☆魔女アルバのオラクル日記☆ その10
一次元のX軸のマイナスとプラスの果てしない線分へ、Y軸をもたらしてゼロをつくる?
國の前に地理があってそのかたちからコードを受け取り与える者。
そのかたちとなりそこに在ることの意味を理解する者、意訳できる者。
そのかたちから受け取ったコードをデコードするだけではだめ。デコードして使えるかたちにデザインして配り歩く者。
それが王だった。
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王が絶えていった流れ、熱量によってできた円周または時と呼べる円環のひとつ、を多次元の眼で見ていたアルバはひと休みをすることにした。
土地は自身を貸し与えた。
王は土地の想いを体現した。
民は土地の想いを恩恵として受け取り周囲へ与えた。
いつの頃からか…王はその体現を止めた。
民はあらゆる意味で枯渇した。
「応、だったのかもしれない。」
アルバはあたたかい飲み物の入ったカップを両手で包んだ。真冬に薔薇の香りだなんて、と微笑みながら、意識は時の円環を俯瞰している。
地理的な形から情報を読み解ける者はわずかに残っているけれど、その情報を世界へ与えることが出来る者は絶えてしまったのだとアルバは思っている。
その情報は土地の霊、ヒ、たましい、というものを読むことで得られるが、情報の質と量と姿は読み解く者の器に等しく比例するため、一人の情報では偏る。
“ヒ”の多層構造を解析するための“n”は、多くていい。
大勢で情報を持ち寄り、画素をあつめていくように全貌を見えるように浮かび上がらせた。
その情報を預かるものがいた。それが王だった。
民と王と土地は協力関係にあった。
そんな、時の円環へ潜りながら俯瞰することを日の出前からお昼時までアルバは続けており、円環を見ていて思うことが独り言になった。
応、だったのかもしれない。王は応だったのかもしれない、と。
薔薇の香りは原種にアクセスすることを許してくれる。
薔薇の原種の花弁が視界を埋めた。
平原に拡がる原種の薔薇から読める宇宙の願いは、治癒。
薔薇は治癒の生き物。
平原に拡がる白い花弁は治癒を託された愛のかたちのひとつだった。
「大丈夫よ」
なにが大丈夫なのだかわからない。だけどアルバはあえて発語し、音にした。
「わたしたちは嫌という程ひとつだわ」
そうつぶやいてカップを置いた。
もう少し、時の円環へ潜ろう。アルバは再び俯瞰と没入をした。
おわり
ゼロをつくりX軸の正反対両極をY軸で表現したら、どうなるかな。




