☆魔女アルバのオラクル日記☆ その6
お前を幸せにして、やろおかあ!(閣下風味)
すべては仮説である
「そうね」
すべては可能性である
「ほんとね」
すべては幻想である
「どう見るか、または見ないかだわね。無視の仕方がみんな違うわ。それをね、個性って呼んでるの」
手放し、解放し、委ねよ
「してるわよ」
宇宙の流れに委ね、エゴを手放し、流れに流されると…
「そうね流されるといいことあるかもしれないわね」
エゴは本来のあなたではない
「ありがとう。本来のわたしはここにはいないの」
エゴは嘘をあなたにささやく
「エゴは生きたいだけよ。これはお願いなのだけど母国語ではない言語でエゴと言うと、少し、すこうし、“ぶれる”のでね、暫定我あたりでどうかしら」
創造主として世界を創るのです。平和な世界を
「創造主としてわたしはあなたを創った。闇とNOと
否定と死の出来事たちをわたしは創った。どんな子も、我が子なの」
お前は闇だ
「あなたもね」
…………………………………。
「宣言!」
「わたしはわたしの側へ還ってきたそれら嫌われものを抱く者なり」
「我が名はアルバ」
「魔の理を能く法る者アルバ」
「我はアルバ」
…………………………………。
「お帰りなさい」
「我が子よ。お帰り。我が裡深くへ抱き我に還元しよう」
そして
そしてお前を次の世界へ持っていくかを検討しよう。
お帰り。我が子よ。
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ひととおりの仕事が終わるとアルバは紅茶を淹れにキッチンへ立った。
紅茶の缶の手触り、水色の塗料、蓋を開けたときの芳香が、彼女を人らしく仕立てた。
「うん。できた。素敵」
紅茶の湯気を見つめる。カップに夕焼け。
薔薇色の光が差す。
薔薇色の光の入ったカップを手に取る。
重さをじっくりと感じてみる。
-創造主は増えたけど、現象の好き嫌いも増えたわ。自分で創ったものを厭うのはなぜなのか、その発想がないのはなぜなのか自身にもわからないのだわ-
「そしてそれをうんだのは?ふふ。わたしだわ」
-誰からも嫌われたエネルギーは還る場所がない。
だから場ができていく。
場所には束ねる王が要る。理が要るの。
魔には魔の-
「何度でも産み直すわ」
だから……
「帰っておいで。誰からも嫌われるいとしい子。」
もうこんな時間、そう言って彼女は慌ただしく残りの紅茶を飲み干した。
薔薇色の陽光は翳り空は藍色。
宵の明星が昇る。
マノコトワリヲヨクノルモノ
魔女のアルバ
紅茶は日東派です。