0話・白い空間
趣味で書いているものです。
ほかの人の作品と似た表現や、日本語としておかしなところがあるかもしれませんが、
どうか温かい目で読んでください。
どこまでも白い。
そんな不思議な空間に、一人の白髪の少年が漂っていた。
その少年は手に持った一枚のとても高価そうな鏡を眺めている。
・・・いや、正確にはその鏡に映る彼を眺めているのだろう。
このほとんど何もない空間では、この少年はこれしかやることが無いし、これしかやりたいことが無い。
「ほんとに君は、すこしは穏やかな人生が歩めないのかな。」
少年は、見た目通りの子供らしい声でそう呟いた。
その言葉は、もはや何の意味もないように聞こえた。
もう何百回、何千回と同じ言葉を呟いているのだからそれも当然だろう。
そしていつもと同じように、この少年は静かに首を振る。
「いや、穏やかな人生を歩むのは君らしくないね。」
言葉に感情はこもっていなかったが、その時浮かべた寂しげな笑顔には、まだ感情が残っているように見えた。
「今回の人生は、どうかな。」
彼の今回の人生にも期待はするが、少年はほとんど諦めているようだった。
奇跡は、全くと言っていいほど起きないからこそ奇跡なのだ。
そして少年はその奇跡を、もはや信じてはいない。
しかし自分では何もできないことをよく理解もしていた。
だから少年は、期待することしか、願うことしかできない。
自分の相棒であり、唯一無二の親友である彼が帰ってくることを。




