merry Christmas!!
今の本編ではちょっと入れにくかったので
こちらに新しく書かせてもらいました
皆さま、今年1年ありがとうございました
よりよいクリスマスをお過ごしください
それは年の暮れもう少しでワクドキのクリスマスという時にやってきた
「頼む!この通りだ!」
頭を下げるちびっ子アインもとい第2王子イアン王子
そもそも何故アインが頭を下げているかというと
12月の最初の頃に遡る
ここウィンダム王国ではクリスマスがあり
そこに不思議な習わしがある
クリスマスツリーに自分の願い事を入れた飾りを飾るのだ
七夕と混じっているような気もするが誰も気にせずに願い事を書いているので
そういうものかと思っている
ちなみに私の願い事は
『猿でもわかる究極魔法の極意』がという猿でもわかるシリーズの最新作が
欲しいと書こうとしたらセバスチャンとアンに止められ
仕方ないから
「お腹いっぱいケーキを食べたい!」になっている
この世界に生まれて改めて思ったがケーキは別腹である
特に我が料理長チャーリーの作るケーキは絶品だ
さて、何故アインが頭を下げているかというと
アイツは第2王子イアンとして孤児院に訪問している
その時見てしまったそうだ
ゴブゴブ団の幼い組タオとルノーが
「ゆき を みてみたい」
「ゆきだるま をつくりたい」
と、願い事を書いているところを
タオとルノーを溺愛している節のあるアインは願い事を叶えるべく
魔力有り余る天才である私に頼みに来たとそういう訳だ
「だがなぁ……」
天の御使の知識のおかげで雪を振らせることは造作もない
ただ、積もらすとなるとこの王都を寒くしないといけないわけで
急激に寒くするといろいろ問題が起こるし
体調崩す人とか出てきたらゼリオン婆に怒られるしなぁ
「俺がこんなに頼んでも無理なのか?」
ズルい
第2王子イアンバージョンなら帰れ!と言いやすいが
アインの姿は私よりちびっ子だ
そんな子に帰れ!とは言いづらい
「無理言うなよアイン
○△□にも不可能なことはあるんだ」
「何!?アル裏切るのか!?」
「だって、○△□が無理って言うんだからしょうがないだろう?
な、○△□、無理なんだよな?」
ぐぬぬぬぬ
「この○△□・フォンタナーに不可能なことなどあるものか!
いいだろう!タオとルノーに雪を見せてやろう!私に不可能の文字はないからな!
フハハハハ!」
「……流石○△□チョロいな」
「アル……
俺もこうすればよかったのだな」
……なんだかうまく乗せられた気もするがまあいい!
White Christmasに願った願い事は叶うと言われているしな
ノーラとリンデも
「今年こそ彼氏を!」と意気込んでいたし
とりあえずどうしようかな?
ゴブゴブ団のいる孤児院にイブの夜遅くに雪を局地的に降らせに行くか
ついでに王宮と我が屋敷も
王宮は単んなる嫌がらせだが
我が家はリンデやノーラ、雪が好きな母の為に!
うーん、でもなぁ?
そうだ!
雪が降ってもあまり寒ならないようにすればいい訳だ!
ええっと
『確か猿でも分かる大技魔法』にそんな魔法が載っていたっはず
自然界の摂理から反する?
んなことは気にしちゃダメだ!
え?父?父はクリスマスは騎士団詰所でお仕事です
イブは母とデートだそうだ
母が嬉しそうに教えてくれた
そういう訳で24日
そうっと魔法をかけた
するとチラチラ雪が降り始めた
「おい!寒くならないって言ったよな!
凄く寒いんだが!グエッション!」
「そりゃ、アインがそんな薄着してるからだろう?」
「だって、クリスマスといえばこれが正装だろう」
サンタクロースの赤い衣装に身を包んだアイン
ちっこいから可愛く見えるのが憎らしい
私といえば母の手編みのマフラーに手袋、帽子ついでにテイルとハチスケという完全防備だ
母の愛に敵うものなどありはしないのだ!
「マリアンヌが俺たちにも作ってくれたんだ
ほら、アインの分」
色違いのマフラーと手袋、マフラーをつけたアルがアインに手渡す
母から見れば3人ともうちの子だしな!流石、母!
「雪、積もるかな……」
不安気なアインの背中を叩きつつ安心させるように笑う
「積もるさ
誰が魔法を使ったと思っているんだ」
「はいはい、○△□様のおかげだよ
積もったら雪合戦しような」
明日起きたらゴブゴブ団のところに遊びに行くのもいいかもしれない
雪合戦は人数が多い方が楽しいからな!
シリウスとレイチェルに雪だるまを作ってやるんだ!
「お嬢様、アル様、アイン様
そろそろ中に入られたらどうでしょうか?」
アンが暖かな部屋に入るように促すが
もう少し雪の降る光景を見ていたいんだ
「やったー!White Christmasよ!今日の合コンこそ大当たりよー!!」
「ノーラ、声が大きいわよ
ジュリアス様に聞かれたら怒られるわ」
……ふふふ、ノーラとリンデも喜んでくれているようだな
「お嬢様、アル様、アイン様
温かいものを淹れてまいりました」
ナイス!流石セバスチャン!
ふぅ ふぅ と息を吹きかけながら口をつける
「ココアだ!しかもマシュマロ入り!」
「お嬢様がお好きだとウィルが申しておりましたので」
ウィルのやつは寒いから獣姿で私の部屋にあるこたつで丸くなっている
あいつも雪が積もったらきっと駆け回るんだろうな
ああ、明日が楽しみだ!
merry Christmas!!
読んでくださってありがとうございました