人工知能との恋
時は2035年、人工知能AIの進化は著しく、世界はニコライ・カルダシェフ曰くやっと、レベル1の文明に達しようとしていた。
核融合は『レーザー核融合技術』により、現実的な物となり人々の生活は、正しく今見ているかもしれない2023年に生きている貴方の想像する近未来そのものになっている。
その革命的な技術進歩に爆発的な貢献を果たした女「乙部香美」は俺の姉である。
"天才"は俺におよそ小型冷蔵庫大のダンボールを送ったようだ。
「これまた、デカい物を送るな」
配達員には何時も苦労をかけてばかりだな。
俺が引きこもりを始めてはや3年、苦労をかけて良い大学に入ったものの、やりたいことも無く、姉からの仕送りで生きていく、無駄しかない人生を送っている。
「顔見て話すのは配達員の鈴木さんくらいなもんだ」
ふと、届いた箱から気配を感じた。
動いた気がする。
そんな訳ない。
いくらあのキチガイとは言えども、可愛い弟になんの報告も無しに、愛玩動物を送るようなイカレポンチでは無いはずだ。
とはいえなぁ……
「うごいたよなぁ……」
取り敢えず開けてみるとするか。
手元にガキの頃から使ってるボロボロのハサミを取り、刃をダンボールにあてがう。
ガサガサ……
動いた。
やっぱり動いたぞ。
あの野郎俺に何送りやがった。
俺は動物アレルギーだぞ!
確かに俺は犬や猫は好きだがな…
ザザッ!
箱の内側、上部から爪?のような物が刺さった。
そのままその爪のようなものが下まで下がりきる。
言葉を失う。
死人のように白い肌を持つ女が飛び出した。
目は青く、白く美しい髪を持つ、人形のような女だ。
美しい……
違うそうじゃない!
「誰だお前!?」