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ぬばたまの夢 闇夜の忍~暫く全力のごっこ遊びかよって勘違いからはじまった異世界暮らしは、思ってたのと大分違う。(もふもふを除く)~  作者:


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39.切れ長の目、薄い唇、髷が似合いそうな綺麗めな感じ。

朝風呂に向かうと、才蔵達のテントの前で管理人と一緒に立っていた才蔵と目が合う。


「おはようございます。少しお時間いただけますか?」


何となく会釈すると、管理人は丁度良いと燐を呼び止めた。


「おはようございます。何かあったんですか?」


朝から管理人が来てるって大丈夫なのかと、近付きながら問い掛けると管理人は言葉を濁しながら燐と才蔵を見る。


「いえ、そういうわけでは無いのですが、まぁ」


歯切れ悪く何か考える様に視線を逸らした管理人は、2人に急に熊の目撃情報が増えたため週末前に対策をすると話した。


「人体に影響が出たりとか、そういうのじゃないんですが音が兎に角煩いので不快な思いをされるかなと思い、お電話したんですが繋がらなくて。で、今し方こちらに出向いて説明をする所で丁度姿をお見かけしたもので」


熊避けの音と煙を出すため、可能なら2、3時間程出掛けて欲しいと告げる管理人。


特に予定も無かったし出て行くのは良いけど、熊が出るのに泊まる?え?どうしよう。


燐の戸惑いを察した管理人は、2人に宿泊をキャンセルするなら返金対応する事も伝え話を続ける。


「ここオープンしてから一度も熊被害は出てないんです。藪等を管理したり、電気柵や猟友会の方々に個別でお願いして、見回って貰う等の対策も考えられる限り行っています」


熊の対策だろう数々の聞き慣れない言葉。理解出来れば今後役に立つやもと才蔵は真剣に聞く。


「ただ、周辺となると何とも言えないので…なるべく遠くに追いやる対策なのでね」


必死に安全を説明する管理人の言葉に、また車に荷物を積んでキャンプ場を探すなら、安全に囲われた場所が良いだろうと燐は考えた。


「数時間、買い物して来ます」


「ありがとうございます」


風評被害を考えていた管理人は燐の言葉に頭を下げて礼を述べる。


「もしお知り合いでしたら乗せてってあげてください。下の川の方でも目撃情報があったんで徒歩だと危ないですから」


管理人は遠慮気味に大丈夫と言う才蔵に熊情報を告げる。燐は一緒に行こうと恐縮し続ける才蔵を車に乗せた。


「って経緯で、さっき言ったよね。100均行ったって」


頷く佐助。燐は教えて貰った土産も充実していると言うショッピングモールに出向いた事を続けて説明した。


「で、入り口で催事案内があって」


どんな催事なのか気になり見に行くと、塊肉の重さを当てると豪華焼肉セットプレゼントだったと話す。佐助はこの男なら当てて当然だろうと才蔵を見た。


「急に引っ張って来たから才蔵さん財布とか何も無くて立て替えてたんだけど、あれなかったら金額行かなかったから良かったよー」


追加の食料と他に缶ビールのパックを買うと合計金額でチャレンジ出来る!と楽し気に話す燐は本当に買い物をし券を手に入れた。


「当日3,500円以上買い物した人か、事前配布の参加券3枚だったんだけど、ずっと誰も当たって無いって言っててさ」


人を呼び込む催事なのだろうが数日間、誰も当たらないため何となく白けた雰囲気の場だった。が、燐が行くならと才蔵は意義も無くついて行った。


「で、才蔵が当てたんだ。てか、よく参加したな」


才蔵は絶対に行きたがらないだろう事柄に、どうやってこの男を唆したんだろうと佐助は気になり問い掛けた。


「仕方なしに」


才蔵の呟きに、燐が可愛くねだりでもしたのだろうか?と思うも、そんな事で人前に出る目立つような事をするか?と首を傾げる。


「才蔵さんがやらないって言うから私がやってみたけど全然当たんなかったんだよね」


「お肉食べたかった」一言求められた燐の言葉に、何故か才蔵へ「これで奥さんにお肉当ててやんなさいな」と参加券を差し出す女。才蔵は丁寧に断りを述べる。


「お気持ちのみに。買い物も終わって居ります故」


買い物時に貰った紙が必要だった筈と買った品を見せると、何故かもう一人が寄って来る。


「買うもの無いなら私のもあげるわよ。持ってても使わないから」


「あらー、じゃあこれで1回出来るもん奥さんにお肉食べさせたげなさいよ」


残念と小さな笑いを取り戻って来た燐は、何故かお婆ちゃん達から次々と券を渡され困り顔の才蔵を思い出し小さく笑った。


「で?」


「で、戻ったら才蔵さんがさ、何かお婆ちゃん達に大人気で皆に応援されて券も集まっちゃってて」


「無下に出来ず」


「へぇ」


あの場での黒はアイドルだった。肉を当てた事もあり、最後は何故かお婆ちゃんに囲まれ握手を求められていた。


「才蔵さんてさ、時代劇の武士みたいな物言いだし、顔も暴れん坊将軍とかの侍とかお殿様役で出てそうなイケメンだもんね」


燐は、何故か急にピタリと動かなくなった2人の微妙な雰囲気に何か拙い事言ったかなと眉を下げた。

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