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転生したので魔剣を持って世界攻略  作者: 神無月 雪華
1章
3/11

二人目

「なぁ、シーラ。ちょっといいか?」


「なんですか?」


契約とやらが終わると変化が二つ生じた。

一つはシーラが浮くようになったことだ。

理由は悪魔ですのでの一言で片付けられた。

まぁ、こっちはいい。

いや良くないけど。

さっきからやけに高く浮かんでるからゴスロリ服のスカートから太ももが見えたり隠れたりして非常に危ない。

俺の理性が。

え?お前ロリコンだろ?

違います。そもそもシーラは合法です。

そもそも、俺は美少女に耐性ないし。

前の世界では色々事情があって女性と関わる事すら殆どなかったからね。

まぁ、こっちはたいして重要じゃない。

問題なのはもう一つの変化。


「なんでイデア・ファートゥムがナイフみたいな形状になってんだ?」


そう、あの青く、美しい剣が今では黒色の刀身が鈍く光沢を放つナイフになってしまったのだ。

これは由々しき事態だよ。

魔剣の威厳ないもん。




「理由、と言いますと〜。」


何故か言いずらそうにしているシーラ。


「何だ!?理由は何なんだ!?」


つい詰め寄ってしまうとシーラは申しわけ無さそうに顔を背けて


「マスターの魔力量が、ゼロだからかと・・・。」


ゼロ?

ゼロって無?

魔力が無いんですか?


「マジ?」


てかその申しわけ無さそうな視線やめて。

心にくるんだけど。


「本当に、と言いたいですがマスターは魔素は普通の人間より遥かに多いんです。」


・・・???

どゆこと?

魔力量が無いのに魔素はあるの?

え?

相当困惑してた顔をしていたのだろうか、シーラはクスリと笑うがコホン咳払いをして


「マスターにも分かりやすく説明致します、そこの灯りを元にしましょうか。」


シーラが指さす先には (あっちの世界で) 昔に使われていた皿に油を入れて紙撚り(こより)で油を吸い使う灯りが置いてあった。


「まず、魔素は魔力の原料、魔力は灯り、魔素は油をイメージしてください。そして、魔素を魔力に変換するためには回路と変換器官が必要です。これでは回路を紙撚り(こより)、魔素を魔力に変換する器官、これを変換器官と言うのですがそれを火種と考えてくだされば結構です。ここまではわかりますか?」


「まぁ、なんとなく。油を灯りに変えるには火が必要だからその火の役割を果たすものが変換器官ってことでいいんだよな?」


結構です、と頷くと説明を続けるシーラ。

なんか絵になるよね、美少女が笑いかけながら説明してるシーンて。

・・・話はちゃんと聞いてるから大丈夫だよ?


「マスターは魔素、油は有り余っていますが回路が閉じているので変換器官に魔素を回せないんです。要は紙が無い状態でしかも鉄の板が乗っているのをイメージしてください。だから灯りが点かないし、点けれない。つまり魔力が生成出来ないので魔力量がゼロなわけです。」


「回路を開く方法は無いのか?」


「ありますが、かたっぽは非常に危険を伴います。マスターの回路は完全に閉じているのでそれに無理矢理外部から魔力の塊を流し膨大な魔力で回路をこじ開けるのです。」


「魔素を流すのが回路だろ?魔力を流して問題ないのか?」


首を横に振ると少し悲しそうな目をする。


「だから危険を伴うのですよ。魔素と魔力は同じようで僅かに性質が異なるので回路は異物と感知し激痛を伴うのです。運が悪ければショック死する危険性すらあります・・・。出来ることならマスターにはおこなって欲しくありません。それと、もうかたっぽは時間はかかります。僅かな魔力を少しずつ流し基礎の穴を作りその穴を魔素で広げていけばいいんです。こっちの方が遥かに危険はありませんこでこちらを希望します。」



「優しいんだな、シーラは。悪魔って言ってたからもっとあれかと思ってたけど。失礼ながら。」


「悪魔ですよ。ただ、自分勝手なだけです。私はマスターを気に入ったから傍にいたいし、傍にいて欲しいだけです。」


「今のところ悪魔要素浮いてるだけじゃね?ほかの種族とやらも浮くのかも知れないけどさ。悪魔の印とかあるのか?」


角が生えてるとか羽が生えてるとか尻尾があるとか、そう言う身体的特徴をだな。


「あるにはありますが。」


「何処に?」


「心臓の上、つまり胸の間です。見ますか?」


見たいけどいろいろまずい。


「いや、遠慮しておく。」


「そうですか・・・。」


何故か少しションボリしてるシーラ。

シーラは見た目14くらいだから俺の自尊心がアラーム鳴らしまくるのよ。

でもいつか捨てたいよね、童貞(チェリーボーイ)の称号は。

と、とりあえず重い雰囲気は消せたからいいとしよう、そうしよう。



「何時になったら俺達はエイウィレナから出るんだ?」


実はまだエイウィレナの中だったりする。

エイウィレナは迷宮の最上階らしくここから出るには迷宮を降りる必要があるらしい。


「本当は契約が済しだい出る予定だったのですが。このままだと魔物とか徘徊してる迷宮内部はマスターには危険なのでそのナイフを扱えるようになるのと、先程の少量の魔力の件をある程度行った後、少なくても十日はあとかと。」


魔力って難しいのね。


「時に、シーラ。今更ながらお前口調が頭ん中に話しかけてきた時と違くないか?」


「何のことですか?」


「え?いや、だって話しかけてきたじゃん?魔剣抜く時にやけにウザイテンションで。」


「・・・?私がマスターに会ったのはマスターが剣を抜いた後に倒れていた時ですよ?」


え?

どうゆうことなの。

ホラー?


「じ、じゃああれはいった、ゴフ!!!!」


突如右頬の辺りに強烈な痛みが走った。

かと思うと左頬に。

また右、左・・・往復ビンタですね。

て、痛い。

マジで痛い。

シーラも目を白黒させてるし!



「フッ、フフフ。フフフ、フフフフ。フーハッハッハっ!」


往復ビンタが止まるやいなや、デフォルトされたシーラ見たいならのが現れる。

15センチぐらいの青いゴスロリ服着たちっこいのが。


「エルビスちゃん!見参!!」


・・・なんだこいつ。


「エ、エルビス?」


シーラがなんか言ってるから知り合いか?

見た目一緒だし。


「あれれ~?どうしたんですかぁ~?エルビスちゃんのあまりの美しさに自我崩壊でもしました~?」


うぜぇ。

なんだこいつ、あっちの世界のDQN並にうぜぇ。

てか見た目以外がなんかうぜぇ。


「まぁ、戯れはこれぐらいにしときましょう。流石にご主人様が人格者でもこれ以上やるとブチギレかねませんし?エルビスちゃん安全第一ですし?」



「な、なぁシーラ。」


「何でしょう?」


何故か必死に変なデフォ娘から顔をそらしてるシーラ。


「こいつ何?」


「・・・知らないですよ?」


「いやいや、さっきおもいっきりエルビスとか言ってたじゃん!」


「知らないです。別に私の別人格とかそう言うのじゃありません。」


・・・別人格なんですね?

てかこいつの口調、もしかして?


「お前、もしかして頭の中に話しかけてきた奴か?」


デフォ娘はニヤリと笑って、


「そうですよ?私はエルビスと言います。気軽にエルビスちゃんと呼んでいいですよ?ご主人様。」


「じゃあ、エルビスで。」


エルビスはちっこい身体をくねくねさせて


「いきなり呼び捨てとかやりますね。流石、シーラちゃんが一目ぼ「ワー!ワー!」」


シーラの奴、いきなり叫び出してどうしたんだ?



「何ですかー?シーラちゃん。」


「な、なんで私の別人格のエルビスがここにいるの!?」


「お?おお、それを聞いちゃいますかぁ?シーラちゃんたらせっかちなんだから!此処はシーラちゃんがエルビスお姉ちゃん!て抱きついきて私がシーラちゃん!と抱き返すのが定石でしょうに。」


「いいから!いいから話してください。マスターがポカンとしてて置いてきぼりになってますから!あと、貴方はどちらかと言うと妹でしょ!」


「おお、そうでした。エルビスちゃんたらうっかり~。てへ?」



随分俗世(こっちの世界)に近いやつだな。


「理由としては一つは封印を解いた際に

知性ある武具(インテリジェンス・ウェポン)〙であるイデア・ファートゥムからシーラちゃんが分離したので、仕方ないから別人格の私だけが残ったんですよ。で、その後契約をしたらご主人様の持ってたスキルに〘導きの羽根〙ってエクストラスキルがありましてね?それと同化してご主人様のサポート兼、癒しとして誕生したわけです。」


ふよふよ漂いながら説明してくるエルビス。

スキル?

インテリジェンス・ウェポン?


「何ですかー?シーラちゃんまだご主人様にスキル説明してないんですかぁ?」


「色々事情がありましたから。」


「な、なぁ。スキルってなんだ?」


あれですか?

RPGとかに出てくるスキルですか?

さすが異世界、ファンタジー万歳。

とか脳内で騒いでいるとエルビスが


「なら、説明しましょう!」


ポンッ、と音ともにホワイトボード見たいなのが現れた。

それもどっかで見たことのあるような猫もどきと眼鏡かけてるパスタ食ってそうな人に似たエルビスのイラストが書いてあるやつだ。


「エルビス先生のスキル講座!まぁ、猫もどきは居ないんですけどね。」


「待て!ほんとにここ異世界か!」


「そうですよ?どうしたんですかぁ?ご主人様。・・・ああ、私がご主人様の世界のオタクとかいう文化に深いのはご主人様の記憶を漁りましたから。時にご主人様。」


・・・嫌な予感がする。


「そんな装備で大丈夫か?」


うっかり手が滑ってチョップでエルビスを叩き落としてしまった。

ドヤ顔が余りにうざかったんだ、仕方ないね。


「痛いですねぇ。」


「いいからスキルについて話せ。」


この世界に来て覚えた事は魔力についてと状況を素直に受け入れて行動する、だ。

どちらも今後も必要な事だろう。

魔力、早く使えるようにならないかなぁ?


「仕方ないですねぇ。いいですか?この世界には魔法などの他にスキルと呼ばれる能力があります。異世界人しかもご主人様は転生者ですのでもれなくエクストラスキルを所持しているのです。」



エルビス曰く

スキルには誰でも獲得できる可能性のある普通のスキル。

少し確率が低いレアスキル。

転生者や稀に現れる選ばれた者が持つエクストラスキルがあるそうだ。

中でもエクストラスキルは規格外の性能が多いらしく、戦場の状況さえ容易く左右するという逸話さえあるらしい。



「スキルってどうやって確認するんだ?」


menu(メニュー)と呟けば自分にしか見えないステータス画面が見えるようになります。消す時はend(エンド)って言えばいいだけです。」


便利だなぁ。


「menu。」


ために唱えてみるとゲームにでも出てきそうなメニューが出てきたのでステータス画面というアイコンをタップ。

するとステータス画面が出てきた。

もうつっこまんぞ・・・。

えっとなになに?



《ステータス画面》

名イツカ・シロガネ 年齢18

種族 人類・??? 性別男

Lv.1


所得スキル

エクストラスキル

〘導きの羽根〙EX

〘???〙???

〘???〙???

〘シロガネ流剣技〙C-


レアスキル

《該当なし》


スキル

《該当なし》


《迷宮の主》

《悪魔の主》

《魔剣所持者》



とのこと。

種族が人類と?になってたのとエクストラスキルもはてなが二つなのをシーラに告げる。


「エクストラスキルが四つもですか!?」


「ああ、凄いの?」


「普通は一つです!多くても二つまでで三つですら五百年に一人いるかと言われるほどですよ!?」


少し興奮気味のシーラ。

そうなのか。

そんなにすごかったのか。


「横にあるEXとかは?」


「それはですねぇ、スキルのランクですよ。下からスキルのF~S、レアスキルのF~S+、エクストラスキルのF~EXまでですね。因みにスキルのSがレアスキルのC辺りに部類すると言われています。また、EからはE-、E、E+、E++の様に違いがあります。」


成程、なら導きの羽根ってエクストラスキルは最高ランクって訳か。


「因みに〘導きの羽根〙の効果は?」


エルビスがデフォルトの胸を張って


「〘導きの羽根〙は知らないことに対して検索が出来たり、マップ表示が出来たりするスキルです。ご主人様に分かりやすく言うとナビゲーションシステムとかいうやつですね。」


成程、だからエルビスがナビゲーターとして出現できたと。


「じゃあ、銘は?」


「それは要は称号です。表示すると自分は偉いんだぞぉって示せます。」


効果はそれぞれですけどね、と鼻で笑うエルビス。

昔なにかあったんかね?



「ご主人様の種族に関してはわかりません。もしかしたら何らかの異変で僅かに別種族の血が混じったのかもしれませんが。」



前途多難だな。

まぁ、何とかなるか。

しかし、よりによって 《あれ》があるとはね。


ちなみにあとでシーラにどうして自分はご主人様呼びがダメでエルビスがいいのかと聞かれたが、シーラいわれると恥ずかしいけどエルビスはどうでもいいと言ったら納得してくれました。

いいのか、それで。

読んでいただけて感謝です。


余談ですがシーラは一人称が私、イツカの呼び方がマスター。

エルビスは一人称がエルビスちゃん、イツカの呼び方はご主人様です。

エルビスはヒロイン扱いしない予定なのでネタキャラ枠です。

エルビスはナビゲーターの役割として小さいデフォルトキャラです。


女の子がゴスロリ着た少女しか出てないのは気にしてはいけない。

いいね?

次回、ようやく戦闘回・・・になるはず。

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