偽物と本物
「何?助けようとしてんの。馬鹿だろ。助けられない君は絶対に」その言葉とともに剣が振り下ろされた。
「さあて。邪魔者は消えたし山本様の下へ行くとするか。…何?今の君にはコイツを助けられないよ」『なんで急所に当てなかったの。僕らを消すのは簡単だろ?何故それをしないの。君がその気になれば僕はすぐ消される。それをしないのはなんで』「なんでだろうな…」
「ぉぃ、あおい、蒼」声が聞こえた。
「蒼!」僕が目を開けるとそこには総大将たちがいた。「逃げたんじゃ…」「アホか。少年を助けに行ったんじゃ」僕を助ける?だって僕は偽物に殺されて……。斬られた場所には包帯が巻かれていた。「そうだ。雪穂さんは…」総大将は隣に目をやった。そこには雪穂さんがいた。傷は深いようだけど無事なようだ。
「ごめんなさい。僕のせいで…」申し訳なくて僕は下を向いた。「少年のせいではない。悪いのは百物語…いや、山本じゃ」山本は僕も倒したいと考えている。山元さんを殺しておいて……実際殺したのは偽物だけど。
「総大将、誠を助ける方法ってないかな?」僕は誠について離した。さっき戦ったのは偽物と云うことも…。
「本物とやらに会えんか」僕は多分無理と答えた。本物の誠は頭に声をかける何も出来なさそうな存在だからだ。会えるのは無理だろう。出来るとしたら誠と頭の中で会話をするだけだ。それで何か手には入るとも限らない。
『蒼が呼んでる。行かないと…』「どこか行くのか」僕は蒼の所へ行くと答えた。偽物は山本様に見つからないように、とだけ云うと何処かへ行ってしまった。僕も行くか…。
茶を飲んだ者は皆、山本様の手下になるほかない。百物語は後2話で完成する。残りの2話をどうするかを考えるだろう。人が妖の仲間入りか……。江戸の闇は深まるね。




