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パーティーから出て行く事になった俺は、日本人転生者のヒロインと一緒にハンバーガー屋を開業した  作者: hubukin
第1章 開業資金調達編ーー魔術師と日本人少女ーー
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第5話 店長「本当にごめん!!」

 店長の容態が無事だと判った俺たちは店長が吐き散らかしたゲロの後処理を終えると、休憩に客席に座ると。


「いやホントすまねえ!助けてくれたのにあんな目に合わせちゃって」


 店長は倒れた自分を介抱してくれたカオルにゲロをぶちまけてしまった事に、手を合わせながら深く詫びを入れいた。


「いえ、いいです店長さんが無事で良かったなら」


 身体を洗い、ゲロまみれになった服を着替え直したカオルは店長を許した。店長が倒れたのは持病とは関係なく、ただ昨日飲み過ぎて二日酔いになって腹が下っただけらしい。


 一安心した俺は店長に1つだけ訊いてみた。


「でもよ店長、体がこんなんじゃ今日は店開けねえじゃねえのか?」


「いや問題はないさ、もう店は畳む予定だったからよ」


「そうか店を畳むのか、それなら良かったハア!?」


 俺は驚いた!店長が店を畳むとか言い出してきたぞ!


「畳むって、たった1回のゲロぐらいでそんな大げさな」


「ゲロが問題じゃねえよ!体がきちまってさあ、まともに動かし辛くなったんだよ」


「持病が強くなったのか?」


「まあな、いずれ店は畳むんだ、それが早く来ただけだよ」


「・・・・・・そっか」


 本人がそう言ってるのならそう頷くしかない、俺が魔術師になる前、学院に入る前から店長とこの店には随分と世話になった。金に困った時その日は皿洗いをして貰ったら料金を無料にしてくれたり、日雇いで手伝った時はお金を多めに貰ってくれた。とにかく面倒見が良くて情に溢れてた人だ。


 それが無くなってしまうなんて聞くとなんか物心が寂しくなっちゃうな。


 そう思い出に浸っていると店長はカオルに目を向け。


「それでよキリヤ、その嬢ちゃんは誰だい?新しいメンバーか?他のみんなはどうしてる?」


「こいつは秋山カオルてさっき転生した日本人だ、あとメンバーじゃないし俺は抜けたよ」


「抜けた!パーティーを!?それ冗談で言ってるだろ!?」


 店長はカオルの事よりも俺がパーティーから抜けた事に食い付いた。カオルにはまだ話していないので彼女は状況を理解できずに困惑していた。


「冗談じゃねえよ、税金とかそういう問題で1人抜けなくちゃなんないんだよ、だから俺が抜けたんだ」


「抜けるって、お前抜けなきゃいけねえ事でもしたのか!?」


「してないよ、どっちかっていうと抜けても職には困らないから抜けたんだ」


 そう説明すると店長は「なるほどな」と首を頷いて納得した。店長はあの4人も良く知り合ってるからな、あいつらが出て行ったらまともな仕事にありつけにくく、すぐ金に困る解かっている。


 店長と話した俺はカオルの方に向いて謝る。


「すまねえなカオル、飯喰わせてやるって連れて来たのにこんな目に合わせて店が閉まってるなんて」


「別に構いませんよ、まだ昼前ですからお腹はそんなにーーー」グウゥゥゥゥゥッ


 カオルの腹から虫の音が大きくなると彼女は顔を赤くして下に向いた。


 それを聞いた店長は腰を上げて厨房に向かおうとしていた。


「腹が減ってんなら今からでも作ってやるよ」


「おい店長今日は店開かねえって?それに体が」


「2人前分作るんだったらどうってことはねえよ、それにお前らは客だしな、カオル何が食べてえんだ?言ってみな」


 店長から言われ壁に貼ってある品名が入った札を眺めながら。


「えーーっとそれじゃあ焼きそばとハンバーグ定食でお願いします」


 カオルが焼きそばを注文すると店長は笑顔で。


「はいよ焼きそばね、ちょっと時間が掛かるから座って待っててくれ、お題はいらねえから」


こんな時でも店長はカオルの為に料理を作ってくれるらしい。ホント店長には最後の最後まで世話してくれるばかりだ。


「キリヤ何座ってるんだ、お前も厨房に行って飯つくれ!」


そう俺も店長と同じ厨房に行ってーーーーーーハッ!?


「俺も働くの!?冗談でしょ!?」


「冗談なんか言うか?それに野菜を持ってきたってことは値引いて欲しいんだろ?」


「は・・・・・はいそうです」


やっぱ付き合いはそれなりにあるから見抜かれちまうのか、まあ当然だよな。


「それにお前が手伝ったらその娘の飯代はタダにしてやるから」


「そうか、じゃあそれだったら」


それを聞いた俺は何の文句を言わず店長といっしょに厨房の方へ向かった。

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