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落ちこぼれ王子に転生した魔術師は、二度目の人生でも魔術を極める 〜チートすぎる魔力と前世の知識で、世界最強に至る〜  作者: 鬱沢色素


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16/22

16・アジトに潜入

「リルク! 右よ!」


 レイラから指示が飛ぶ。


 右から短剣を振り上げて襲いかかってくる男に、炎魔術をぶつけた。


「ひぎぃっ!」


 男はカエルが潰れたような声を上げて、吹き飛ばされる。そのまま地面に倒れて、動かなくなった。


「さすがね!」

「この程度、朝飯前だ。じゃないと、本当にレイラの足を引っ張ってしまうことになるしな」


 肩をすくめる。


 俺たちは続けて、影狼の爪のゴロツキどもを倒していく。

 やがて、地面にはおよそ十人の男が倒れ、あっという間に戦闘が終わったのであった。


「ま、こんなもんかしら」


 手をパンパンと払いながら、レイラは充実感に満ちた表情で口にする。


「やっぱ魔術師が一人いたら、戦いもスムーズだわ。あんた、めちゃくちゃ強いじゃない」

「どうも」


 彼女の賞賛に、軽く頭を下げて答えた。




 ──影狼えいろうの爪のアジト。




 正面からアジトに入ると、次から次へと影狼の爪の構成員たちが行く手を阻んできた。


 しかし、俺とレイラの敵ではない。

 バッタンバッタンと敵を倒し、ここまで無傷のまま進めている。肝を冷やした瞬間もなかった。


「だが、ここまで俺が戦えているのも、レイラのサポートのおかげだ。俺だって、お前に助けられている」

「ふふっ、子どもに……とはいえ、褒められると気分がいいわね。あんた、将来は女ったらしになるんじゃない?」


 レイラが笑顔で答える。


「……なにを調子に乗っているんじゃ。そもそもお主が本気を出せば、もっと早くにここまで来られたものの」


「うるさい」


 フードの内側からネリスの声が聞こえ、小声で注意した。


 ……だが、ネリスの言うことにも一理ある。


 俺はここまで、全く本気を出していないからだ。

 そもそもこんなアジト、外側から魔術で爆発させれば一発なのである。


 とはいえ、そうしてはレイラの『最強を証明したい』という目的から外れるし、俺も必要以上に強いと思われるのは避けたい。


 脳筋なように見えて、彼女は結構勘が鋭い。

 じゃないと、魔術師とはいえ、子どもである俺をここまで連れてこようとしないだろうしな。


「どんどん進んでいくわよ。こんな雑魚ばっか倒しても、しょうがないんだから。私たちの目的はあくまで、影狼の爪の壊滅と、ボスであるラグナスの撃破」

「そうだな」


 頷き、俺たちは洞窟の奥へ駆け出そうと──


「ん?」


 ──した瞬間、俺は足を止めた。


「どうしたの?」

「……いや、なんでもない。先に進もう」

「そう? さっきから変ね」


 違和感を抱いたんだろうが、大したことがないと判断したためか。レイラはさほど気にせず、今度こそ駆け出した。


 そのまましばらく走っていると、扉の前に突き当たる。


「ここはなにかしら?」


 レイラが扉を押して中に入ると、そこは小部屋のような空間になっていた。


 棚が並べられ、そこには本や魔導具らしきものが置かれている。雑多な印象を受ける他の場所とは違い、ここには理路整然とした空気が漂っているように感じた。


「倉庫……かしら? ねえ、リルク。これ、なんなのか分かる? 魔導具みたいに見えるけど」


 レイラが棚から無造作に一つの魔導具を拾い上げて、俺に見せてくる。

 それは一本の管で、二つの硝子ガラス容器を繋げているような奇怪な形をしていた。


 俺は手をかざして、その魔導具(?)を解析する。


「これは……魔力合成機だな」

「魔力合成機? 使い方は名前の通り?」

「ああ。二つの別々の魔力を合わせて、一つの新たな魔術を生み出すための魔導具だ。基本的にはより強力な魔術を発動するために用いられる」

「す、すごいじゃない! こんなものがあったら、自分では使えない上位の魔術も使い放題じゃん!」

「いや、そこまで使い勝手のいいものじゃないぞ」


 このような取り組みは、二千年前から存在した。

 しかしこの類の魔導具は不発に終わることが多く、仮に発動したとしても途中で暴発してしまうのがオチだった。


 もちろん、成功する場合もある。


 だが、ほとんどは失敗で、こんな不安定な魔導具を使うくらいなら、自分で上位の魔術を使えるように特訓した方がよっぽど効率的だ。


 二千年前の魔導具に比べると、ずいぶんと改良されているようだが……まだ不十分。

 失敗作なのだろう。実際、この魔導具もあまり使われた痕跡がなく、埃が被っていた。


「なあんだ」


 レイラが肩を落とす。


「そう、上手い話はないってことね」

「魔術というのは一見才能に左右されるものであるが、本質的には地道な鍛錬が必要だ。そんな裏道を、神は許してくれないよ」


 そう言いながら、俺は他の魔導具や本を漁っていく。



 しかし……気になる。



 どうして一介の盗賊団が、こんなものをかき集めているのだろうか。

 ここにある魔道具や本は、ほとんどが二束三文にしかならないものだ。

 盗賊団なら、もっと他に集めるものがあるだろうに。


 さらに気になることは一つではない。


 ここにあるものたちは、魔力を合わせたり、動物や魔物の生態について深く書かれたものが多い。

 この部屋にあるものの所有者は無造作に集めているわけではなく、まるで確固たる()()があるような……。


 思考にふけっていると、



「どう? 僕の集めたコレクションたちを、気に入ってくれたかい?」

【作者からのお願い】

「更新がんばれ!」「続きも読む!」と思ってくださったら、

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よろしくお願いいたします!

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