ない。
昨日まで当たり前のように一緒に居たのに。
先輩達は今、どんな気持ちなんだろう。
私は寂しかった。
だけど、次は私達二年生がチームを引っ張って行かなきゃならない。
私はみんなに笑顔で声を掛けた。
「頑張ろうね!」
そして練習が始まった。
先生が、新しいキャプテンと副キャプテンを発表する。
副キャプテンに選ばれたのは、私だった。
驚いた。
だけど、それ以上に嬉しかった。
先輩達の背中を思い出す。
私も、あんな先輩になれるだろうか。
副キャプテンとして、チームを支えていこう。
そう思った。
それから私は、今まで以上に必死に練習した。
どうしたらもっと上手くなれるんだろう。
どうしたら強くなれるんだろう。
常にそんなことばかり考えていた。
顧問の先生に、バレーのDVDや本も借りた。
家に帰ってからも、何度も繰り返して見る。
ノートにも沢山書き留めた。
少しでも上手くなりたかった。
DVDを見終わっては、また新しいDVDを借りにいく。
先生は笑いながら言った。
「それくらい勉強も頑張ってくれたらいいな」
自分でもそう思う。
だけど私はもう、バレーに夢中で仕方がなかった。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
先輩達が居なくなった体育館は、とても静かに感じました。
寂しかったけれど、その反面、「次は自分達の番なんだ」という気持ちも強くなっていった時期でした。
DVDを見たり、ノートに書いたり、本当に毎日バレーのことばかり考えていました。
今思うと、それくらい夢中になれるものがあったのは幸せだったのかもしれません。
続きも読んでいただけたら嬉しいです。




