司令・・・3っ!
「っ!?・・・まじかよっ?即死っ?」
「あぁ・・・即死だ」
セイラは口をもぐもぐさせながら言った。
「こんなチョーカが電流流すのかよ?・・・んでその良い子とメーターつーだっせぇネーミングセンスのやつは?・・・・グフッ!」
セイラが肘で涼の腹を殴った。
「今までの話からするとここでやめるって言うと・・・いま辞めたらこれでも、即死なんだろ?」
「あぁ、そうなるな・・・。」
セイラは口をあけている。ゼリーとくれのサインだろう。涼はゼリーとセイラの口へ運ぶ。
「で、どうだ?契約するか?」
「・・・どうせ契約しなかったら死ぬんだったら・・・。その司令受けて立つっ!」
「いい度胸ではないか。では、早速契約するぞ!」
セイラは息を深く吸った。
「我、すべてを決める使徒の子なり。今ここに我と契約を結ぶ者がいる。」床に魔法陣があらわれた。
「うわっ!?」
涼は驚いている。
「ここに今、時を刻まん・・・完全契約っ!」光が放たれチョーカが輝く。
「これで・・・契約完了だ。よろしくな。神鳳 涼。」
セイラは手をさしだす。涼は戸惑いながら手を出した。
「あ・・・あぁ、よろしく。セイラ」
2人は握手をした。
「まず早速。私を呼ぶ時はセイラ様と呼べっ!」
セイラは高らかに笑った。その時インターホンが鳴った。
「もーしもぉーし!涼っ!おるんやろーっ!俺や!俺!」
涼はインターホンへと向かい受話器を取る。
「オレオレ詐欺なら間に合ってますけど」
涼はそう言って受話器を勢いよく切った。
「どうしたのだ?」
セイラが尋ねる。涼の顔はすさまじいほど怒っている顔だった。
「お、おい。涼?」
「冷たいなぁー」
その声の主がセイラの横に立っていて、セイラの肩に手を乗っけている。
「無礼者っ!!」
セイラはけりを食らわせようしたがその男はすんなりとよける。
「あぁ!・・・わりぃ。よぉ、涼っ!久しぶりやな!」
「あんた、誰?」
「そんな冷たい目で見んなやぁ!」
涼の眼はどんどん本気になっていく。「てめぇ勝手に入ってんじゃねぇよ・・・消すぞ?」
涼の表情が本気になった。
「俺とお前の中やんかぁー怖いこと言わんといてー!涼ちゃんっ!」
その男はオレンジの髪にブラウンの瞳の関西人だった。
「消す・・・。」
涼が殴ろうとした瞬間その男が涼のこぶしをつかんだ。
「相談したいことあんねや」
「・・・なぁ絢。それって、後ろにいる女のことか?」
知らぬうちに絢の後ろには金髪美女がいた。
「エルザッ!おまえそんな馬鹿そうなやつと契約したのかっ!?」
セイラと知り合いのようだ。
「セイラ!・・・久しぶりね。そこの子があなたのパートナー?・・・ふぅん。」
エルザは涼の顔をまじまじ覗き込んだ。涼はにらみ返す。
「いい眼ね。生かすことも殺すこともできるわ。」
「あぁ?」
「まぁ・・・がんばれば?」
「そりゃどーも。」
涼は機嫌が悪そうだ。その元凶はさっきから涼に乗っかっている絢のせいだろう。「だぁっ!離れろっ!暑苦しいっ!」
涼は絢を振り払う。
「なぁ、涼このふざけたやつは誰だ?」
セイラは絢を虫を見るような眼で見ている。
「そんな目で見んといてぇー!」
「これは、最塔 絢。俺と並ぶぐらいの強さだ。・・・んで俺の2つ上だ。」
「ほぉう・・・。でこいつが善神者なのか?」
「善神者?何だそれ?」
涼は難しい顔をしている。
「セイラ何も話してないの?」
エルザが言った。
「私は今契約したばかりなんだ。・・・善神者と言うのは、天使と契約し良い子になろうとする者のことだ。」
「ふぅん。そんなんやぁー」
エルザは絢を殴る。
「いってぇっ!・・・あぁっ!相談があんねやっ!」
「ふぅん。あっそ。」
涼は冷たくあしらう。
「・・・。まぁ、いいや。んでな、いまから呼び出されてんやけど・・・。一緒に来ないか?」
「お前一人じゃ無理なのか?」
「そんなことあるわけないやろっ!だた・・・。」
「ただ?」
「お前と組んでやりたいんだもんっ!」
「とっとっ帰れっ!」
「そんなん冷たいこと言わんといてぇっ!」
「さっさと行けっての!」
涼は絢を追い出した。
「はぁ・・・反抗期かねぇ・・・。行くぞエルザ」
「はいはい」
絢とエルザは去って行った。
「良いのか?行かせて?親友・・・?なんだろぅ?」
セイラが言った。
「あんな奴が親友なわけなっ・・・!」
涼は途中まで言いかけたがセイラの手で口を軽く押さえられた。
「嘘だな・・・。心の奥では、心配している。・・・だろう?」
セイラの眼は心の奥まで見通している目だった。涼は、反論することができなかった。そして手を振り払った。いっぽう絢達は50人くらいの人に囲まれていた。
「おうっ!最塔ぅ・・・今日はあの相棒いねぇのかぁ?」
一人の男がしゃべる。
「あぁ・・・。振られっちまっんやぁ・・・。まぁ、おれ一人でも余裕なんやけど。」
絢は微笑みながら言った。
「絢?私は助けないよ?」
エルザが言ったが、姿と声は誰にも見えないようだ。
「あぁ、ええんや。・・・ほら、こいやぁっ!」
「舐めやがってっ!かかれぇっ!!」
「うおぉぉぉぉっ!!」
すると全員絢に飛びかかって行った。
「it's show time・・・!」
絢は軽々と倒していく。
「あんさんが最後やなぁ・・・」
絢は微笑みながらその男に近づいていく
「ヒッ!やめろ!来るんじゃねぇ!」
「とどめさすのって好きやないし・・・。んじゃ、バァーイバァーィ」
絢はその場を去った。
「なぁ、エルザ?・・・俺、一生懸命やるぜ。良い子にな・・・。お前と俺の命をかけて・・・」「・・・よろしく頼んだぞ。」
そんな2人とセイラと涼を手張っている者がいた。そいつが軽く微笑み。
「ばぃばぃ・・・。善者ども・・・。ふっ、ふはははははっ!!」