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新・リリアンの冒険①


 おっさんの一言でリリアンの新しい冒険が始まる⁈


「私も一緒に不死鳥の火山へ!? 」


 思いがけないリカルドの言葉にリリアンは耳を疑った。


「ご迷惑じゃないですか?」


「実は、介護士として修道女に同行を依頼するつもりだったんだ。元気なお婆ちゃんと言っても、何ぶん道は険しいからね。リリアンさんはご年配のご婦人に好かれるたちだし、介護にも慣れているから一緒に来てくれたら俺も安心なんだけどな。」


 急な提案に一瞬戸惑ったものの、聞けば聞くほど心踊る申し出だ。


 単なるオマケとしてではなく、ちゃんとした役割まで与えてくれるとは!



 薬草園へ来る前、リリアンはしばらくの間、修道院附属の養老院で老人達の世話をしていた。


 今のスローライフからは想像もできないブラックな職場で、過酷な長時間労働に大好きな裁縫もできない日々だったが、そのおかげでリカルドの仕事に同行できるなら、あの日の苦労も報われたと言うものだ。


 リカルドにとっても、「お付き合い」を始めて以来、二人でちょっとした旅行でもしたいと常々考えていたが、リリアンの保護者気取りのイーラーが許さないだろうし、自分としても自制心を失いリリアンの心に傷を残してしまうのを恐れて言い出せずにいた。


 しかし、婆さま二人を伴っているのなら前途の不安は払拭されるし、実際の話として、同行中に婆さま達に何かあった時も、アカの他人の気位の高い修道女よりもリリアンがいてくれた方が気が楽だ。


「イーラーさんやお馬さんをおいてけぼりにしちゃって良いのかしら?」


「それこそ、介護が必要なトシでもなし、子供じゃないんだから平気だよ。けど、心配ならフランチェスカに留守番を頼めば良い。」


 思いつきで口にしてみたものの、これも名案である。


 薬草園にいた方がレンリーの身も安全だし、フランチェスカは一刻も早く魔法の鑑定結果を知りたいだろう。


 考えれば考えるほどウィン=ウィンな話である。


 ワリを食ったのは自分の魔法で家を汚染されたケモミミシスターズくらいだが、そいつらの失敗のおかげでこんな展開になったのだから、あまりツッコまないでおいてやろう。


「わあ! わあ! わあああ〜!」


 リリアンは雪に半分埋もれたまま踊り回った。



 いつもお読みいただきありがとうございます。


 とても励みになっています。


 引き続きお楽しみいただけたら嬉しいです。



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