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第1話:転移しました。

ちゃんと設定練ろうと思ったらトラックの運ちゃんを主人公にしてました。

俺はトラックの運転手をしている、

鳥羽雅人(トバマサト)(24)独身だ。

俺は親父の経営する鳥羽運送の跡取りなのだが、

折角なら、と親父が変な気を利かせて2年前から

全国を回っている。

その仕事内容はとてもハードだが、

俺は気に入っている。

なぜならこの愛車、カラヴァッジョと共にいる事ができるからだ。

ただ、俺も人間なので、少しは疲れを感じる。

いや、実際かなり疲れている。

だが俺はいつものエナドリ(眠眠〇破)を飲み干し、

いつも通り仕事をこなす。ハズだった。

そう。それは突然の事。俺の運転するカラヴァッジョ(トラック)に猛スピードで車が突っ込んできた。


「キキーッ、ドカン!!」

ブレーキを踏んだがもう遅かった。

「ああ…俺、死ぬのかな…儚い人生だったな…せめて彼女は…欲しかったな…」

そう悔やむと俺は意識が飛んだ。

そして病院に運ばれたらしいが、気が付くと

目の前に女の人が居た。

「私は女神シズ。いきなりですが貴方は亡くなりました。」

本当にいきなりだなと思いつつも、俺は聞く「やっぱりあの車が原因ですか?アレはビックリしましたもん!」

しかし女神シズは

「いえ、貴方は疲労蓄積による幻覚で車が突っ込んできたと錯覚した事によりガードレールに突っ込みました!」

「へ?」

俺は思わず変な声が出た。

どうやら俺はかなり気が滅入って居たらしい。

確かに、エナドリ5本飲んでもキツイときあったし、

一回寝ると丸2日寝ていた事もあった。

だがしかし!

こんな死に方は恥ずかし過ぎやしないか!?

俺はもう一度チャンスがあれば!

そう思った。なので思い切って女神に聞いてみた。

「あの!生き返ったりは出来ないんですか?」

しかしこの世はそんなに甘くない。

「残念ですが、雅人さんはもう既に御家族の方が燃やしてしまったのであの世界には(・・)生き返ることは出来ません。」

ああ、何と無情な世の中だ!

いつもは何かとすることが遅い俺の家族がこんな時だけさっさと済ませるなんて!

しかし俺は気づいた。

「あの〜には(・・)ってどういう事ですか?」

そう聞くと、女神が笑いながら告げる。

「別の世界、つまり異世界に転移、という形でなら生き返ることができますよ!」

おお!やはり異世界はあるのか!

そう心が躍る俺だが、女神は真顔でこう続ける。

「ただし…」

「ただし?」

思わず聞き返してしまった。

だってこんな言い方されたら気になるじゃん!

「貴方には異世界から来た勇者として魔王を倒すことが転移の条件となります!」

「…へ?俺が、勇者!?」

おいおいおいおいおいおいマジかよマジかよ!!

よくある話になっちゃったよ!

まあでも俺は答えなんて決まってる!

あの世界よりも、もっと充実させるんだ!

「分かりました…それでもいいので、転移させて下さい!」

俺がそう言うと、女神は微笑みながら

「そう来ると思ってました!やっぱり勇者なので、一つだけ特殊な能力を授けます。ギルドに行くと、能力が分かります。この能力で、世界を救ってくださいね!」

と言ったが、特殊な能力って何だろうか?

ものすごい魔法が撃てる…?

はたまた俺にしか扱えない剣とか…?

それとも魔物たちを従えられたり…?

いや、最後のはただの魔王じゃねえか…

とりあえず、俺はなにか特殊な能力を手に入れたらしい。気になるよね〜。やっぱり。

女神は魔法陣らしきものを展開すると、

「それでは、ご武運を!!」

そう言った。でもその後に横を向いてなにかを言った気がする。

気の所為だろうか。いや、でもなんか聞こえた。

でも気にしている場合ではない。

「待ってろよ異世界…!俺が救ってやるぞー!!」

そう言って覚悟を決めると俺はワープの時間を過ごした。

目を開けると俺は見たことが無い街にいた。

前の世界ではトラック運転手だった俺が、

この世界では勇者なんだ!

そう思うだけでワクワクしてきた。

俺はギルドを探しながら街を散策した。

「案外平和なところなんだな〜。なんかいきなりピンチ!とかだったらどうしようかと…」

そう独り言を言いながら街を歩いていく。

魔法使いらしき帽子をかぶった人や、

背の高いゴリマッチョの剣士など様々な

人が行き来をしている。

そこでこの街について聞いてみた。

『トリルの街』と言うらしい。

どうやらこの街を作り上げた金持ちがトリルさんだった、とか。


俺がギルドに入ると、大勢の冒険者が酒場とレストランが合体したような場所でわいわい騒いでいた。

「うわぁ!こんな感じか〜でも、こんなのもいいな」

俺はこんな事をした事が無い。その為、少し抵抗がある。ただ、憧れもあったのだ。


そのどんちゃん騒ぎの中の1人が話しかけてくる。

「よおあんちゃん、見ねえ顔だな!

もしかしてギルドに入りたいのか?」

俺がそうだ。と答えると、

親切にもあの窓口での登録が必要だ、とか、

登録には金がいる、とか、教えてくれた。

その上、金がねえと困るよな。と言って俺に

金貨5枚も貸してくれた。

ありがとう。茶髪アフロ。この借りは

いつか返すわ!

俺は心の中でそう決めた。

そして登録に行くと、

「いらっしゃいませ。ギルドへのご登録ですか?」

そう聞いてきたので、俺がはい。と言うと、

「では、この水晶に手をかざして下さい」と言って不思議な青い水晶を持ってきた。

この水晶で能力値を測るらしい。

まあ、俺は特殊能力持ちだから何かに現れている

かもしれない!

そう思って触れると、良いのか悪いのか分からない微妙な数値が出てきた。

「トバマサトさんですね、能力値は普通です。あ、でも体力が普通より高いですね。」

そう言われ、俺は思った。

(普通じゃねぇか!)

そして女神の言葉を思い出し、俺はハッとした。

「最後に言ってたあれってまさか!?」

俺が不安に駆られていると、窓口さんが

「あれ?あなた、最初からの職業持ちですね。」

俺はせめての期待で「なんの職業ですか?」と聞いた。すると、窓口さんが微笑みながら

「『配送業』それが貴方の職業です!」

俺は愕然として膝から崩れ落ちた。

「なんで俺は配送業で異世界でも生きないといけねぇんだよ…」

俺はそう言うと虚ろな表情で窓口の女の人に

あ、ありがとうございます…と言って

登録証を貰った。

「またどうぞ!」

そう言われたが、俺は振り返りもせず宿を探しにギルドを出ていった。

「俺の思ってた異世界と違う…!」

女神が言った最後の一言。それは、「日本での職業がそのまま異世界での職業になります!」でした。

ちなみに、女神シズは天界の中でもドジで評判で、

前にきた男の人が生まれ変わりたいと言ったのに

天国に連れて行くということをしてしまったので

それ以来天界では【鬼畜の女神】と呼ばれています。

また、天国はどうやら思った以上に暇らしく、

あまり選ぶ人も居ないため閑散としています。

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