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僕と俺と再会 最終話

明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願いします!

ーー真っ暗な世界。寒い。怖い。『俺』いや隆也さんはこんな所に一人でいたのか……凄いな。僕には絶対に耐えれない。

速く出たい。逃げ出したい。助けて。

そんな思いだけがぐるぐると頭をかけるなか、一筋の光が闇を切り開いた。

一体なにが?

僕の疑問を他所に、光は僕を引っ張ってくれる。


「こっちだ。おいで」


死んだはずの父の声が光の中から聞こえてくる。


「大丈夫よ。貴方には私達がいるもの」


今度は優しい母親の声がする。

行きたい! 僕は声がする方へと必死に手を伸ばした。


「全く、無茶をするなお前は」


え? 何故か隆也さんの声も聞こえた。そして一筋の光から三つの腕が僕の腕をしっかりと掴んだーー




「……あ」

「起きましたか功太君!」

「早く助けてくれー」


目を覚ますと視界に映ったのは、今にも泣き出しそうな虎姫様と今にも口から魂が出そうな子猫?あ、いや子虎になった隆也さん。

僕は安心と嬉しさで思わず二人に抱き着いた。


「良かった! 本当に良かった!」

「はい! はい!」

「感動の出会いは良いけど早く離してくれー。小さい体には狭すぎるー。おーい、聞いてるかー?」


ボロボロと流れる涙を止められる訳もなく僕はもう一度大きく涙した。





「「ごめんなさい」」

「いや、こっちは生き返らせてくれてありがとうなんだが?」


泣き止んだ僕は虎姫様から離れて、今にも青ざめた死にそうになっている隆也さんに虎姫様と一緒に謝った。本当にごめんなさい。また向こう側に連れていくところでした。


「それでこれからどうするんだ?」


隆也さんはそう言って首を傾げる……なんだが、失礼だけど可愛いな。


「おい、そこ。可愛いとか思うんじゃない」

「え、あ、ごめんなさい」

「一応、こんな身なりでもお前よりは年上で男なんだから、お前までそう思われたら泣くぞ」

「……お前まで?」

「横、見てみな」


そう言われて隣にいる虎姫様を見てみる……なんか獲物を狩る雰囲気を出していて今にも隆也さんに飛びかかりそう。


「そこの虎姫(あぶないやつ)みたいになったら俺がもたん」

「わ、分かりました。それと虎姫様、どうどう落ち着いて」

「……馬のあやし方だぞ、それ」


そんなこんなで話が脱線してしまったが、取り敢えず隆也さんにはこれからどうするかを僕なりの考えで話してみた。

すると、隆也さんは大きなため息を着いて僕を見る。


「まぁ、この島で強くなるっていうのは構わないと思うが……肝心の竜姫さんの安否確認はどうするんだ?」


安否確認? それなら前に話した筈だけど? 本土の母さんの親戚に保護して貰ってるって。


「はぁ~……それ、実際に見に行かなくても大丈夫なのか? 実は親戚も竜姫さんの力が欲しくてって可能性も」

「それはないよ。あの人ならなおさらにね」

「へぇ、そんなに信頼出来るのかその人は?」

「うん。元々、あの人は弱い人をもっと助けたいっていう理由で島から出ていった人だから」

「なんかヒーローみたいな考えだな、その人」

「まぁ、島ではよくヒーロー呼ばわりされてたからあながち間違いじゃないかも」


隆也さんはそれならと納得してうんうんと一人いや一匹で頷く。まぁ、あの人のことだから数日中に(こっち)に心配で戻ったくるかもしれない。


「さて、話はすみましたし……功太さん?」


僕と隆也さんの話を待ってくれていた虎姫様が両手を合わして僕を見る……あ、忘れてた。


「検査の時間です。ほら服を脱いで背中を向けて下さい」

「き、今日は疲れたから明日に」

「ダメです!」


強い否定の言葉に言い返せずに大人しく上半身だけ服を脱いで背中を虎姫様に向ける。


「な、何が始まるんだ?」

「検査です。えい」

「っ!! お、おい背中に手が!」


うぅ、変な感じがして気持ち悪い。

今の状況を言葉で表すなら虎姫様の手が僕の背中を貫いてる。だけど、本当に貫いてる訳ではなくて僕の“脈動”を通じてどうなってるかを調べているだけ。

だけど、なんかその感覚が蛇に巻き付かれてるようで本当に気持ち悪い。


「ふむふむ……へぇ、これは興味深いですね」


思ったより早く検査が終わったのか、前ならもっと時間がかかっていたのがすぐに終わった。それで、検査結果はどうなんだろ?


「異常は全くありませんね。ただ“脈動”の道が別れています」

「えっ! それって十分に異常なんじゃ!?」

「大丈夫ですよ。別れているといってもそんなに大きなものではありませんし、それに繋がっている先が」


虎姫様はそう言って隆也さんを指差す。


「彼ですから」

「……? 俺?」

「はい、少しですが貴方にも“脈動”が使えるようになっていますね」

「お、おぉ……なんか一気にファンタジーな展開になってきたな」

「魂が同一なので“脈動”が別れても異常はありません。ただ、今までより使いづらいかもしれませんが……」

「よ、良かった~」


そう聞いて安堵する僕と驚いている隆也さん。ん?でもそれなら。


「それなら、隆也さんも修行できるね!」

「……うぇ?」

「そうですね。それなら負担も減りますし」

「……功太。俺言って無かったかもしれないんだが、勉強とか修行とかってどっちかというと苦手な部類で……」

「……苦手は克服しなきゃね♪」

「い、いやあぁぁぁあ。生き返ったのにいきなり生死の危機いいぃ!!」


僕と虎姫様の黒い笑みを見た隆也さんは小さな体でそう絶叫した。

ふふふ。これから楽しい毎日になりそうだ。父さん、母さん。僕達頑張るよ。

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