表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ブラック企業のおっさんが天使と悪魔の力を駆使して地球を救う話 〜ギャンブルなんて二度とせんわ!賭けてもええで!〜  作者: 真星 紗夜(毎日投稿)


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

12/19

08-2.天使と悪魔とおっさんと……


 ミクちゃんが羽を広げた。


「課長、今から刀になります!」


 ――バサッ!!


 光が広がり、羽が繭のように閉じる。


 ――キュイィィン!!


 一振の刀がワイの目の前に浮かんでいた。


『ザンテツ課長!』


 ミクちゃんの声が刀から聞こえる。


『今回は本気です!』


「毎回言うとる気がするんやが……」


 ワイは刀を握った。


 その瞬間、体の中の魔気と刀の光が混ざった。


 ズンッ。


 身体が一段階重くなる。


『おぉ……、おじさん……』


 カコが感心した声を出す。


『それ、天使と悪魔のハイブリッド状態ッス』


「なんやそれ」


『要するに、めちゃくちゃ強いッス!』


「説明雑すぎるやろ!」


 その時、監査兵がゆっくり腕を上げた。


 そして指をこちらに向けた。


 ――ドン。


 また見えない圧力が来た。


「ぐっ……!」


 ワイは地面を踏み抜きながら耐える。

 アパートの駐車場がボコボコに沈む。


『ザンテツ課長! それ重力操作です!』


「さらっとチート能力やな!」


 監査兵は無言のまま、もう一度指を動かした。


 次の瞬間――


 ワイの足元のアスファルトが浮き上がった。


「うおおッ⁉︎」


 車も自販機も全部宙に浮く。


 そして一斉にワイへ向かって飛んできた。


「こんなん避けられるかぁ!」


 ――ズバァァン!!


 ワイが一心不乱に刀を振り回すと、光の斬撃が放たれた。


 そして、車が真っ二つ。 自販機も両断。


『ザンテツ課長、すごいです!』


『おじさん、やりまッスね!』


「褒めとる暇あったら何か作戦考えろや!」


 車から立ち昇る黒煙の向こうで監査兵が立っている。


 ……アイツ、肩に傷負っとるで。


 そして、監査兵が言葉を発した。


「……異常確認。 対象ハ、コノ人間!」

 

 ……⁉︎

 言葉が……、理解できる……?


『ザンテツ課長、私の身体に触れている間は宇宙人の言葉が理解できるはずです!』


 ミクちゃんが言った。


「……なるほど、ミクちゃんの身体は生きたホンヤクコンニャクって事かいな!」


 それを聞いたカコが身体の中でボソッと呟いた。


『おじさん……、下ネタッスか……?』


「何を言うてんねん! レベル高過ぎるやろ!」


 ミクちゃんは下ネタの意味が理解できなかったのか、カコを無視して続けた。


『おそらく監査兵は、課長という人間そのものを宇宙のバグと認識しているようです!』


「やっぱり狙いはワイなんか!

 なんでこんな事に巻き込まれなアカンねん!」


 監査兵は腕を振り上げた。


 空気が震える。


 ……ヤバい。


 直感で分かった。

 これはさっきの重力操作とはレベルが違うで。


『おじさん!』


 カコが叫んだ。


『あれ来たら死ぬッス!』


「もっと早く言え!」


 ワイは全力で地面を蹴った。


 ――ドォン!!


 次の瞬間。


 さっきまでいた場所が巨大なクレーターになった。


「うわぁ……」


 アパート半壊しとるやん。


「大家さんに怒られるやつや」


『いや、今それ心配するんですか⁉︎』


 ミクちゃんがツッコんだ。


 監査兵は首を少し傾けた。


 そして再び手を上げる。

 


 ……その時、空のVOID(ヴォイド)亀裂がさらに広がった。


 ――ビリビリビリッ!!


 黒い裂け目が拡大する。


 その奥から、何か巨大な気配が降りてくる。


 監査兵が突然ひざまずいて、言葉を発した。


「……検閲官殿、来テクダサッタンデスネ」


「……は?」


 さっきまでボスみたいな顔してた監査兵が急に部下ムーブし始めた。

 いや、顔はのっぺらぼうなんやが……。


『ザンテツ課長……』


 ミクちゃんの声が震えている。


『最悪です』


「何がや」


『ヤツが言うように、本物の宇宙検閲官のお出ましです』


「…………」


 ワイは空を見上げた。


「は?」


 空のVOID(ヴォイド)亀裂の奥の奥。

 そこから、ゆっくりと何かが降りてくる。

 最初に見えたのは――禍々しい光。


 巨大な影の輪郭が、黒い裂け目の向こうで揺れている。


 その全体像はハッキリとは見えないが、存在だけで空気が重くなった。


 監査兵がひざまずいたまま言う。


「……検閲官殿、対象確認イタシマシタ。

 ワタシハ、コノ人間ニ傷ヲ負ワサレマシタ」


 その時、空から声が降ってきた。


「人間ゴトキガ……」


 低い声。


 ……なんや?

 この監査兵とは明らかに空気が違う。

 なんというか……、圧が桁違いや。


 アパートの壁がミシミシ鳴る。


 街灯のガラスが震える。


 ワイは思わず刀を握り直した。


「これ……ヤバいやつやろ」


『はい』


 ミクちゃんが即答した。


『宇宙検閲官は、全ての惑星文明を監査する存在です』


「権力がデカすぎるやろ……」


『惑星を消す権限すら持っていると主張する派閥もあります』


「ちょ……、軽く言うなや!」


 その時、VOID亀裂の中の影が少し動いた。


 巨大な目のような光が、こちらを見た。


「人間……、オマエガ監査兵ヲ破壊シタノカ?」


 宇宙検閲官の声が直接頭に響く。


 ワイは思わず答えた。


「いや、壊すつもりはなかったんやけど……、なんつーか、勝手に壊れただけで……」


『言い訳が雑すぎます課長!』


 ミクちゃんがツッコんだ。


 宇宙検閲官はしばらく沈黙した。


 そして言った。


「理解不能デアル」


「それ、ワイのセリフやで……」

 


 しばらくして、監査兵が横から宇宙検閲官に向かって言う。


「マズハ、コノ人間ヲ消去スベキデス」


「ちょま! お、落ち着けって!」


 ワイの声など聞く耳を持たず、宇宙検閲官は即座に動いた。


 ――ドドン!!


 監査兵よりも強力な重力が落ちてくる。


 ワイは歯を食いしばった。


「ぐっ、身体が重い……!」


『課長!』


 ミクちゃんが叫ぶ。


『ここでやられたら地球が終わります!』


「クソッ、色んな意味で重いわ!」


 カコが頭の中で笑った。


『おじさん』


「なんや」


『もう一回、魔気解放するッス?』


「できるん?」


『できますけど』


「けど?」


『今度は身体が壊れるかもッス』


「さらっと言うなや!」


 宇宙検閲官の影はさらに存在感を増し、巨大な重力の圧を落としてくる。


 ワイは刀を握りしめた。


「……しゃーない、やるしかないやろ」


 直後、空から降りてくる宇宙検閲官。

 その巨大な影が、街を覆おうとしていた。


「……ミクちゃん」


『はい』


「……これ、勝てるん?」


 ワイの足はガクブルや……。


 数秒の沈黙。


『……正直に言います』


「お、おう」


『無理です』


「やっぱりかーい!」


 カコが身体の中で話しかけてくる。


『おじさん、宇宙検閲官は規模が違うッス。

 個人で戦う相手じゃないッスよ』


 それを聞いたミクちゃんが真剣な声で言った。


『ザンテツ課長、時間を戻します。

 私、少し引っかかるところがあるんです。

 それに、今日三人で話し合いする時に言おうと思ってた事があるんですよ』


 空では宇宙検閲官が完全に姿を現そうとしていた。


 時間がない。


 ミクちゃんもとい、刀が光を放つ。


『戻るのは……、四月十六日の朝です』


「それって、今日やんか」


『はい。 戻ってから伏線を回収します』


「メタいな!」


 ミクちゃんが両手を合わせると、光が広がった。


 そして、カコが言った。


『おじさん』


「なんや」


『多分、ミクも色々気づいてるッス。

 なんで宇宙人が来たのか。

 なんでおじさんの周りではバグが多発するのか』


「ワイも気になっとるわ」


 光が強くなる。


『それじゃザンテツ課長、行きますよ。

 今朝を“現在”として“過去”を確定させます」


 その直後、世界が白くなった。

「面白かった!」「続きが気になる!」と思ったら、  


 下にある⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎から、作品への応援をお願いいたします!(つまらなかった星一つで大丈夫です。)  


 どんどん投稿しますので、ブックマークも是非ご利用ください!  


 ※作者は特級の声優ヲタです。キャラクターの脳内再生CVなど、お気軽に自由なコメント待ってます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ