☆魔女アルバのオラクル日記☆ その7
魔法のひとつには、イマジネーションがあります。
情報空間への介入です。
アルバは夢を見ている。
昔の夢。
現代にも魔女狩りはある。
狩られる側の幼い子供だった私。
人として生まれて、所属を持てない。
どこへも行けない。
誰からも求められない。
わたしはそんなに変なのだろうか。
わたしを見る目が、顔つきが、ひきつるのを見るのはもう耐えられない。
わたし、我、と思っているものがあらかた崩壊した。
わたしはわたしを失った。
そのとき、わたしは生まれた。
アルバとしてこの世へ迸ったの。
魔の理をよく観、よく解し、現象を紡ぐ。
夜明けの白を呼び起こす者。
物事の夜明け、本質の夜明けを興す者。
アルバ、夜明けの魔女。
白を呼び起こす者は黒を知る。
黒の管轄を我が事として扱い、白そして透明へ向けて流れる奔流を見失わない。
無に見えるところから有を錬金する。
『夜明けの魔女。あなたの名は……』
夜明けの光、あけぼのを知らせるキンとした音と共に、アルバはゆるりと目を開けた。
わたしの名はアルバ。
夜明けの魔女。
「生きているだけでよいというのは、そういうこと」
本質を顕しながら生きれば魔法は生まれる。
その存在そのものが魔唄を奏でる花。
何も無理のない自然な波は、辺りを本質へと誘う。
「授かったこの端末を使うわ」
まだ眠る家族を見つめる。
愛しい人たち、おはよう。
「おはよう、わたし」
白い光が満ちてふやけたように大きい太陽が昇る。
両手でつくる三角でその光を体に取り入れた後、アルバはベッドを離れる。
「お茶を、いれよう」
魔女のアルバは魔の理を能く法る者。
空をほうきで飛ばない魔女の魔法は、その存在から放たれる音で出来ている。
おわり
物理空間をデザインする当事者意識が必要です。
そこにあるのはbeとWillであり、根底にはALLがあります。