徒花
注意※分かりにくい表現、誤字脱字があるかもしれません。「そんな駄作見たくねぇよケッ!」と言う人は見ないでください。
ご了承下さい。
実を育てられぬ徒花よ。
実を育てられぬ無駄花よ。
咲き誇るその花園に、泥に塗れた蜂が迷い込む。
花園の王である徒花は、ただその蜂の寄る辺となった。
泥に塗れた蜂は、そんな徒花に身を預けた。
蜂は蜜も取らず、花粉を取らず。蜂らしくも無く、むしろそれを嫌っていた。
やがて徒花は、泥に塗れた蜂と結ばれた。
ところが蜂はその色気故、多様な花を虜にし、しかし蜂は徒花を恋い慕う。
最早実も結べぬ徒花を、蜂は口付けを交わした。それが毒とも知らずに、蜂は徒花を恋い慕う。
それでも虜となった花達は、王の蜂とは知りながら、甘い毒に溶かされながら、その身を焦がす。
王の徒花の腹は広く、また自分が実も結べぬ花であることを知り、それでも蜂に恋い慕う。
けれども既に手遅れで、蜂の毒は愛に根付き、花園は腐敗を見せた。
だが、その腐敗を、王の徒花は一身に引き受けた。
蜂は優しく、また穢らわしい。
蜂は、徒花から飛び立った。
けれども徒花は、自らを蝕む毒すらも、その実を結ばぬ体で愛した。
それが、蜂の体を縛る蜘蛛の糸だとも知らずに、徒花は恋い焦がれる。
なればこそ、遥か彼方の大海へ、向かうと良い。
一人の友人と、一人の双子。彼女と共に向かうと良い。
なればこそ、大海は泥を流し、白い蝶を見せるだろう。
立花光の物語。
白い糸の話も、どうぞお読み下さい。




