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ぬばたまの夢 闇夜の忍~暫く全力のごっこ遊びかよって勘違いからはじまった異世界暮らしは、思ってたのと大分違う。(もふもふを除く)~  作者:


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64.色んなカメラ

失態が悔しかったのか、燐ちゃんはあれ以来酒を飲まなかった。もう少し酔ってくれてたら色々と聞き易いんだけど、そうも上手く行かねえって事か


「えー、ここにもある筈だよ?カメラ。えっと、場所は分かんないや」


上手い事さっきの熊の話題に誘導して、本題のかめらに辿り着いた。燐ちゃんはさらりと恐ろしい事を述べる。


「待って、えっと、此処に?」


「うん。確かここのキャンプ場、ライブカメラあるんじゃなかったかな?」


リアルタイムで景色が見れるカメラがあると更に説明すると、佐助は驚いた顔のまま固まってる。


あ。知らなかったのかな?忍ごっこ、うっかり映ってたら悲惨


燐は佐助の表情に、自分の知っている限りのカメラを教えてあげようと立ち上がった。


「あっち、炊事場と自販機に防犯カメラあるでしょ?後キャンプ場の道出て直ぐの道路にもカメラあったよ」


次々と建物を指しながら話し続ける燐に、今後如何すればよいのか顔を顰めた。


≪急くなって≫「道にもあるの?」


腰を浮かす才蔵を制した佐助は、そのまま留まる様促しながら詳細をと燐を見た。確かに運転しないとカメラなんて気にしないかもと思うと燐は説明を続ける。


「車乗らないと分かんないかもだけど、オービスとか色んなところについてるし。あ、歩道にも時々ついてるよ?安全カメラ」


速度超過取り締まりや、町の安全等カメラは今どこにでもあると燐は説明した。


≪長、如何する≫


燐ちゃんの言葉に才蔵の動揺が伝わる。


≪出立は無理かも≫「じゃ、さ?道歩いてて何処にも映らないってのは無理って事じゃない?」


熊の恐怖で取り付けてるだけだと思っていた、気配無く姿を捉えるかめら。そんなもんが何処にでもあるって


「あー、うん。多分。頑張れば出来るだろうけど。てか、映っても別に悪い事しなきゃ大丈夫だよ?けどどこに居ても映っちゃってんだから、悪い事しちゃ駄目だからね?」


こいつは何をそんなに恐れているのかと燐は何となく顔色の悪い佐助を諭す様に話した。言い含めるような言い方に、佐助は顔を顰める。


「…あのねぇ俺は幼子じゃねーんだけど」


「だって何か悪いことしようとしてる感じじゃない?防犯カメラに映らない方法とかってさ」


少なくとも地球に住んでいる限り、外に出ていれば見られているのに変なのと燐は佐助を見た。


「それってさ、嫌じゃないの?知らない奴に四六時中見られてんだろ?」


此処の世の御仁方はそういうの気になんないの?と湧き上がる疑問をそのまま口に出した。


「あー、そう言われれば嫌かな?けど住んじゃってるしね」


産まれた時から身近にあった物で、嫌だと思う事もあるがどうしようもないと燐は佐助に答えた。話がそれた事で才蔵は立ち上がる。


「燐殿。一旦捨て場に置いて来ようかと」


才蔵の声の方を振り向くと、ごみを纏めた袋を持っている。生ごみ捨てれなくなる所だった!と燐は立ち上がる。


「教えてくれてありがとうございます、私捨てて来ます」


「あ、けどほら夜間は捨てれないんだろ?夜飯の準備でもしたら?」


気になって仕方ないのだろう。気配の無い物の正体を見に行くのだろうと分かれば、佐助は燐の足止めをすべく問い掛けた。


「今焼いてるので食材使い切ったから…生ごみは無いかな?」


俺等に振舞ったから?今夜の飯も無くてどうする積りなんだろうと、佐助は燐を見た。


「今日の晩飯は良いとして、明日以降どうする積り?」


念の為と日持ちしない物を詰めた足元のクーラーボックスの中見を再確認していると、佐助が不安そうに問い掛けて来た。


「え?明日は朝チェックアウトしてから観光しながらコンビニ?あ!言ってなかったっけ?私明日帰るんだ」


途中まで話しながら、毎回食材に気を使っている事を思い出して明日帰る事を付け足すと、佐助は少しほっとしたような顔をする。


「今回持って来た食材使い切れて助かりました。って事で、これ引き続きごみにならない様にご協力お願いします」


生米の袋だけが残ったクーラーボックスを持ち上げ見せた燐は、佐助と才蔵を交互に見ながら残りの食材を指し、軽く頭を下げた。


「なれば先にごみを」


「そんじゃ、俺は洗い物しよっかな?此れも纏めて捨てた方が良いだろ?」


才蔵はさり気なく燐が椅子の側に纏めていたごみも袋に入れていた。いつの間にと思っていると、今度は佐助が飯盒と使い終わった食器を持っている。


「え、私がやるよ。私のだし」


「洗い方に拘り無いならやらせてよ。誰かは残って火見てないと。それに此処にゃ燐ちゃんの大事なもんもあるだろ?」


申し訳ないと手を伸ばすと、佐助がやんわりと断る。それに同意するように才蔵は頷く。


「何もせず、飯を頂戴するのは気が引けますので行って参ります」


ぺこりと頭を下げた才蔵。拒否権無し的な空気感に佐助を見ると、佐助はヒラヒラと手を振ってみせた。

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