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落ちこぼれ王子に転生した魔術師は、二度目の人生でも魔術を極める 〜チートすぎる魔力と前世の知識で、世界最強に至る〜  作者: 鬱沢色素


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20/22

20・これが魔術の真髄だ

 否定魔術。

 魔術を()()する。

 そのような意味を込められて、そう名付けられた魔術の技術テクニックだ。


 具体的に説明すると、否定魔術は相手の魔術回路に干渉し、魔術を無効化してしまう。


 しかしこれを使うためには、相手の魔術回路を完璧に理解しなければならなく、魔術への深い理解が必要となってくる。

 二千年前でも、高等技術に属する魔術だった。


「レイラ、少しだけ待っていてくれ。すぐに終わらせる」


 そう言って、彼女を地面に寝かせる。

 同時に、浄化されて子犬のような姿になったキメラと共に、周囲に魔術結界を張った。


 ……よし。これなら彼女たちが戦いの余波に巻き込まれることはないだろう。

 俺は頷き、ラグナスとあらためて向かい合った。


「否定魔術……? そんなバカな。僕だって、書物でしか名前を聞いたことがないよ。確か、大昔に滅んだ魔術だ……って」

「そうか? 難易度は高いものの、俺の周りじゃ普通に使っている人間は多かったぞ」


 煽りの意味も含めて、せせら笑う。


「この程度で驚いていては、お前の魔術レベルもたかが知れるな。孤星魔術師シングルスターっていうのも、嘘だったのか?」

「ずいぶんと煽ってくれるね。まあいっか。そうこなくっちゃ、面白くないから」


 ラグナスはニコニコと笑いながら、手をかざす。


「まずは小手調べかな。とりあえず、死んでくれる? ──氷槍よ、凍てつく鋭さで我が敵を貫け」


 彼がそう唱えると、鋭い氷の矢──アイスランスが発射された。

 アイスランスが俺に命中するよりも早く、回避する。近くの壁に被弾したアイスランスは砕け、氷の結晶となって周囲に飛び散った。


「ふむふむ、やはり詠唱魔術か。速さも質もディルクより数段上だが……まだレベルが低い。孤星魔術師というのは、本当にこの程度なのか?」

「なにをごちゃごちゃ言ってるんだい?」


 ラグナスが笑い続けて魔術を放ち、俺はそれを寸前で躱わす。


「どこまで逃げられるかな?」


 命がけの鬼ごっこが始まった。


 火・水・雷・闇……合計四属性か。なかなかやるが、驚くほどではない。二千年前では、()()あった。


「だが、そろそろ飽きてきた。いい加減、逃げるだけじゃなく、その威力も見させてもらおうか」

「だから……戦っている最中に、ぶつぶつ呟くなって。君の両親からは、躾を教わらなかったのか?」


 ラグナスが怪訝そうに眉をひそめる。


 彼はファイアボルトを放つと──今度は俺に命中。粉塵が上がった。

 ようやく俺を捉えられただろうか、ラグナスが口元を緩める。


 しかし舞い上がった砂埃が消えた頃には……。


「む、無傷だと……?」


「やはり、魔術結界すら破壊出来ないか。見た目通り、威力も大したことがないのか」


 魔術結界を張り、俺はノーダメージ。

 これにはラグナスも驚愕する。



「バカか。この程度で小僧は、リオに勝つつもりじゃったのか? 魔術の発動速度、威力、全てがリオに劣る。リオは化け物じゃぞ? 人間を相手にするつもりでは、二千年かかってもリオには勝てん」



 フードの内側で、ネリスが溜め息を吐く音も聞こえた。


「すぐに次の魔術を──」

「遅い」


 ラグナスが魔術を放つよりも早く、俺は瞬時に彼の懐に入り込む。

 肘打ちを当て、ラグナスが苦しそうに体をくの字に曲げた。


「ぐはっ……! 獣化ビーストアームズも……だと? 魔術師じゃなかったのか……?」


 ラグナスがよろめきながら、そう口にする。


 おお、獣化のことを知っていたか。

 せっかくレイラに教わったから使ってみたが、やはりこれはなかなか有用だな。身体強化魔術を使わなくても、こんなに早く動ける。


「レイラよ、お前の技はこいつに負けていない。成長していけば、お前一人でもこいつに勝つことは出来るだろう」


 傍で倒れているレイラを一瞥し、そう呟いた。


「さて、そろそろ決着とするか。こいつの魔術は、もう満足するまで見せてもらったし──」

「させないよっ!」


 俺が首をポキポキ鳴らしていると、ラグナスは必死の形相で魔術回路を組み立てる。


「この……っ、化け物が。見た目に騙されるつもりはなかったけど、こいつは子どもじゃない。子どもの皮を被った悪魔だ。最初から、最大火力で君を葬らなければならなかった!」


 先ほどとは比べものにならないくらいの速度で、ラグナスが魔術を成就させる。


「闇の深淵よ、姿を現せ。影より這い出でし手が、全てを絡め取れ──ナイトメア・ディセント!」


 その瞬間、周りが闇で覆われる。

 さらに闇の中から無数の黒い手や触手が現れ、まるで獲物を探す獣のように、俺に伸びていった。

 本来ならこれに少しでも触れてしまえば、死に陥る魔術だ。


 しかし。


「つまらん」


 俺は向かってくる影を、軽く手で払う。

 魔術耐性が高い俺の手によって払われた影は、小さな虫のように簡単に消滅した。


「少しは期待して、損をしたではないか。たかがナイトメア・ディセントで大層な詠唱をして……笑わせる。本物の魔術というのは、こう使うんだ」


 次は俺から攻撃する。



 ──セイグリット・ブラスト。



 神々しい光によって周囲の闇が散開し、景色を白く染め上げる。


「あ、あ……君は、なんなんだ……僕が今まで、魔術研究に使った時間は……一体……」


 神による裁きに、ラグナスは呆然と立ち尽くすことしか出来ない。


「もしや、努力に意味を見出そうとしているのか? 魔術というのは楽しんで研究するものだぞ。その点に関しては貴様と意気が投合しそうだったが……違ったか。()()な」


 光の大爆発がラグナスを包み、断末魔すらも虚空に消えていく。




「これが魔術の神髄だ」




 最後は呆気なく、俺はラグナスとの戦いを終わらせるのであった。

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